いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】罫線を引く作業が面倒なので自動化したい!エクセルで文字を追加すると自動で罫線が追加される名簿を作成するテク

名簿にデータを追加するたびに表に罫線を追加するのが面倒!

 社員名簿や採用者名簿の作成や管理に、Excelを活用している方も多いのではないでしょうか。社員や採用候補者を管理する業務に携わっていると、名簿を参照するだけでなく、名簿にデータを追加する機会も多いと思います。

 でも、Excelで作成した名簿にデータを追加するたびに、罫線を追加するのが面倒だと感じたこともあるのではないでしょうか。名簿に新しい社員や採用候補者のデータを入力すると罫線が自動で追加されたら、作業の効率がぐんと上がりそうですよね。

 今回は、Excelで作った名簿で、データが追加された行に自動で罫線が引かれるようにするテクニックを2つ解説します。

テクニック1:データ入力時に罫線を追加するよう条件付き書式で設定する

 1つ目の方法は、データが追加された時に罫線を自動で引くように条件付き書式で設定するというものです。

 Excelで作成された「製造部製造課 所属社員名簿」(①)で、新しく配属された社員のデータを入力した時に自動で罫線が追加されるように設定してみましょう。

 自動で罫線が引かれるように設定したいセル範囲(ここではセル範囲A3:F16)をドラッグして選択(②)し、[ホーム]タブ(③)→[条件付き書式](④)→[新しいルール](⑤)をクリックします。

 [新しい書式ルール]ダイアログボックスが表示されます。[ルールの種類を選択してください]欄で[数式を使用して、書式設定するセルを決定](⑥)を選択します。[次の数式を満たす場合に値を書式設定]欄に「=OR($A3:$F16<>””)」(⑦)と入力し、その下の[書式](⑧)をクリックします。

 ここで入力した数式は、「セル範囲A3:F16のどれか1つでも空白でなくなったら」という意味です。OR関数は、「どれか1つでも当てはまれば真(TRUE)」とする論理関数です。セルに入力する数式で単独で使われることはあまりありませんが、他の関数を使った数式や、今回のような条件付き書式の中で、条件を設定するために使われることが多い関数です。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[罫線]タブ(⑨)→[プリセット]欄の[外枠](⑩)を選択し、[OK](⑪)をクリックします。

 再び[新しい書式ルール]ダイアログボックスが表示されます。下の方にある[プレビュー]欄で、文字の周りに罫線が表示された(⑫)ことを確認し、[OK](⑬)をクリックします。

 ダイアログボックスが閉じて、画面がブックに戻ります。セルA10に社員名を入力すると、名簿の一番下の行全体に罫線が追加されます(⑭)。A列以外の列であっても、どれか1つの列のセルにデータが入力されれば、名簿で新しくデータが入力された行全体に罫線が自動で引かれるので便利です。

 条件付き書式で罫線を追加する設定をする場合、これまでに作った表を作り替える必要はなく、セルの塗りつぶしなど自分で設定した書式をそのまま生かすことができます。

テクニック2:テーブルとして書式設定する

 前述の方法は少し操作が多く手間がかかり、特に数式に苦手意識のある方には少し難しかったかもしれません。もう少し楽に罫線を追加できるようにする別の方法があります。それは、表をテーブルとして書式設定するというものです。

 先ほどと同じように、Excelで名簿を作成しておきます。ただし、テーブルとして書式設定する場合は、後ほど自動で見出し行や罫線などのデザインが設定されます。そのため、表には罫線やセルの塗りつぶしなどの書式を設定せず、セルにデータを入力しただけの状態(①)にしておきます。また、シート上に空行を作らずにA列・1行目から表を作ると、テーブルへの変換が簡単です。

 表に含まれる任意のセル(ここではセルA1)(②)をクリックして選択し、[ホーム]タブ(③)→[テーブルとして書式設定](④)をクリックして、表示されるテーブルのスタイルの一覧から好きなスタイル(⑤)をクリックします。

 [テーブルとして書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[テーブルに変換するデータ範囲を指定してください]欄に、テーブルにしたいセル範囲が正しく表示されている(⑥)ことを確認します。正しく表示されていない場合は、修正します。次に[先頭行をテーブルの見出しとして使用する]の左にあるチェックマークがON(⑦)になっていることを確認し、[OK](⑧)をクリックします。

 表に、先ほど選択したテーブルのスタイルが適用されました(⑨)。

 テーブルにした表も、名簿にデータを追加すると、その行に自動でスタイルが適用されます(⑩)。

 表をテーブルにする場合は、適用前に設定していた書式などは消えてしまいますが、少し凝ったデザインの表を簡単に作ることができます。また、テーブルとして書式設定すると、見出し行の右側に下向き矢印のボタン(フィルターボタン)が表示されます。このフィルターボタンを操作することによって、データを検索したり、必要なデータだけを表示させたりするなど、データ検索や分析の作業がラクになるというメリットもあります。テーブルについて詳しく知りたい方は、以前テーブルについて解説した記事を参考にしてくださいね。

罫線を追加する手間を省けば業務の効率アップ!

 今回は、Excelで名簿にデータを追加した時に、罫線も自動で追加されるようにするテクニックを2つ解説しました。

 新しいデータを入力するたびに、データが追加された行を選択して罫線を引くのは、地味に面倒な作業ですよね。でも、今回解説したテクニックを使えば、データが追加された行に自動で罫線が引かれるようになるので、業務の効率がアップします。

 今回の記事で解説した2つのテクニックを理解して、自分に合うものをぜひ業務の中で活用してみてくださいね。

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