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「Microsoft 365 Copilot」が「Microsoft Whiteboard」や「OneNote」に拡大
限定早期アクセスプログラムを発表。AIスキルはすべてのビジネスパーソンに必須に
2023年5月11日 15:18
米Microsoftは5月9日(現地時間)、「Microsoft 365 Copilot」の強化について発表した。「PowerPoint」や「Outlook」などの機能強化が行われるほか、「Microsoft Whiteboard」や「OneNote」、「Microsoft Loop」にも「Microsoft 365 Copilot」が拡大されるという。
あわせて「Microsoft 365 Copilot Early Access Program」も発表された。これは招待制の有償プレビュープログラムであり、初回は全世界で600名のユーザーを対象に展開される。また、「Microsoft 365」のE3/E5ユーザー向けに「Semantic Index for Copilot」の展開も開始される。Microsoft 365 E3/E5は、企業向けのエンタープライズプランのこと。多くのビジネスパーソンが「Semantic Index for Copilot」を利用できるようになる。
同社によると「Semantic Index for Copilot」は、ファイル名や本文内の単語を検索するような単純なインデックス機能ではなく、検索ワードに基づく、レポートやグラフの作成といった処理を実現するものであり、ユーザーの問い合わせに対する実用的な応答が可能だという。また、Copilotの利用に関わらず、Microsoft 365 E3/E5ユーザーの検索結果が強化されるという。
「Microsoft 365 Copilot」の強化
今年3月に発表された「Microsoft 365 Copilot」には、継続的に生産性の向上に役立つさまざまな機能が導入される予定だ。主な用例は以下の通り。優秀な「Copilot」(副操縦士)を積極的に活用していきたいところだ。
「Microsoft Whiteboard」
「Microsoft Teams」の会議におけるブレインストーミングを創造的かつ効果的にする。「Copilot」によるアイデアの生成、テーマに対するアイデアの整理、アイデアを実現するデザインの作成、ホワイトボードの内容の要約が可能になる。
「Microsoft Viva Learning」
自然言語の対話型AIとのチャットUIを利用して、ユーザーのスキルアップのための計画を支援する。関連する学習リソースの発見、学習時間のスケジュールなど、パーソナライズされた学習計画の作成が可能になる。
すべてのビジネスパーソンにとってAIを活用するスキルは必須に
現代では、ファイルやメール、チャットなどの膨大なデータ量が、ビジネスパーソンの処理能力を上回っており、デジタル負債を抱えている状態だ。イノベーションを犠牲にするこの問題を解消するために、AIを活用するツール(Copilot)が重要というわけだ。
管理職がAIに期待するのは、部下をAIに置き換えることではなく、部下とAIの連携によって生産性が向上することだろう。部下もAIを恐れることなく、分析や創造的な作業に活用したい。
新しい対話型AIの登場により、間もなくAIを利用しない仕事は想像できなくなるはずだ。プロンプトエンジニアリングのほか、AIを利用したワークフローの再構築など、AI時代に適したスキルが必要になる。米国では「GPT」または「GAI」に言及するLinkedInの求人投稿数が前年比ですでに79%増加しているという。すべてのビジネスパーソンにとってAIを活用するスキルは必須なのだ。
同社によると「Copilot」はAIの原則と責任あるAIの標準、そしてAI、基礎研究、プライバシー保護の機械学習に関する数十年の研究に基づいており、研究者、エンジニア、政策専門家からなる多分野のチームが、AIシステムがもたらす可能性のある問題と対策を検討しているという。トレーニングデータの改良や有害なコンテンツの制限、センシティブなトピックのクエリや結果のブロック、「InterpretML」や「Fairlearn」といったMicrosoftの技術を用いたデータの偏りの検出や修正も含まれる。