いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】表の途中に別の表を追加するつもりが上書きされてしまった!エクセルで行と行の間に追加データを挿入するテク

表の途中に表を挿入したいのにうまくいかない!

 Excelで表を作る時、表全体や表の一部を別の表の行と行の間に挿入するという操作が発生することがよくありますよね。

 例えば、Excelで作成した「2018年商品別受注数合計」の表(4月から6月分)(①)があるとします。

 また、別のシートには同じ商品に関する7月から9月分の受注数合計の表(②)が作ってあるとします。

 この7月から9月分の表の一部を4月から6月分の表に挿入して、4月から9月分までの受注数をまとめた大きな表を作る例を考えてみましょう。

 特定のセル範囲を別の場所に貼り付けたいとき、最初に思いつく方法はコピペですよね。7月から9月分の表のうち、4月から6月分の表に挿入したい部分(ここではセル範囲A3:D5)をドラッグして選択(③)し、[Ctrl]+[C]キーを押してコピー(④)します。

 4月から6月分の表のシートに戻り、表を挿入したい部分の下にあるセルをクリックした後、[Ctrl]+[V]キーを押して貼り付け(⑤)てみたところ、表が上書きされて、合計の行が消えてしまいました(⑥)……こんな経験はありませんか?

 この例のように、表の一番下に行を追加するのではなく途中に表を挿入したい場合、単純にコピペすると、表が上書きされてしまいます。表を貼り付ける前に、挿入される表と同じ数だけ行や列を挿入しておくというのも1つの方法ですが、それよりもっと手間のかからない方法があるのをご存知でしょうか。

 今回は、Excelで表の行と行の間に別の表を簡単に挿入するテクニックを解説します。

行の間に挿入するには貼り付けではなく[コピーしたセルの挿入]

 先ほどと同様に、「2018年商品別受注数合計」の7月から9月分の表を、4月から6月分の表に挿入する例を考えてみましょう。7月から9月分の表が入力されたシートを開き、挿入したい部分(ここではセル範囲A3:D5)をドラッグして選択(①)したら、[Ctrl]+[C]キーを押してコピーします。

 4月から6月分の表が入力されたシートに戻り、挿入したい場所にあるセル(ここではセルA6)の上で右クリック(③)します。メニューが表示されるので[コピーしたセルの挿入](④)をクリックします。

 [挿入貼り付け]ダイアログボックスが表示されます。ここでは、先ほどコピーした表を挿入した後、表にもともとあった部分をどの方向にずらすかを選択します。ここでは、「合計」が入力された行が下にずれれば良いので、[下方向にシフト](⑤)を選択し、[OK](⑥)をクリックします。

 すると、先ほどとは違って、上書きされずに「6月」の行と「合計」の行の間に表が挿入されました(⑦)。でも、表が挿入される前には表示されていなかったエラーインジケーター(緑色の三角形)(⑧)が「合計」の行に表示されてしまいました。

 エラーインジケーターは、数式に間違いの可能性があるときに表示されるマークです。ここでは、もともとこの表の「合計」の行にはSUM関数を使って4月から6月分の合計を求める数式が入っています。今、新しく7月から9月分についての表を挿入したにもかかわらずSUM関数の数式はもともと入力されていた状態のままなので、エラーインジケーターが表示されています。正しい合計が計算されるように修正しましょう。セルB9のエラーインジケーターにマウスポインターを近づけると、[!]のアイコン(エラーチェックオプションといいます)(⑨)が表示されるので、それをクリックします。メニューが表示されるので[数式を更新してセルを含める](⑩)をクリックします。

 数式が修正され、セルB9に正しい合計の数字が表示されます。同様にセルC9、セルD9についてもエラーを修正すれば、「合計」の行の数値がすべて正しいものになり(⑪)、表が完成します。

コピペと挿入を使い分けて表の編集を自由自在に!

 今回は、Excelで表の行と行の間に別の表をコピーして挿入するテクニックを解説しました。これまで、挿入したい部分をコピペしてうまくいかず困っていた方は、「こうすれば良かったのか!」と納得していただけたのではないでしょうか。

 もちろん、表の最後に別の表をコピーして追加したいような場合は、コピペで十分です。コピペでうまくいく場合とうまくいかない場合を理解して、うまく使い分けてくださいね。

 行の間への挿入の方法を覚えて、業務のいろいろな場面で役立ててくださいね!

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