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「Excel」も声で読み上げる時代に ~Microsoftが「ナレーター」を最適化

AIベースの自然な音声も相まって、より簡潔で聞き取りやすく

「Excel」で「ナレーター」最適化が実施される

 米Microsoftは10月24日(現地時間)、Windows版「Microsoft Excel」でスクリーンリーダー「ナレーター」の読み上げを改善したと発表した。冗長だった読み上げを簡潔にしてわかりやすくしたほか、キーボードショートカットでカスタマイズできるようになっているという。

 スクリーンリーダーはアプリのメニューやテキストを読み上げて、視力にハンディキャップを抱えたユーザーでもコンテンツの内容を把握したり、アプリを操作できるようにしたアクセシビリティ機能。最近はAIベースの音声も普及しつつあり、従来より自然な読み上げが可能で、「目で見るよりも耳で聞きたい」健常者にとっても有用だ。

 Windowsには「ナレーター」というスクリーンリーダーが標準で内蔵されており、[Ctrl]+[Windows]+[Enter]キーで有効化できる(もう一度押せば、無効化できる)。しかし、「Excel」で使うには読み上げが少々冗長で、使いにくい印象があった。

「ナレーター」アプリは[Ctrl]+[Windows]+[Enter]キーで有効化できる
従来より圧倒的に自然な読み上げを実現するAIベースの音声。日本語でも利用できる

 そこで、9月のアップデートで「ナレーター」を最適化する実験的機能が「Excel」に導入されているという。「A1」セルに「test」というデータがある場合、従来は「A1」セルに移動すると「ナレーター」は「A1, selected, editable, column 2 row 2, item, test, cell」などと読み上げていたが(英語の場合)、アップデート後はただ「A1, test」とのみ読み上げる(日本語版でも確認)。

 そのほかにも、以下の改善が行われているとのこと。追加の情報を読み上げたり、読み上げをカスタマイズするためのキーボードショートカットについては、サポートページを参照のこと。

  • セルが空白の場合にそれを明示的なアナウンス
  • セルに条件付き書式、データ検証、数式など、テキスト以外の情報や不明確な情報が含まれている場合に、それを簡潔に読み上げ
  • 結合されたセルの処理を改善
  • 共同編集の際に、他のユーザーが選択または編集しているセルの情報を読み上げ
  • セルのアナウンス順序をカスタマイズ(「A1, test」ならば、「test, A1」にすることも可能)

 なお、今回の「ナレーター」最適化はWindows 11でのみ利用可能。

 同社は、この改善でスクリーンリーダーのユーザーが正しい情報を見つけるのが容易になり、時間を節約できるとしている。