「Microsoft Edge 82」も公開中止 ～TLS 1.0/1.1のデフォルト無効化は7月の「Edge 84」に

公式ブログ“Microsoft Edge Blog”でのリリース

　米Microsoftは3月31日（現地時間、以下同）、「Microsoft Edge 82」のリリースを中止したことを明らかにした。「Google Chrome」「Chrome OS」の新しいリリーススケジュールに追随した格好だ。

　新型コロナウイルス（COVID-19）が世界的に流行している状況を鑑み、「Chromium」ベースのプロジェクトはスケジュールの再調整を余儀なくされている。3月半ばに出荷されるはずだった“M81”リリースにはTLS 1.0/1.1のデフォルト無効化をはじめとする比較的大きな変更が多く、多くの事業所が慣れないリモートワークへの対応を強いられているなかリリースするのはIT管理者やユーザーの負担になるためだ。重要な政府サイトの一部がいまだTLS 1.2をサポートしていないとして、Mozillaも「Firefox 74」で実施されたTLS 1.0/1.1廃止を一時撤回すると表明している。

　「Edge 81」の新しいリリーススケジュールは、予定より遅れて4月上旬となる。「Edge 82」はスキップされ、「Edge 83」が3週間前倒しの5月中旬にリリースされるという。

　なお、新しい「Microsoft Edge」におけるTLS 1.0/1.1のデフォルト無効化は「Edge 84」（7月リリース予定）になるとのこと。「Internet Explorer 11」と「Microsoft Edge Legacy」（「EdgeHTM」ベースの旧版）では、9月8日の実施が予定されている。必要に応じてユーザー側でTLS 1.0/1.1を再度有効化することは可能だが、できるだけ早い後継バージョンへの移行が推奨されている。