いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】人事や商品の評価をレーダーチャートにまとめたい! エクセルで人やモノの強みや弱みを視覚的にわかりやすく図示するテク

5段階評価の数字だけでは強みや弱みが伝わりにくい……

 業務の中で、いろいろな項目について5段階の数字などで評価する機会があると思います。例えば、人事の査定を決める時や、商品・サービスに対する評価やフィードバックを行う時など、数字での評価を行う機会は意外に多いのではないでしょうか。でも、数字での評価だけでは、強みや弱みが相手に伝わりにくく、自分の中でも印象に残りにくくなりがちです。

 このような時に役立つのが、レーダーチャートという形式のグラフです。各項目に対応する軸を中心から放射状に引き、評価を軸上にプロットして、その点どうしを線でつないで作る多角形のグラフです。5項目なら五角形、6項目なら六角形のグラフになり、グラフの図形の大きさや形のゆがみで、評価の全体的な良し悪しやバランスを直感的に把握できます。

 Excelでもレーダーチャートを作ることができます。今回は、レーダーチャートをExcelで作成する方法と、レーダーチャートを作る時に気を付けるべき点を解説します。

レーダーチャートは棒グラフや円グラフを作る時と同じように作れる

 レーダーチャートを作る時に、特別な操作は必要ありません。普段なじみのある棒グラフや円グラフなどと同じように簡単に作ることができます。

 5段階の数字が入力されている「2018年度上半期 営業部人事評価」の表(①)から、レーダーチャートを作ってみましょう。グラフにしたいセル範囲(ここではセルA2:F8)をドラッグして選択(②)します。

 Office 365を契約しているパソコンの場合は、[挿入]タブ(③)→[ウォーターフォール図、じょうごグラフ、株価チャート、等高線グラフ、レーダーチャートの挿入](④)→[レーダー](⑤)をクリックします(Office 365の入っていないExcel 2016の場合は、[等高線グラフまたはレーダーチャートの挿入]→[レーダー]をクリックします)。

 表から自動的にレーダーチャートが作成されます(⑥)。

 グラフの見た目を整える操作も、棒グラフや円グラフの時と同じです。グラフの上にある凡例を、グラフの右側に変更してみましょう。凡例の上で右クリック(⑦)し、表示されるメニューの[凡例の書式設定](⑧)をクリックします。

 画面右側に[凡例の書式設定]作業ウィンドウが表示されます。[凡例のオプション]欄の[凡例の位置]で、[右](⑨)をクリックします。

 凡例がグラフの右側に移動しました(⑩)。

 凡例をドラッグしてグラフに少し近づけ、グラフタイトルを編集したら、レーダーチャートを使ったグラフの完成です(⑪)。

レーダーチャートは項目の並び順によって見た目の印象が変わる

 レーダーチャートを作る時に、注意しておくべき点があります。レーダーチャートは、項目の並び順によって、見る人が受ける印象が大きく変わることがあるという点です。

 先ほどの人事評価の例で、「赤磐翔太」さんの評価だけを別表として作り、先ほどと同様の手順でレーダーチャートを作成します(①)。

 さらに、同じ「赤磐翔太」さんの評価に関して、評価項目の並び順を入れ替えた表(②)を作り、同様にレーダーチャートを作成します(③)。

 2つのグラフを並べてみると、各評価項目について評価の数字は全て同じでも、評価項目の並び順が違うと、グラフの見た目から受ける印象が変わる(④)ことがわかります。

 この特徴をうまく使うと、見る人がより多くのことを読み取れるグラフを作ることができます。似た項目どうしを近くに並べておくと、評価が高い分野はグラフの線が全体的に外側に、評価が低い分野は内側に引かれることになるので、各社員がどの分野に強み・弱みがあるかを把握しやすくなります。営業系社員の評価であれば、顧客応対に関する実務スキルの評価項目どうし、第一印象や話し方などの外見から得られる情報に関する評価項目どうし……というような感じです。

 逆に、評価やフィードバックをプレゼン資料などに載せて社内外にアピールしたい時には、特に強調したい分野が突出して見える形になるように項目を並べることによって、プレゼンを見る人に対してより強くアピールできるグラフを作ることもできます。

レーダーチャートは工夫次第で見る人にたくさんの情報を伝えられる!

 今回は、Excelでレーダーチャートを作成する方法と、レーダーチャートの特徴について解説しました。

 レーダーチャートを作ること自体は全く難しくはありませんが、作る人の工夫次第で、グラフを見る人がいろいろな情報を読み取れるようになる奥の深いグラフだということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

 ぜひ、今回の記事を参考にして、レーダーチャートを業務で役立ててみてくださいね。

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