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「Microsoft Edge for Business」に対応した「Edge 116」 デスクトップサイドバーも導入

セキュリティ関係の修正はCVE番号ベースで23件

「Microsoft Edge」v116.0.1938.54

 米Microsoftは8月21日(現地時間)、デスクトップ向け「Microsoft Edge」v116.0.1938.54を安定(Stable)チャネルでリリースした。拡張安定(Extended Stable)チャネルも「Edge 116」へアップデートされている。

 「Edge 116」では「Microsoft Edge for Business」が導入され、「Microsoft Entra ID」(旧:Azure Active Directory)アカウントでログインした仕事用の「Edge」に、エンタープライズグレードのセキュリティ、生産性、管理性、および「Microsoft 365 Copilot」AIが組み込まれるようになった。

「Microsoft Edge for Business」を案内するバナー

 「Edge for Business」を構成しておけば、個人の「Microsoft アカウント」(MSA)でログインしたプライベート用「Edge」で誤って仕事用のWebサイトを開いてしまっても、自動で仕事用の「Edge」へ切り替わる。公私のデータが混ざってしまうのを防止できるのはもちろん、プライベートの利便性を損なうことなく、エンタープライズのセキュリティ・データ保護が必要な場面ではその恩恵を受けることができるのも魅力といえる。

 Webブラウザーが「Edge for Business」であるかどうかは、バージョン情報画面で確認が可能。プロフィールアイコンには「仕事用」と表記される(プライベート用の場合は「個人」と表示される)ほか、ショートカットファイルには仕事用のブラウザーウィンドウであることを示すブリーフケースアイコンが追加される。

 加えて、「Edge」サイドバーをWindowsデスクトップに追加するオプションが導入された。これは主にWindows 10をターゲットとしているようで、デスクトップ右端から好みのツールや「Bing」のAIチャットを含むサービスへアクセスできる。

 なお、Windows 11では「Windows Copilot」が導入される予定だ。これはWindowsのデスクトップでAIチャットと対話できるようにしたもので、OSの設定変更なども一部依頼できる。

 セキュリティ関係の修正はCVE番号ベースで23件。内容は「Google Chrome 116」とほぼ同じだが、「Edge」固有の問題が2件含まれている。

  • CVE-2023-36787:Microsoft Edge (Chromium ベース) の特権の昇格の脆弱性(Moderate)
  • CVE-2023-38158:Microsoft Edge (Chromium ベース) の情報漏えいの脆弱性(Low)

 深刻度の評価は最大で「High」にとどまるが、できるだけ早いアップデートを心掛けたい。

 デスクトップ版「Microsoft Edge」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー([…]アイコン)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。