いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】ブックを閉じてからミスに気づいてしまった!エクセルで保存前の状態にファイルを復元するテクニック
2018年6月29日 06:55
元の状態に戻したいけれど戻せない!
Excelで、数式をたくさん使ったブックや、たくさんのデータが入力されているブックなどを使って作業をしているときに、「やっぱり元の状態に戻したい……!」と思ったことはありませんか。
Excelで作業しているときは、上書き保存をしながらExcelファイルを更新していきますよね。ただ、いったんブックを閉じてしまうと以前のExcelファイルの内容には戻せなくなってしまいます。元の状態に戻したいと思ったら、新規ブックからもう一度作り直すしかないのでしょうか。
今回は、以前作業していたときの状態のExcelファイルにアクセスできるようにするテクニックを2つ解説します。
テクニック1:バックアップファイルを作成する
1つ目は、保存するときにバックアップファイルを自動で作成するように設定するテクニックです。この設定をしておくと、上書き保存するときに、バックアップファイルが毎回保存されるようになります。
Excelで作成した見積書(①)を使った作業をするときに、バックアップファイルを作成するように設定しましょう。[ファイル]タブ(②)をクリックします。
[情報]画面が表示されるので、[名前を付けて保存](③)をクリックします。
[名前を付けて保存]画面が表示されるので、[参照](④)をクリックします。
[名前を付けて保存]ダイアログボックスが表示されます。ダイアログボックスの下の方にある[ツール](⑤)→[全般オプション](⑥)をクリックします。
[全般オプション]ダイアログボックスが表示されます。[バックアップファイルを作成する]のチェックマークをON(⑦)にし、[OK](⑧)をクリックします。
再び[名前を付けて保存]ダイアログボックスが表示されたら、[保存](⑨)をクリックします。
[名前を付けて保存の確認]ダイアログボックスが表示されるので、[はい](⑩)をクリックします。なお、この画面は、[名前を付けて保存]ダイアログボックスなどで別の名前を付けている場合は、表示されません。
これで、上書き保存前の状態のファイルがバックアップファイルとして保存されるようになりました。実際に、エクスプローラーでファイルの保存されている場所に移動すると、[(ファイル名)のバックアップ.xlk](⑪)という名前のバックアップファイルが保存されています。
普段、「.xlsx」という形式で保存されているExcelファイルをよく見かけると思いますが、ここで保存されたバックアップファイルは「.xlk」という形式になっています。このファイルを開こうとしてクリックすると、警告のダイアログボックスが表示されますが、[はい](⑫)をクリックすれば、ファイルを開くことができます。
バックアップファイルを開いて作業し、そのファイルをバックアップではなく最新のファイルとして保存したい場合は、[名前を付けて保存]ダイアログボックスでファイル名を入力し、「.xlsx」形式で保存しましょう。後で見た時に混乱しないようなファイル名を付けておくと良いですね。不要になったファイルは、その都度削除しておくようにしましょう。
テクニック2:ファイルの自動保存の間隔を変更する
Excelには、ファイルを自動保存する機能があります。この自動保存の機能がONになっていると、自分で上書き保存をしていなくても、ファイルに変更があった場合は定期的にExcelが自動でファイルを保存してくれるので、とても便利です。この機能は初期設定でONになっていますが、自分の作業の内容に合わせて自動保存の間隔を変更すると、より細かくバックアップを取れるようになります。
ファイルの自動保存は、Excelのオプションなので、どれか1つのブックで設定すると、他のブックでも同じように自動保存されるようになります。ここでは、シフト表(①)のブックを開き、そこから設定してみます。ブックを開き、[ファイル]タブ(②)をクリックします。
[情報]画面が表示されます。画面左側のメニューから[オプション](③)をクリックします。
[Excelのオプション]画面が表示されます。画面左側のメニューの[保存](④)をクリックし、[ブックの保存]欄の[次の間隔で自動回復用データを保存する]のチェックマークがON(⑤)になっていることを確認します。その右側に、何分ごとにバックアップを保存したいかを入力します(ここでは「5」)(⑥)。初期設定では、10分ごとに自動保存される設定になっています。
ここまでの設定ができたら[OK](⑦)をクリックします。これで、自分が設定した時間ごとに、自動でファイルが保存されるようになりました。
この設定をしておくと、長い時間保存せずにExcelで作業を続けていたときにも、定期的に自動でファイルが保存されます。また、変更を保存していないときに停電などがあってExcelが強制的に終了してしまった場合も、作業途中で保存されたバージョンのファイルにアクセスできるようになります。
自動保存されたファイルがあるときは、[ファイル]タブをクリックして[情報]画面を開くと、[ブックの管理]欄に自動保存された時刻の一覧(⑧)が表示されます。この一覧から、その時刻に自動保存されたバージョンのファイルにアクセスできます。
時刻の上で右クリック(⑨)するとメニューが表示されるので、[バージョンを開く](⑩)をクリックすると、過去のバージョンを開けます。
過去のバージョンのファイルで作業して名前を付けて保存すれば、通常のExcelファイルとして保存することもできます。上書き保存するときに警告のダイアログボックスが表示されますが、[OK](⑪)をクリックすれば、そのファイルを最新のものとして保存することができます。
転ばぬ先の杖としてバックアップファイルを作成しておこう
今回は、Excelでバックアップファイルを保存するテクニックと、Excelの自動保存の間隔を変更するテクニックを解説しました。
これらのテクニックを使って簡単に過去のバージョンのファイルにアクセスできるようにしておけば、作業中に多少失敗したとしても、落ち着いてまたやり直すことができますね。
リスク対策は、業務のどんな場面でも大切なことですよね。今回の記事で解説したテクニックを、ぜひExcelを使う業務で活用してみてください。
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