やじうまの杜

登場から早や20年、いまだに話題となるデスクトップマスコット「伺か」ってなに?

今も作り続けられるゴーストとシェルが人気の秘訣

 「やじうまの杜」では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。

「SSP」v2.5.90+「Emily/Phase 4.5」

 20年前からあるWindows向けのデスクトップキャラクターアプリ「伺か」(うかがか)が、「Twitter」でちょっと話題になっているようです。それにしても息の長いジャンルですね!

長い歴史を誇るデスクトップマスコット「伺か」

 ここで「伺か」と呼ばれているのはデスクトップマスコットアプリの一種で、「偽春菜」「任意」「何か」という名前でも知られています。2人1組のマスコット(3人のときもあり)が漫才のような掛け合いをする様子は見ているだけでかわいらしく、パソコン作業に疲れたときの一服の清涼剤になります。キャラクターにマウスで「いたずら」をして、反応を楽しむのもアリです。

漫才のような掛け合いをする様子は見ているだけでかわいらしい
キャラクターにマウスで「いたずら」をしてもよい(マウスで「頭を叩いたとき」の反応)
「SSP」の設定画面。かわいらしいだけでなく、機能も充実している

 「伺か」系のデスクトップマスコットアプリは、以下の3つの要素から成り立っています。

  • ベースウェア:マスコットを動かすためのソフト。いくつかありますがすでに更新を終えているものが多く、現在は「SSP」というアプリが主流です
  • ゴースト(Ghost):マスコットの人格や語彙。ベースウェアとのやり取りも行う
  • シェル(Shell):マスコットの外観。立ち絵とも呼ばれ、アニメーションもする

 ちょっと難しく感じますが、初期導入のために用意されている「SSP」のフルセット版ならば、

  • ベースウェア「SSP」
  • ゴースト「Emily」
  • シェル「Phase 4.5」

をまとめて導入可能です。ゴーストには通常シェルが含まれているようですので、ゴースト≒キャラクターと考えてもいいでしょう。慣れてきたらシェルだけ旧バージョンの「Phase 4」「Phase 3」に入れ替えたり、コミュニティで開発されている他のゴーストに切り替えて、異なる人格を楽しんだりしてみましょう。

なぜ「伺か」はさまざまな名前で呼ばれているのか?
もともとこの分野の元祖として「ペルソナウェア」という無償アプリがあり、人格を持ったマスコット(ペルソナ、当初は「春菜」のみ)と触れあえる点、開発キットでユーザーが自由にペルソナを開発できる点、「春菜通信」と呼ばれる通信機能で他の「ペルソナウェア」とメッセージをやり取りできる点などが人気を博していました。
「ペルソナウェア」のペルソナ
一方で、それに触発される形で「偽ペルソナウェア with "偽春菜"」なども登場。「ペルソナウェア」に不満を覚えるユーザーが独自に開発を進め、現在のゴースト・シェルにつながる仕様を発展させていきました。ところが2000年、「ペルソナウェア」はv1.00リリースを機にシェアウェアに。開発元が類似アプリに「ペルソナウェア」「春菜」の名前を用いないように要求したため、「偽」側は「あれ以外の何か with "偽春菜"」「あれ以外の何か with "任意"」に改称するなどして抵抗しましたが、最終的には無用の争いを避けるとして「あれ以外の何か」は公開終了となります。いわゆる「偽春菜問題」です。しかし、「あれ以外の何か」の公開後も制作者を変えながら「SSP」や「何か。(仮)」、「何か」、「伺か」(MATERIA)、「しなちく」といった互換プログラムの開発が受け継がれ、今に至っています。現在は「伺か」といった場合、ベースウェアだけではなくゴーストやシェルまで含めた開発と愛好者のコミュニティ全体を指すことが多いようです。

「SSP」のセットアップ方法

 「SSP」は現在、「独立伺か研究施設 ばぐとら研究所」のWebサイトからダウンロード可能。初めての場合はZIPパッケージではない方のフルセット版(Complete Install Package)を利用するとよいでしょう。

ZIPパッケージではない方のフルセット版をダウンロード

 「一般的にダウンロードされていません」というメッセージが現れてダウンロードがブロックされる場合は、以下の記事を参照して、自己責任でブロックを解除してください。

 実行ファイル(ssp_***.exe)は自己解凍書庫になっており、ダブルクリックすると指定したパスにファイル一式を解凍できます。今回は「C:¥(ユーザー名)¥SSP」というフォルダーを作成し、内容を展開しました。「ssp.exe」を起動すると、「ゴースト」が現れるはずです。

ダブルクリックすると指定したパスにファイル一式を解凍できる
「SSP」の構成ファイル。「ssp.exe」を起動すると「ゴースト」が現れる

 「SSP」の機能は豊富なので本稿では説明しきれませんが、まずはニヤニヤと眺めて楽しむとよいでしょう。慣れてきたらゴーストをクリックしてみたり、メールやRSS機能を使ってみてください。

RSSのアイコンをゴーストにドラッグ&ドロップすれば、フィードを購読できる
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ソフトウェア情報

「SSP」
【著作権者】
SSP BUGTRAQ
【対応OS】
Windows 98/2000以降(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.5.90(22/04/17)