どれ使う?プログラミング教育ツール

micro:bitを腹筋カウンターにするプログラム ~運動不足解消のモチベーションアップ!

 2020年度からついに小学校でプログラミング教育が実施されます。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。

 休校措置は全国規模になり、5月に学校再開となるかも不透明な状況となりました。おそらくどのご家庭でも、子どもたちはエネルギーを持て余し、一方大人は在宅勤務で運動不足が気になっている方も多いはず。

 ところがまずいとは思っても、義務感でやる運動は本当に全く続きません。そこで、今回はそんな三日坊主防止に役立つ“腹筋カウンター”を「micro:bit」で作ることにします。

腹筋の動作を確認

 「micro:bit」には加速度を検知するセンサーが入っていて、「micro:bit」本体の傾きに応じたプログラムを作ることができます。まず、腹筋する時の動作を思い浮かべましょう。腹筋する前は上体が床と平行ですが、1回腹筋をして上体を起こすと床に対して90°程度になります。この違いをトリガーにカウンターを作ることにします。

上体に「micro:bit」を装着して傾きを検知する計画

 「micro:bit」のプログラミングには「Makecode for micro:bit」を使います。これまでの記事も参考にしてください。

基本のカウンターを作る

 カウンターの作り方は、以前の記事でチュートリアルを利用しながら説明しましたので、こちらも参照してください。

 はじめにカウンターの数字を管理するために“変数”を作ります。[変数]カテゴリーで[変数を追加する…]をクリックすると変数に好きな名前をつけられるので、“count”と名前をつけます。これで変数“count”を使えるようになりました。

 プログラム作成エリアには、初期状態で[最初だけ]ブロックがあるので、そこに[変数“count”を“0”にする]ブロックを入れます。

変数を0に初期化する

 これで、「micro:bit」の電源を入れてプログラムが始まる度に、カウンターが0にセットされます。

“上体を起こしたとき”はどうやって検知する?

 上体に「micro:bit」を貼り付けておけば、腹筋をするたびに「micro:bit」の向きが変わります。「micro:bit」の向きをプログラムに使うために、[入力]カテゴリから[“ゆさぶられた”の時]ブロックを選んで配置してください。

 このブロックの“ゆさぶられた”にマウスを合わせると、“落とした”、“左に傾けた”など、沢山の選択肢が現れます。それらの中から“ロゴが上になった”を選びます。腹筋で体を起こすと、「micro:bit」の向きが変わりちょうどロゴの位置が上になるからです。

 続けて、下の図の通り、[変数“count”を“1”だけ増やす]ブロックと、[文字列を表示“count”]ブロックを配置すれば、基本のカウンターが完成です。

変数“count”の数を増やしてLEDにその値を表示させるプログラム

モチベーションアップに効果音を追加

 ただ、これだけだとちょっとやる気が出そうもないので、ついでに効果音をつけます。「micro:bit」本体にはスピーカーがついていませんが、バングルモジュールやスピーカーモジュールとセットで使えば音を鳴らせます。

 [音楽]カテゴリーから[メロディを開始する“ダダダム” くり返し“一度だけ”]ブロックを選び、下の図の通り追加します。“ダダダム”の部分は好きなメロディに変更しますがここでは“パワーアップ”を選びました。

音を鳴らすブロックを追加したところ

 これで、腹筋を1回するたびに、数字が増えてパワーアップ効果音が鳴ります。

リセットボタンを追加

 腹筋10回を3セットやる場合、カウンターをゼロにするために、いちいち「micro:bit」を再起動するのはちょっと面倒です。そこで、ボタンを押したらカウンターがゼロにリセットされるようにします。

 [入力]カテゴリーから[ボタン“A”が押されたとき]ブロックを選びます。下の図を参考に、変数“count”をゼロにして、LEDに表示するプログラムを追加します。リセットしたことがわかりやすいよう、効果音をいれておきます。

ボタンAを押した時にカウンターがゼロになるプログラムを追加した

完成!

 完成したプログラムは、[ダウンロード]ボタンでパソコンにダウンロードし、USBケーブルでつないだ「micro:bit」にプログラムファイルを転送します。

 今回はバングルモジュールにセットしてネジ止めし、ボタン電池から給電されスピーカーが使えるようになっています。これをテープで上体にぺたりと貼り付けました。

「micro:bit」を上体に貼り付けたところ

 手で動かしてテストしたところを動画でご覧ください。

micro:bitで作った腹筋カウンター - 窓の杜

 実際に試してみましたが、腹筋をするたびに数字が増え効果音が鳴ってくれるので楽しく、モチベーションがアップしました。3日坊主にならないようにこれで毎日腹筋をがんばりたいと思います。みなさんもぜひ、ちょっと楽しく生活に役立つものを作ってみてください!