石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

レベル上げが一気に高速化! 「ディアブロ IV」が「シーズン2」で段違いの快適さに

 PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。

「シーズン2」が始まったので試してみた

「ディアブロ IV」で「シーズン2」が開始

 ハック&スラッシュ「ディアブロ IV」のシーズン2「渇望の鮮血」が10月18日より開始された。期間は2024年1月24日までとされている。

 「ディアブロ IV」では一定期間内に新たなキャラクターで仕切り直すというシーズン制を採用している。前回のシーズン1の際には、ゲームがやや単調でレベル上げに時間がかかるのがネガティブと感じられた。

 では「シーズン2」ではどう変わったのか。発売から4カ月程度しか経っておらず、それほど大きな修正やゲーム内容の変更はないだろうと思っていたが、遊んでみると意外や意外、想像以上に改良されているようだ。筆者もまだ遊び始めたところだが、はっきりと変化が感じられる内容になっている。

多数のゲームバランス調整や新要素の追加

 先述のとおり、「シーズン2」でも新たなキャラクターを作成することになる。「シーズン1」のキャラクターはエターナル、つまりシーズン外のキャラクターとして保存されており、続けてプレイは可能だ。ただし「シーズン1」のオリジナル要素「マリグナントの心臓」に関わるアイテムはすべて消失している。

筆者が「シーズン1」でプレイしたキャラクター。「マリグナントの心臓」がすべてなくなっている

 筆者は発売前のテストも含めて3つのクラスを使ったので、「シーズン2」は未経験の「ドルイド」を選択。自然や動物の力を操り、風や土を魔法のように操ったり、熊などに変身したりして戦うクラスだ。

今回は「ドルイド」を選択。土で戦うタイプにしてみた

 さてゲーム内の方は、「シーズン2」の開始と同時にアップデートがかかっている。公式発表はこちら

 変更点は極めて幅広いのだが、最も懸念される高レベル帯でのレベリングは大幅に経験値が増えているほか、馬の挙動の高速化や保管箱の増加など利便性も良くなっている。全体として、面倒だなと感じたところをあちこち改善したという印象だ。

 またこれとは別に、「シーズン2」のオリジナルの強化要素として、ヴァンパイアの「吸血力」が追加されている。装備に付与される「盟約」に応じて強化能力を身に着けられるもので、まだ序盤ながらなかなか強力な効果が得られている。

「シーズン2」限定の強化要素「吸血力」。序盤ながら結構強力なものがある

新コンテンツ「血の収穫」の稼ぎが優秀過ぎる

 「シーズン2」は序盤から「血の収穫」というコンテンツに挑戦できる。以前からあるエンドコンテンツの1つ「ヘルタイド」に近く、特定のエリアでの時間限定のイベントとなる。マップを開いて緑色っぽく染まっている地域がそれだ。

マップで緑色の地域を探す

 「血の収穫」のエリアで敵を倒すと、「血の囮」と「シーカーの鍵」というアイテムを入手できる。「血の囮」はエリア内に置かれている祭壇に一定数捧げることで、イベントモンスターを湧かせたり、イベントアイテムを入手できたりする。「シーカーの鍵」はエリア内にある特別な宝箱を開けるためのアイテム。

祭壇に「血の囮」を捧げると何かが起こる
「シーカーの鍵」を手に入れれば、特別な宝箱が開けられる

 「ヘルタイド」は制限時間が終わると同時にイベントアイテムが消失したが、「血の収穫」ではそのまま持ち越せる。また制限時間終了と同時に、別のエリアで新たな「血の収穫」が発生する。いつでも遊べてアイテムを失う心配もない、「ヘルタイド」よりかなり緩めのコンテンツとなっている。

 しかし報酬はなかなかのもの。「血の収穫」エリアでは、10ポイント集めると「囁きの木」で経験値と多数のアイテムがもらえる「厳かな願い」が得られるイベントが必ず3つ用意されており、すべててクリアすれば9ポイント得られる。まずはポイント稼ぎのために参加するつもりでいいだろう。

目標を達成すると「厳かな願い」のポイントまでもらえる

 またエリア内で戦うことで「ハンターの喝采」というポイントも得られる。これは一定量貯めることで報酬が得られるというもの。さらに「吸血力」を得るために使われる「濃厚な血」も入手できる。

「ハンターの喝采」を集めると報酬が得られる

 戦闘による経験値に加えて「囁きの木」の報酬が得られ、さらに「シーズン2」の要素である「ハンターの喝采」や「吸血力」に関わるアイテムが得られる。つまり「血の収穫」に参加しておけば、「シーズン2」の重要な要素を概ねカバーしつつ、レベルも上がっていく。

 実際に低レベルのうちから参加してみたところ、「囁きの木」も含めて経験値は今までとは段違いに早く貯まっていく。「吸血力」に関しては、ある程度シーズンクエストを進めないと有効にならないので、別途進めておく必要はある。それでも序盤のレベル上げについては「血の収穫」をやっておけばいい、という感じにはなっている。

相変わらず美味しい「囁きの木」の報酬

「レギオン」や「ワールドボス」も参加しやすくなって飽きない

 とはいえ「血の収穫」だけをやっていると作業感が出てきてしまうので、違うコンテンツにも参加したい。特に他のプレイヤーと協力する「レギオン」や「ワールドボス」は積極的に参加しておきたい。

 「レギオン」はワールド内のどこかに一定間隔で発生するコンテンツで、多数の敵を高速になぎ倒して、最後に現れるボスを倒すという内容。複数のプレイヤーが参加するので経験値効率がよく、攻略後にはアイテムも多数手に入る。

 「ワールドボス」も一定間隔で発生するコンテンツで、他のプレイヤーと協力して巨大なモンスターと戦う。豪快な攻撃でプレイヤーを次々葬り去っていく強力な敵だが、こちらも倒せれば豪華な報酬が得られる。

 「レギオン」と「ワールドボス」は、いずれも以前からあったものだが、発生間隔が短くなったため、かなり参加しやすくなった。特に「レギオン」は爽快感もあるので、「血の収穫」の合間に挟んで参加するといい気分転換になる。「ワールドボス」は以前より強力になったそうでお手軽ではないが、敵の挙動をよく見て回避しつつ戦うのが楽しいと感じる人にはおすすめ。

「レギオン」は25分間隔で発生する。爽快感と報酬の両方が美味しい

 筆者は今のところ数時間ほどしかプレイしていないが、これならレベル1から50くらいまでは10時間もかからずに行けそうな手ごたえがある。またレベル50以降も以前に比べれば格段にレベルが上がりやすくなっているそうだ。シーズン終了まで3カ月ほど時間があるので、「シーズン1」は途中で挫折したという方も、今回はレベル100を目指せるのではないかと思う。

 プレイ前の筆者の想像では、「シーズン2」が始まったといっても、バランス調整と少しのアイテム追加程度だろうと軽く見ていた。だが実際にやってみると、「シーズン1」の「マリグナントの心臓」とは全く違う「吸血力」という仕組みが実装され、手触りが激変している。

 前回の記事で「もし飽きても1年後くらいに遊んでみては」と言ったが、不完全燃焼で辞めたのであれば、今からでも再開してみていいと思う。想像以上にちゃんと遊べると感じる方は多いはずだ。

まだプレイしていないクラスがあるなら、「シーズン2」で試してみて欲しい。しかし土ドルイドは地味だな……

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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