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AdobeがGoogleと提携 ~チャットAI「Bard」の画像生成を「Adobe Firefly」が担当

生成された画像は「Adobe Express」と連携して編集・修正することも

Adobe、Googleと提携。「Google Bard」の画像生成を「Adobe Firefly」が担当

 米Adobeは5月10日(現地時間)、画像生成AIの分野でGoogleと提携したと発表した。GoogleのチャットAI「Bard」でテキストから画像を生成する際、Adobeの画像生成AI「Firefly」(ベータ版)が直接利用できるようになるという。

 「Firefly」が生成した画像は、Adobeが無料で提供しているオンラインデザインツール「Adobe Express」で編集・修正できる。たとえばヨガスタジオをオープンすることになり、新規顧客向けのソーシャルメディア広告を作成したい場合、「Bard」に「ヨガのポーズをとるキリン」のような画像を生成してもらい――この背後では「Firefly」が用いられている――、「Express」で提供されている膨大なテンプレートから好みのものを組み合わせて修正、そのままSNSへ共有するといった一連の作業を完結できる。

「Bard」に画像を依頼すると、「Firefly」が生成。「Express」で編集・修正まで行える

 AIによる画像の生成は著作権への懸念が付きまとうが、「Firefly」はいずれパブリックベータを卒業したとき、商業環境で安全に使用できるように設計されている。学習には「Adobe Stock」にある膨大なプロフェッショナルグレードのライセンス画像に加え、オープンライセンスのコンテンツや著作権が失効したパブリックドメインコンテンツが用いられており、著作権の問題をクリアしているという。

 また、「Bard」で生成されたものを含め「Firefly」で生成された画像には「Content Authenticity Initiative」(CAI)と呼ばれるオープンソース技術で「Content Credentials」と呼ばれるデータが添付される。これにより、コンテンツが何を使ってどのように作成され、修正されたかをあとから検証可能。画像が人間によって作成されたのか、AIによって生成されたのかを判別可能で安心できる。

 「Firefly」(firefly.adobe.com)は3月より、ベータ版として提供中。利用枠が限られているため、待機リストへの登録が必要だ。「Express」は同社のアカウントさえあればすぐに利用できる。30日間無料でプレミアム機能を試用することも可能だ。