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【Excel】文字の色や背景色を変えられない!エクセルで書式設定を変更できないときに確認するべきこと

文字の色やセルの背景色などの書式を変更できない?!

 同僚から引き継いだExcelの納品管理表で、文字の色やセルの背景色などの書式を変更したいのになぜかできない……!という経験をしたことはありませんか。

 例えば、業務で「エクセル通信 納品管理表」(①)を使って納品管理をしているとしましょう。この納品表では、ステータス欄が「済」の案件は、セルの背景をグレーで塗りつぶして進行中の案件と区別しています。この表の3~5行目の案件はステータス欄が「済」となっており、セルの背景がグレーで塗りつぶされていますが、5行目の案件だけグレーの塗りつぶしをやめたいというシーンを考えてみましょう。

 5行目のセル範囲A5:F5(②)を選択して、[ホーム]タブ(③)→[塗りつぶしの色]の右横にある矢印(④)をクリックするとメニューが表示されるので、[塗りつぶしなし](⑤)を選択します。

 通常なら、この操作でセル範囲A5:F5の背景の塗りつぶしが削除されるはずですが、グレーのまま変更されません(⑥)。なぜでしょうか。

 実は、先ほどのセル範囲は単純にセルを塗りつぶしているわけではなく、条件付き書式を設定してセルに色を付けています。これがグレーの塗りつぶしを削除できない理由なのですが、パッと見ただけではどこにどのような条件付き書式が設定されているのかわかりませんよね。

 そこで今回は、このように条件付き書式が設定されている表で、どの部分にどのようなルールが設定されているのかを探す方法について解説します。

条件付き書式が設定されているセル範囲を探す

 先ほどの「エクセル通信 納品管理表」で条件付き書式が設定されているセル範囲を探してみましょう。[ホーム]タブ(①)→[検索と選択](②)をクリックして表示されるメニューから[条件付き書式](③)を選択します。この操作を行うと、条件付き書式が設定されているセルやセル範囲が選択された状態になります。

 セル範囲A3:F8が選択された状態(④)になりました。この部分に条件付き書式が設定されていることがわかります。

 条件付き書式が設定されているセル範囲をすぐに特定できましたね。

どのようなルールが設定されているかを確認する

 前述の手順で、「エクセル通信 納品管理表」のどの部分に条件付き書式が設定されているのかがわかったので、ここでは、その部分にどのようなルールが設定されているのかを見てみましょう。

 セル範囲A3:F8が選択された状態で、[ホーム]タブ(①)→[条件付き書式](②)をクリックして表示されるメニューから[ルールの管理](③)をクリックします。

 [条件付き書式ルールの管理]ダイアログボックスが表示され、画面上には、現在設定されているルール(④)が表示されます。詳細を確認するために、このルールを選択して[ルールの編集](⑤)をクリックします。

 [書式ルールの編集]ダイアログボックスが表示されるので、ルールの内容を確認します。ここでは、[次の数式を満たす場合に値を書式設定]欄で設定されている数式「=$F3="済"」(⑥)を満たす場合に、[プレビュー]で表示されているようなグレーの背景色(⑦)を設定するというルールが設定されていることがわかります。

 簡単に言うと、F列に「済」と入力された場合、そのセルを含む行の背景色をグレーで塗りつぶすというルールが設定されています。したがって、塗りつぶしを削除したい場合は、F列に入力されている「済」を削除すればよいことになります。

 ルールを確認したら[キャンセル]またはダイアログボックス右上の[×]ボタンをクリックしてダイアログボックスを閉じ、シートに戻ります。

 条件付き書式のルールを確認できたので、セルF5に入力されている「済」という文字を削除してみます。セルF5を選択して[Delete]キーを押します(⑧)。

 すると、5行目のデータ(セル範囲A5:F5)の塗りつぶしが削除されます(⑨)。

 これで、グレーの背景色を削除したい場合は、F列に入力された「済」を消せばよいことがわかりましたね。

条件付き書式が設定されている場所と内容を確認する

 今回は、条件付き書式が設定されている表で、どの部分にどのようなルールが設定されているのかを探す方法について解説しました。

 条件付き書式を使うと、自分の作成した条件(ルール)に基づいて表の書式を設定できるので、見やすい表を作成することができ、とても便利です。本連載でも条件付き書式を使ったテクニックを多く紹介しています。ただし条件付き書式は、作った本人でないと、どこにそれが設定されているのかわかりづらいという難点もあります。冒頭で紹介したような悩みを経験したことのある読者は、ぜひ参考にしてくださいね。

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