でんこと旅するメタバースの世界

2023年のメタバース界は「手軽さ」と「多様性」がキーワード。でんこ注目の新デバイス・プラットフォームはこれだ!

「mocopi」に「FlipVR」、そして「ガンダムメタバース」。気になるトレンド予測をピックアップ

 この連載では「メタバース」という、現実とは異なるもう1つの素敵な世界について、メタバースライターである私、でんこがその魅力や楽しみ方などをお届けします。ぜひ私と一緒に新たな世界へ旅立ってみませんか。
2023年も何卒よろしくお願いいたします

 さて、いよいよ2023年が始まりました。昨年2022年を振り返ってみると、メタバース業界全体でも怒濤の年だったと思います。そしてその流れは2023年も止まらないんじゃないかな、と個人的には考えていて、今からとても楽しみです。

 そこで年始最初の更新となる今回は、個人的に今年のメタバース界で注目したい気になる要素について、3つのトピックスからピックアップしてみました。

メタバース体験を変える(かもしれない)! 注目のデバイス

 2023年に注目したいのは、やはりメタバース空間で過ごす時間の体験を変えるデバイス(技術)の数々でしょうか。昨年末電撃的に発表された「mocopi」や「HaritoraX ワイヤレス」、現在、Kickstarterでクラウドファンディングを実施中で400人以上のバッカーを集めている「ContactGlove」、CES 2023で発表された新しいスタイルのVRコントローラー「FlipVR」など、ワクワクするものが多数発表されています。

 「mocopi」は、ソニーが1月20日に発売予定のワイヤレスモーションキャプチャーデバイスです。手頃な価格でモーションキャプチャーやVTuber配信など、さまざまな用途に使えるデバイスですが、メタバース住人的に楽しみなのがメタバース内で使用して自由で豊富な表現ができる「6点トラッキング」が可能な点です。

「mocopi」。センサーのポップなデザイン性がソニーらしい印象です

 現状で6点トラッキングをするためには大掛かりなデバイスや、大きめのセンサーが必要なのですが、「mocopi」は500円玉サイズの完全ワイヤレスセンサーを頭、両腕、腰、両足につけることで実現できるのがポイントで、より手軽に、より豊かに表現できる体験が可能になるのでは、と期待しています。

 また、パナソニックの子会社であるShiftallも、同様なワイヤレスモーショントラッキングデバイス「HaritoraX ワイヤレス」を発表しました。こちらも完全ワイヤレスの小型センサーで6点のトラッキングが可能なのはもちろん、上腕部にセンサーを追加することも可能です。こちらも間違いなく新しい体験を可能にするデバイスと言えそうです。

「HaritoraX」はmocopiに比べると無骨なデザインですね。センサーの追加ができる点がポイント

 さらに、昨年の「東京ゲームショウ」でも大きな注目を集めた「ContactGlove」はグローブ型のVRコントローラーです。何と言ってもハンドトラッキング機能と触覚フィードバック機能を搭載しているのがポイントです。

 ハンドトラッキング機能を使うことでメタバース空間に指の動きを取り込むことが可能なので、楽器の演奏や演技のパフォーマンスなどをより細かく表現することができますし、注目の触覚フィードバック機能によりバーチャルな空間の中で物に触った感覚などをリアルに体験することができます。“メタバースは触れる時代へ”、そんなことを確信させる新技術と間違えなく言えるでしょう。

Playing VRChat with ContactGlove

 そして「FlipVR」は、新しいスタイルのVRコントローラーで、その特徴は手のひら側に位置している操作パネルを跳ね上げる(フリップする)ことにあります。この機能により、ハンドトラッキングを維持したまま、キーボードを操作したり、飲み物を掴んだり、楽器を演奏することが可能です。

 例えば、これまではメタバース空間内で手の位置をトラッキングさせながら飲み物を取ろうとした場合、コントローラーや飲み物を無理矢理な持ち方で持つことになり、飲み物をこぼしてしまうというようなことも多くありました。かといって手の位置がメタバース空間内に反映されていないと飲み物を飲んでいるという表現ができず……。そういったメタバース住人の声に応える新発想のデバイスと言えるでしょう。

このコントローラーを使えばメタバース飲み会ももっと捗るはず!

新型HMDが続々発表。注目ポイントは「超軽量」

 そして新型のヘッドマウントディスプレイ(ヘッドセット)にも注目です。

 HTC Corporationが1月6日に発表した新型オールインワンXRヘッドセット「VIVE XR Elite」はその1つ。高性能のオールインワンXRヘッドセットとして利用するだけでなく、モジュールを付け替えることで、VRグラス(メガネ型デバイス)として持ち運んで利用することも可能なデバイスです。

 期待しているポイントは複数ありますが、普段使いのデバイスとして使うことを想定すると付け心地には期待ですね。特に焦点距離が調整できるので視力が悪くても裸眼で使用できるというところも嬉しいです。パススルー機能で現実世界と行き来しやすいところ、またハンドトラッキングも搭載しているところなども個人的にありがたい点です。

ヘッドマウントディスプレイは普段使うもの。裸眼で使用できたり、パススルー機能などによりその辺りもグッと便利になりそう

 また、Shiftallが発表した「MeganeX」というVRヘッドセットも気になっています。ヘビーユーザー向けに快適な体験を提供するということをコンセプトに発表していて、特に軽さを追求しているところがポイントになりそうです。もちろんディスプレイの仕様なども良さそうで、249,900円という、ビッグなその製品価格に見合うだけの体験が得られそうだと感じています。

メガネ型の装着感が気になる「MeganeX」。価格もビッグですがそれに見合うだけの体験ができればアリ!

 そして詳細は発表されていませんが、Metaが発売すると噂されている新型のヘッドマウントディスプレイも気になりますね。普及機を目指すとのことなので、恐らく手頃な価格で市場に投入されると思っています。値段とスペック次第では「Quest 2で十分」ということも起こりうるかな、という予想です。

メタバースプラットフォームは多様性の時代に突入!?

 そして、着実に進化を続けるメタバースプラットフォームたちも忘れてはいけない主役です。

 その1つがバーチャルマーケットを手がけるHIKKYがサービスを提供している「My Vket」です。スマホやPCのWebブラウザーからプレイできるメタバースで、高性能なゲーミングPCなどは必要ありません。メタバースが多くの人々に使われるための鍵の1つは「手軽さ」にあると思います。その手軽さをWebブラウザーで動作するというところからアプローチする「My Vket」の今後の成長に期待です。

現在はβ版の「My Vket」。今後の開発にも期待です

 また、ホロライブを手がけるカバーが開発中のメタバース「ホロアース」の2023年の展開も要注目です。

 先日レポートをお届けしましたが、ホロライブ所属のライバーがバーチャル空間内で行なったライブでは、バーチャルならではの演出で多くの来場者と一緒にライブを見られる、というメタバース的な体験が実現されていました。今後も多数のコンテンツを実装予定とのことで、高画質なグラフィックスで再現されたライバーのライブを見て、さらには大草原を駆け回る、そんな遊べるメタバースになるのではないかなと個人的に期待しています。

ホロライブ所属のライバーのライブが見られた「ホロアース」。既存のメタバースとは異なるアプローチで進めていこうとしている展開にも期待です

 そして忘れてはいけないのが「ガンダムメタバース」の続報でしょう。バンダイナムコエンターテインメントが積極的に展開しようとしているIPメタバースや、ほかにもNFT技術を使ったメタバースなど、これまでとは異なるアプローチや技術を使ったメタバースが生まれています。用途や目的によって使うツールが異なるように、メタバースもまた多様性が生まれていくのではないでしょうか。

IPメタバースの1つとして開発中の「ガンダムメタバース」。企業主体でコンテンツを提供していくスタイルがどうなっていくかも注目したいところです

 というわけで、今回は、2023年のメタバース界を紐解くために、私が個人的に注目しているトピックスをお届けしました。今年もメタバースに関連するさまざまな話題をお届けしていきたいと思います。改めてどうぞよろしくお願いしますね。

著者プロフィール:でんこ

バーチャルに活動の場を移したゲームライター。得意分野はビデオゲーム全般だが、最近はメタバースへの関心が強い。
ライターとして様々なメディアで執筆する一方、NPO法人バーチャルライツ公認の第0期VR文化アンバサダーでもあり、メタバース上の活動やメディアでの情報発信を通じてVR文化の魅力を普及させるべく活動中。

・著者Webサイト:https://note.com/denpa_is_crazy/

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