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Microsoft、SMB圧縮の新仕様をWindows 11/Server 2022へリリース

ファイル転送時に圧縮してデータの転送量と転送にかかる時間を削減

Microsoft、SMB圧縮の新仕様をWindows 11/Server 2022へリリース

 米Microsoftは8月26日(現地時間)、SMB圧縮(SMB Compression)の新仕様をWindows 11/Server 2022へリリースしたと発表した。Dev版Build 22449Beta版Build 22621.450からテストされていたもので、2022年8月Cリリース(KB5016691、KB5016693)から製品版にも導入される。

 SMB圧縮は、ネットワークを経由した転送時にファイル圧縮を要求する技術。転送中のCPU使用率は若干増えてしまうものの、データの転送量と転送にかかる時間を削減できるのが魅力だ。とくにネットワーク帯域に余裕のない環境で有効だが、余裕のある環境でも輻輳(一カ所に集中して混雑すること)を減らす効果が期待できる。

SMB圧縮の効果。仮想ディスクなど、圧縮効果の高いファイルではデータの転送量と転送にかかる時間を大きく削減できる

 初期の設計ではまず転送ファイルの最初524,288,000バイト(500MiB)を圧縮しようと試み、少なくとも104,857,600バイト(100MiB)にまで圧縮されたかどうかをチェックする仕組みとなっており、それに満たない場合、SMB圧縮はファイルの残り部分の圧縮を停止していた。つまり、圧縮されるのは非常に大きなファイルだけだった。

 しかし、展開済みの仕様では「/COMPRESS」スイッチなどで圧縮が要求されると、常に圧縮を試みるようになっている。サイズの小さいファイルやすでに圧縮されているファイルを転送する際にCPUを無駄に占有することになるが、結局はユーザーが自分で判断した方が効率はよかったようだ。SMB圧縮の利用可否はグループポリシーや「PowerShell」、レジストリなどでもコントロールできる。

 なお、SMB圧縮はエディションに関係なく利用可能。Windows 11/Server 2022同士であれば、互いにクライアント・サーバーとなって圧縮転送を行うとのこと。