「Gemini」が大幅にアップグレード ～ユーザーの検索履歴に基づき応答してくれる

「Gemini」が大幅にアップグレード

　米Googleは3月13日（現地時間）、「Gemini」のアップグレードを発表した。一般ユーザー向けに検索履歴をもとに応答してくれるパーソナライズ機能が実装されるなど、大幅な機能強化が行われている。

Deep Researchが一般ユーザーにも開放

Deep Researchが一般ユーザーに開放

　複雑なトピックに対し、オンラインで情報収集し、ユーザーの代わりにレポートとして調査結果を書くDeep ResearchがGemini 2.0 Flash Thinking Experimentalにアップグレードされた。これにより、計画や検索、推論、分析、レポートにおいてより詳細で洞察力に富んだレポートを作成できるとしている。また、調査段階でリアルタイムの情報を反映できる。

　さらに、これまでDeep ResearchはGemini Advancedにアクセスできるユーザーのみの利用に限られていたが、一般ユーザーであれば月に数回無料で試すことができるようになった。Gemini Advancedユーザーに対しても、Deep Researchへの拡張アクセスが可能となる。

「Personalization（experimental）」でユーザーの検索履歴に基づいた応答

「Personalization（experimental）」でユーザーの検索履歴に基づいた応答をしてくれる

　Gemini 2.0 Flash Thinking Experimentalを搭載したパーソナライズ機能を新たに実装。Google検索をはじめとするGoogleのアプリやサービスと連携し、ユーザーごとのニーズに合わせ、カスタマイズされた応答を提供する。例えば、「Gemini」におすすめのレストランを尋ねると、過去検索した食べ物に関する情報を参照し、その情報をもとにレストランの提案をしてくれる。

　この機能は一般ユーザーでも利用可能。試すには、左上のモデル選択のドロップダウンから［Personalization（experimental）］を選べばよい。なお、履歴などの情報はユーザーで管理することができ、「Gemini」と検索履歴の連携を簡単に切断することもできる。

左上のモデル選択のドロップダウンから［Personalization（experimental）］を選択

連携アプリの強化

　2.0 Flash Thinking Experimentalで、「Google カレンダー」、「Google ToDo リスト」などの各種アプリ・サービスと「Gemini」が連携できる。これにより、「Gemini」に1つのプロンプトを入れるだけで、各種アプリ・サービスが連動し、実行してくれる。

　例えば、『YouTube で簡単なクッキーのレシピを検索して、材料を買い物リストに追加して、近くでまだ開いている食料品店を探してください』と入力した場合、YouTubeで検索して「Google ToDo リスト」などで買い物リストを作成し、「Google マップ」で食料品店を検索可能だ。

　この強化は現在、英語版から展開を開始している。今後数週間で、「Google フォト」とも連携することができ、写真から情報を得た応答も可能になるとのこと。

「Gem」が一般向けにも提供開始

「Gem」が一般向けにも提供開始

　「Gemini」を特定のトピックの“専門家”にできるカスタマイズ機能「Gem」が一般ユーザー向けでも利用可能となった。あらかじめ用意されたGemのほか、「Gemini」の「Gem マネージャー」から、自分でカスタマイズすることも可能。

「Gem マネージャー」

自分でカスタマイズし、自分専用の専門家にできる

「2.0 Flash Thinking Experimental」

　このほか、Gemini Advancedユーザー向けには「2.0 Flash Thinking Experimental」で最大100万トークンの入力に対応したコンテキストウィンドウにアクセスできるようになった。