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「タスク マネージャー」にフィルタリング機能 ~2023年2月のプレビューパッチが出そろう

「Windows 11 バージョン 22H2」に大量の改善、既知の不具合に注意

Microsoft、「Windows 11 バージョン 21H2」などに対しCパッチをリリース

 米Microsoftは2月28日(現地時間)、「Windows 11 バージョン 22H2」向けのプレビュー更新プログラム「KB5022913」を公開した。2023年2月のプレビューパッチがこれで出そろったことになる。

  • Windows 11 バージョン 22H2:KB5022913(今回リリース)
  • Windows 11 バージョン 21H2:KB5022905(21日リリース済み)
  • Windows 10 バージョン 22H2/21H2/20H2:KB5022906(21日リリース済み)

 今回リリースされたのは、セキュリティ関係の修正を含まないパッチ(Cリリース)。米国時間の来月第2火曜日に予定されている月例の更新プログラム(パッチチューズデー、Bリリース)に先駆けテストされるものだ。

 Cリリースは必須ではなく、あくまでも「オプション」として配信されている。そのため、かならずしも適用する必要はないが、新機能をいち早く試してみたい場合は適用してみてもよいだろう。既存の不具合が解消されることもある。

 「KB5022913」では、同日発表された「Windows 11 バージョン 22H2」の大型アップデートが先行テストされる。

 OSに関わる変更は、以下の通りだ。

タスクバーの検索ボックス

 タスクバーの検索のデザインがアイコンからボックスに。検索ボックスにキーワードを入力すると、結果がフライアウト表示される。

タスクバーの検索のデザインがアイコンからボックスに

 これは「設定」アプリの[個人用設定]-[タスクバー]ページで元のデザインへ戻すことも可能。また、商用ユーザーの場合はIT管理者向けの新しいポリシーも提供される。

Windows Studio Effects

 対応NPU(AI処理向けのプロセッサー)を搭載したデバイスで[クイック設定]メニューから、背景ぼかし、アイコンタクト、自動フレーミング、音声フォーカスといったAIエフェクト「Windows Studio Effects」が利用可能になる。

[クイック設定]メニューから利用できる「Windows Studio Effects」

「クイック アシスト」アプリ

 「クイック アシスト」アプリが[スタート]画面の「すべてのアプリ」リストに登録され、すばやくアクセスできるように。

「クイック アシスト」アプリが[スタート]画面の「すべてのアプリ」リストに

2-in-1デバイス向けのタスクバー

 2-in-1デバイス向けに、タブレットモードのタスクバーを追加。誤タップを防止し、デスクトップのスペースを広げるために、タスクバーが薄くなった。必要であればスワイプで開けるが、指でタップすることを考えてタスクボタンのサイズは大きくなっている。

 この機能は「設定」アプリの[個人用設定]-[タスクバー]ページで無効化することも可能。商用環境では利用できないが、新しいコマーシャルポリシーで有効化できる。

点字デバイスのサポート強化

 「ナレーター」アプリとサードパーティー製スクリーンリーダーを切り替えても、点字デバイスを引き続き利用可能に。新しい点字ディスプレイと新しい点字入力・出力言語のサポートも追加される。

エネルギーに関する推奨事項

 「設定」アプリに[システム]-[電源とバッテリー]-[エネルギーに関する推奨事項]ページを追加。PCのバッテリー消費を抑えるための設定を提案し、ひいては二酸化炭素排出量を削減できる。

「設定」アプリに[システム]-[電源とバッテリー]-[エネルギーに関する推奨事項]ページを追加

[スタート]画面にお勧めのコンテンツ

 「Azure Active Directory」(AAD)に参加しているデバイスで、AIがお勧めするコンテンツを[スタート]画面へ表示。会議の準備に必要なドキュメントや、共同作業中のファイルへすばやくアクセスできる。

タスクトレイの強化

 タスクトレイのデザインが「Windows 11」標準の「Fluent Design System」準拠に。隠れているアイコンをフォーカスしたときやマウスホバーしたときのエフェクトも角丸になる。

タスクトレイのデザインが「Windows 11」標準の「Fluent Design System」準拠に

音声アクセスの強化

 ボイスコマンドによるユーザーインターフェイス(UI)操作が拡充され、以下のようなケースがサポートされる。

  • 「Click 5」のような数字を含む名前
  • 「click PivotTable」や「click PivotChart」など、間に空白がない名前
  • 「Bluetooth & devices」や「Dial-up」など、特殊文字を含む名前

 スピンコントロール、サムコントロール、スプリットボタンなどにも対応し、オーバーレイ表示される数字を指示するなどして操作できるようになったほか、ウィンドウスナップやテキストボックス内のカーソル移動、スクロールなども改善された。

「タスク マネージャー」の強化

 「タスク マネージャー」が強化され、以下の機能が利用できるようになる。

  • フィルタリング:バイナリ名、PID、またはパブリッシャー名などでプロセスをフィルタリング([Alt]+[F]キー)。フィルタリング状態は、画面を切り替えても維持される
  • テーマオプション:OSのテーマと異なるテーマを選択可能に。一部ダイアログを除く、すべてがテーマ対応に
  • 効率モード:確認ダイアログのオプトアウトが可能に
フィルタリングに対応した「タスク マネージャー」。一部ダイアログを除く、すべてがテーマ対応に
効率モードは確認ダイアログのオプトアウトが可能に

 なお、「KB5022913」には既知の問題があるので注意。サードパーティー製のUIカスタマイズアプリを導入している場合、デバイスが起動不能になる可能性がある。

 また、「Windows 10 バージョン 20H2」および「Windows 10 バージョン 21H2」向けのCリリースは3月から提供されなくなるとのこと(セキュリティパッチであるBリリースは継続)。Windows 10でCリリースが配信されるのは、最新版の「バージョン 22H2」のみとなる。