Windows Insider Preview

一足先に体験! Android端末のストレージをWindowsの「エクスプローラー」で閲覧・管理

ちょっとした注意点も

 このコーナーでは、「Windows 11 Insider Preview」ビルドでテストされている最新のOS機能を紹介します。ただし、テストの結果、紹介した機能が製品版OSに搭載されないこともあります。あらかじめご留意ください。

「エクスプローラーにモバイルデバイスを表示する」機能

 「Windows Insider Preview」ビルドでテスト中 「エクスプローラーにモバイルデバイスを表示する」 機能が編集部の環境でも利用できるようになったので、本稿ではそのセットアップ方法と実際の使い勝手を紹介する。

エクスプローラーにモバイルデバイスを表示する

 この機能は「エクスプローラー」のナビゲーションペインに接続済みAndroidデバイスのエントリを追加し、ローカルファイルと同じようにAndroidデバイスのストレージに保管されているコンテンツを閲覧(ブラウズ)できるようにするもの。一般のフォルダーと同様、右クリックメニューからファイルを新規作成したり、ドラッグ&ドロップやクリップボードを介して他のフォルダーとコンテンツをやり取りしたりできる。

 つまりは、自分のAndroidデバイスにあるファイルをPCからリモート管理できるようにする機能だ。PCからAndroidへファイルを送ったり、その逆を行なったりするのが簡単になる。

セットアップ

Windows 11デバイスの[Bluetooth とデバイス]-[モバイル デバイス]設定ページ

 この機能はWindowsの「モバイル デバイス」サービスとAndroidデバイスにインストールされた「Windows にリンク」(Link to Windows)アプリの連携により実現されているようで、利用する際はあらかじめ以下の作業を済ませておく必要がある。

  1. Androidデバイス(Android 11以降)に「Windows にリンク」(Link to Windows)アプリをインストールし、Windowsとのペアリングを完了させる
  2. Windows 11デバイスの[Bluetooth とデバイス]-[モバイル デバイス]設定ページへアクセスし、[モバイル デバイスを管理]ダイアログを開く。「エクスプローラーにモバイルデバイスを表示する」オプション(デフォルト無効)を有効化する
[モバイル デバイスを管理]ダイアログと「エクスプローラーにモバイルデバイスを表示する」オプション

 執筆時現在はBeta版「Windows にリンク」Androidアプリ、「Windows 11 Insider Preview」ビルドのWindowsが必要だが、正式リリースの暁にはそれぞれ製品版で利用できるようになるはずだ。

機能と使い勝手

 「エクスプローラーにモバイルデバイスを表示する」機能が利用可能になると、「エクスプローラー」のナビゲーションペインにAndroidデバイスが表示される。これをクリックすると、Androidデバイスのストレージを「エクスプローラー」でブラウズできる。

「エクスプローラー」のナビゲーションペインに追加されるAndroidデバイスのエントリ

 フォルダーやファイルのそばに小さく表示されるアイコンは、コンテンツの状態を示している。たとえばスマートフォンのアイコンであれば、コンテンツがAndroidデバイス側にのみあることを示す。PCへドラッグ&ドロップすると同期中を表す青い矢印に、PCへの転送が完了すると緑の完了マークに変化する。おそらく内部では「OneDrive」同期と同じ仕組みが用いられているのだろう。

フォルダーやファイルのそばには、ファイルの同期(転送)状態を示すアイコン

 また、アドレスバー左端のデバイスアイコンをクリックするとパネルが開き、Androidデバイスとの接続状態やストレージの消費量、最終更新日などをチェックできる。[デバイスを管理します]ボタンを押すと、[モバイル デバイスを管理]ダイアログへ直接アクセスできるので覚えておきたい(Androidストレージの右クリックメニューからもアクセス可能)。

Androidデバイスとの接続状態やストレージの消費量、最終更新日などをチェックできるパネル

 パネル右下のアイコンは「ごみ箱」で、初回アクセス時、Androidデバイスのストレージルート直下に「Recycle bin - Connected device」という名前で作成される。「エクスプローラー」でAndroidコンテンツを削除したり、Androidストレージ上でファイル編集・保存が失敗した場合、コンテンツはこの「ごみ箱」に移され、30日経過後に自動で削除される。

「ごみ箱」に移されたコンテンツは、30日経過後に自動で削除される
「完全に削除される」という警告メッセージが表示される場合があるが、ちゃんと「ごみ箱」に移るので気にしなくてよい。ただし、心臓に悪いので表示を控えていただけるとありがたい

 なお、Androidストレージ上のコンテンツは「読み取り専用」となっているので注意したい。読み取り専用を解除してWindowsアプリで編集することは可能だが、保存に失敗し、編集したコンテンツは前述した通り「ごみ箱」に移されるようだ。Androidストレージ上で直接コンテンツを編集することは避けたほうがよいだろう。

Androidストレージ上のコンテンツは「読み取り専用」となっているので注意。Windowsへコピー・移動した場合も同様だ(製品版では修正されるかもしれない)

 コンテンツを編集したい場合は、いったんWindows側のストレージへコピーしてから行い、Androidストレージへ書き戻すとよい。その場合も、編集の際はコピーしたファイルのプロパティダイアログで読み取り専用を解除する必要がある。

Androidストレージ上でコンテンツをイジるのは避けたほうがよさそうだ