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日本語フォント「IBM Plex Sans JP」に1万3千以上のグリフ追加 ~「Adobe-Japan1-7」を完全網羅

IBMが自社のロゴやドキュメントに使う目的で制作した高品質な無償フォント

「IBM Plex Sans JP」v2.0.0

 高品位な日本語フォント「IBM Plex Sans JP」が6月25日(日本時間)、v2.0.0へとアップデートされた(フォントファイルのバージョンはv1.003)。各フォントファイルあたり13,555ものグリフが追加されており、「Adobe-Japan1-7」文字コレクションが完全にカバーされているとのこと。

 「IBM Plex」は、IBMのコーポレート書体ファミリー。つまり、同社が自社のロゴやドキュメントなどで統一的に運用するために制作されたフォントで、ブランドイメージを体現するために2年の歳月をかけて開発されたという。主にユーザーインターフェイス(UI)環境をターゲットにデザインされており、PCにおける視認性は良好だ。

 ライセンスは比較的縛りの緩い「SIL Open Font License 1.1」で、個人利用・商用にかかわらず無償。改変して派生フォントを開発したり、アプリやゲームなどに組み込むこともできる。OpenTypeやTrueTypeだけでなく「WOFF」(Web Open Font Format)形式でも提供されているので、WebサイトやWebアプリにも組み込みやすい。

 日本語で使う文字を収録した「IBM Plex Sans JP」は2021年9月から提供されており人気を博していたが、Googleの「Noto Sans CJK JP」やAdobeの「源ノ角ゴシック」に比べて収録文字数が少ないのが欠点だった。しかし、今回「Adobe-Japan1-7」文字コレクションが完全にカバーされたことにより、その弱点も完全に克服されたといえるだろう。「Adobe-Japan1-7」はAdobeが定めた日本語の文字コレクションの最新追補(2019年)で、DTP市場のデファクトスタンダードとなっている。一般的な利用でグリフ不足を感じることはない。

 ただし、グリフの大量追加によりファイルサイズが倍増している点には注意。ファイルによって多少の違いはあるが、TrueTypeフォントの場合で約5.5MBほどある。

ソフトウェア情報

「IBM Plex Sans JP」
【著作権者】
IBM
【対応OS】
(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.0.0(25/06/25)