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JASRACがメタバース上の有料バーチャルライブにライセンス料が発生することを明言

ロイヤリティ価格の具体例も公開

日本音楽著作権協会(JASRAC)のホームページ

 3次元の仮想空間(メタバース)において、有料のバーチャルライブをストリーム形式で配信する場合はインターネット上で音楽を利用する場合と同様のライセンスが発生する。一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)は、メタバース空間内での音楽利用について、その姿勢を明らかにした。

 人気バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」での音楽イベント「サウンドウェーブシリーズ」をはじめとして、多くのメタバースプラットフォームでプロのアーティストによるVRワールド・ツアーだけでなく、個人主催のバーチャルライブ・バーチャルDJイベントが盛んに実施されている。こうした中で同協会では、バーチャルライブなどでJASRACが管理する音楽の利用に関して、問い合わせを受けるケースが増加しているという。

「フォートナイト」上で実施された星野源さんのショーステージ
こちらは「cluster」のミュージックワールド選択画面。個人主催のライブイベントが盛んだ

 具体的には、メタバースプラットフォームの運営者がライセンスを得る場合、メタバースでバーチャルライブを行なう際には、同協会が定める「動画配信(商用配信)」の規定に基づきライセンスが発生する。その場合のロイヤリティについては下記の通り。

有料のバーチャルライブをストリーム形式で配信する場合の使用料の例

月間の情報料および広告料等収入の2.1%(最低使用料5,000円)

 なお、収録映像の配信やアーカイブ配信内で外国曲を利用する際には、別途「ビデオグラム録音」のライセンスが必要となる。

 また、メタバース上の店舗(広告やアバターアイテム課金などによる収入があるサービスなど)でBGMを利用する際は「音楽配信(商用配信)」の規定に基づきライセンスが発生する。

広告やアバターアイテム課金などによる収入があるサービス内でBGMをストリーム形式で配信する場合の使用料の例

月間の情報料および広告料等収入の3.5%(最低使用料5,000円)

 このほか、同協会ではゲーム、ミュージックビデオ配信、カラオケ配信など、メタバース空間内で行なわれるさまざまな音楽利用にライセンスするとしている。詳細は担当部門へ相談してほしいとのこと。なお、著作権に関する注意点は、下記のリンクより弊誌の特集記事も参照されたい。

クリエイターが知らないと損する“権利や法律” 記事一覧

 JASRACは、メタバースをはじめとした「Web3.0」における音楽利用についても適切なライセンス環境を整え、音楽クリエイターが適正な対価を得られる取り組みを推進していくとしている。