レビュー
Windows 8時代のままの古いメディア・輝度フライアウトをモダンに「ModernFlyouts」
機内モードや[CapsLock]キーインジケーターとしても利用可能
2021年1月14日 17:10
近年のWindows 10ではメトロ(フラット)デザインから“Fluent Design System”と呼ばれる新しいUIデザインへの移行が進められており、[スタート]画面やタスクバーといったOS部品だけでなく、アプリケーションにもアクリル素材効果や奥行き・重なり・陰影の表現を取り入れたものが多くみられるようになった。しかし、その一方でWindows 8時代のデザインそのままで放置されている部分もある。その代表例が、メディア・ボリュームコントロールや輝度調整といったOSのビルトインのフライアウト(ポップアップ)。これをモダナイズしようというプロジェクトが、今回紹介する「ModernFlyouts」だ。
「ModernFlyouts」はオーディオライアウトをモダン化する「AudioFlyout」から派生したプロジェクトで、これに輝度コントロールや固定キーインジケーターといったフライアウトが加えられている。標準のフライアウトを無効化するのではなく、隠して独自のフライアウトを表示するため、個別に無効化して標準のフライアウトへ戻すのも簡単だ。独自フライアウトには標準のフライアウトにはない工夫もみられるので、ぜひ試してみてほしい。
オーディオ
まずは、メディアキーやボリュームキーを操作した場合に現れるオーディオフライアウトだ。標準のフライアウトはフラットで陰影がないが、「ModernFlyouts」のフライアウトは裏にあるウィンドウとの重なりが影で表現されているのがわかる。モダンなフライアウトは標準的なスライダーコントロールで音量を調整可能で、ミュートも簡単だ。
標準のフライアウトとは異なり、タイトルバーをドラッグして移動できる点も優れている(これは他のフライフライアウトにも共通の機能)。デフォルトの位置へ戻したり、フライアウトを閉じるためのボタンも用意されているが、これらが煩わしく感じる場合はピン留めボタンを押して非表示にすることも可能だ。
さらに、「ModernFlyouts」のフライアウトは[…]ボタンを押してメディアコントロールのモードを切り替えることが可能。標準のフライアウトにはないシャッフルやリピートなどの機能も利用できる。
明るさ
ノートPCや2-in-1デバイスでは、キーボードでディスプレイの輝度をコントロールできるものがある。「ModernFlyouts」の[明るさ]フライアウトは、この輝度コントロールに表示される標準フライアウトを置き換える。
機内モード
[機内モード]フライアウトはOS標準では用意されていない、「ModernFlyouts」独自のフライアウトだ。機内モードをON/OFFしたときに、現在の機内モードの状態をデスクトップ左上にフライアウトで通知してくれる。
ロックキー
[ロックキー]フライアウトも「ModernFlyouts」独自のフライアウトで、各種トグルキー(CapsLock、NumLock、ScrollLock、Insert)の状態変化を検知・通知してくれる。キーの打ち間違いで[CapsLock]キーを意図せずONにしてしまった……などというミスが把握しやすく、大変便利だ。
共通のカスタマイズ項目
上述したように、OS標準のフライアウトを利用するか、「ModernFlyouts」の独自フライアウトを利用するかはユーザーの自由だ。[オーディオ]フライアウトは独自のものを使うが、[明るさ]フライアウトは標準のものを利用するといったこともできる。独自フライアウトは設定画面の[個人用設定]セクションで既定の表示位置や掲出時間、背景の不透明度をカスタマイズできるのもメリットといえるだろう。まだプレビュー版のため、細部の動作には改善の余地があるが、標準のフライアウトに不満を感じるユーザーには是非お勧めしたい。
「ModernFlyouts」は「Windows 10 バージョン 1809」以降に対応するフリーソフトで、“GitHub”のプロジェクトページなどからダウンロード可能。アップデート管理の手間がない“Microsoft Store”から入手するのがお勧めだ。また、パッケージ管理ツール「winget」(プレビュー版)にもさっそく対応しており、コマンドラインでのインストールにも対応している。
ソフトウェア情報
- 「ModernFlyouts」プレビュー版
- 【著作権者】
- ModernFlyouts Community
- 【対応OS】
- Windows 10 バージョン 1809以降
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 0.8.5(20/12/16)