Blender ウォッチング
新たな3Dモデル生成AI「Hunyuan3D」をローカルで動作させてみた ~形状はいい感じに
2025年2月4日 06:55
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
2025年1月21日、ゲームなどで有名なTencentから、3Dモデルを作成するAIモデル「Hunyuan3D 2.0」がリリースされました。ローカルに構築可能で、Blenderアドオンも用意されているということで、使用してみました。
「Hunyuan3D」とは
「Hunyuan3D」は、3Dモデルを生成可能なオープンソースのAIモデルです。画像やプロンプトからテクスチャ付きの3Dアセットが生成できます。
- ⇨Tencent Hunyuan 3D
- https://3d-models.hunyuan.tencent.com/
実際のコードの配布はページ内のリンクから飛べる、GitHubにあります。こちらは日本語で読めるページがあります。
- ⇨Hunyuan3D-2/README_ja_jp.md at main · Tencent/Hunyuan3D-2 · GitHub
- https://github.com/Tencent/Hunyuan3D-2/blob/main/README_ja_jp.md
Webページからの試用
上記のGitHubには、公式のサービスページへのリンクがありますが、執筆時点では、「WeChat」または「QQ.com」のアカウントが必須になっており、日本人にはハードルが高いものと思われます。
Hugging Face Spaceにあるページはログイン不要なので、こちらから試してみましょう。
- ⇨Hunyuan3D-2.0 - a Hugging Face Space by tencent
- https://huggingface.co/spaces/tencent/Hunyuan3D-2
Windows Portable版によるローカルでの構築
YanWenKun氏がフォークした「Windows Portable版」は簡単にローカルにインストールできるので、今回はこれを利用してローカルで動作させてみます。上の公式GitHubページや他のWindowsフォークと間違えないようにしてください。
- ⇨GitHub - YanWenKun/Hunyuan3D-2-WinPortable: 📦A portable package for running Hunyuan3D-2 on Windows. | 混元 3D 2.0 整合包
- https://github.com/YanWenKun/Hunyuan3D-2-WinPortable
ローカルに構築する場合の最小環境は、上記Windows Portable版のページによると次のようになります。メインメモリは16GB以上あった方がよさそうです。
なお、次回解説予定のテクスチャ付きのモデル生成では、さらに要求が高くなります。
- VRAMが6GB以上のNVIDIA GPU(4GBでも動作する可能性はあるが遅くなる)
- GPUドライババージョンが550以降
筆者がインストールに使用した環境は、Windows 10 Pro x64、i5-12400F、GeForce RTX 2060 12GB、メインメモリ32GBです。
まずはリリースページから、「Hunyuan3D2_WinPortable.7z」をダウンロードします。1.71GBあり、中にはPythonのスタンドアロン版と、必要なライブラリが入っています。
筆者はすべてのファイルに目を通したわけではなく、安全性の保証はできません。使用は自己責任にてお願いします。また、後日別のリリースが追加される可能性があります。
ダウンロードが終わったら、ファイルを展開します。展開には「7-Zip」などの7Z形式に対応した解凍ツールが必要です。「7-Zip」は、先日脆弱性が報告されたため、すでに利用されている方もこれを機にアップデートすることをお勧めします。
後で学習モデルもダウンロードして格納しますので、展開先には34GB以上ディスクスペースのある場所を指定しておいてください。
形状のみ生成するモデルによる構築
まずは形状のみを生成するモデル(Hunyuan3D-DiT)で構築してみます。
モデルのダウンロード
最初に学習モデルをダウンロードします。
展開したフォルダー内の「2-download-models.bat」をダブルクリックして実行します。上記アーカイブ内にある、Hugging faceとやり取りするツール(huggingface-cli.exe)が実行され、45個のファイル(計26.3GB)がダウンロードされます。
途中でエラーが出て止まったり、中断した場合は、再実行すれば途中から再開します。
なお、ユーザフォルダー(%USERPROFILE%)にも、「.u2netu2net.onnx」がインストールされますが、これは入力画像の背景を削除するのに必要な物です。
ローカルサーバの実行とブラウザ表示
同じフォルダー内の「3-run.bat」をダブルクリックで実行します。
しばらくしてから画面に『INFO: Uvicorn running on ~』と出れば成功です。下図のようにエラーがいくつか出てくるかもしれませんが、正常に動くなら気にしなくてもかまいません。
URLが表示されますが、これではなく「http://localhost:8080/」をWebブラウザーのアドレスバーに指定するなどしてアクセスしてください。上図のHugging Face Spaceのような画面が出てくれば成功です。
まずは右または下の方にあるサンプルを実行してみましょう。サムネイルをクリックし、上まで戻り、[Generate Shape Only]ボタンをクリックします。
少ないVRAMの環境で動作するように調整されているため、あまりVRAM使用量は増えませんが、代わりにメインメモリを消費します。調整については次回に解説します。
次にローカルの画像を読み込ませてみます。ハトの画像を読み込ませると、下図のような感じになりました。頭部や胴体は左右対称に、脚もそれなりの位置に生成されています。
終了は[Ctrl]+[C]キーです。