いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】セルの冒頭にスペースを入れて見栄えを整えたら予期せぬ結果に! エクセルでインデントを設定して字下げを実現するテク

スペースを入れて字下げをすることもできるけど……

 Excelで進捗管理をする時、進捗表のシート上に担当者や担当業務に関するメモを入力しておくことがよくありますよね。このような時、Excelでもセルに字下げを設定したいと思ったことはないでしょうか。

 例えば、Excelで作った会社案内パンフレット制作の進捗管理表があるとします。ここには各工程が完了した日付を入力する進捗表の他に、案件担当者や作業の分担、スケジュールに関するメモ(①)が入力されています。

 この状態でも必要な情報はすべて入力されていますが、字下げを設定すれば、この部分がもっと読みやすくなるような気がしますよね。

 そこで、見出し部分は全角1文字分、詳細の部分は全角2文字分、スペースを入れて字下げしてみます(②)。

 確かに、テキストの階層がわかりやすくなり、スッキリ見えるようになりますね。でも、いちいちすべてのセルにスペースを入れるのは面倒です。さらに、Excelではスペースで字下げをすると予期せぬ結果になる場合もあります。この点については記事の後半で解説します。

 こんな時に便利なのが、「インデント」です。Wordで文書を作る時に、行頭を揃えるためにインデントを調整したことのある読者もいるのではないでしょうか。Excelでも、セルの中でインデントを増減させ、テキストの開始位置を調整することができます。今回は、Excelでのインデントの調整方法と、スペースによる字下げの問題点について解説します。

選択したセル範囲に対して一気に字下げを設定できる

 先ほどの「会社案内パンフレット制作進捗管理表」で、セル内のテキストにインデントを設定してみましょう。字下げを設定していない状態から、見出し部分は1字分、詳細の部分は2字分下げることにします。まずは、見出しの部分のセルにインデントを設定します。セルA2を選択した状態で[Ctrl]キーを押しながらセルA7をクリックして選択(①)し、[ホーム]タブ(②)→[インデントを増やす](③)をクリックします。

 セルA2とセルA7に、1字分のインデントが設定されました(④)。

 次に、詳細の部分に2字分のインデントを設定します。セル範囲A3:A6を選択したあと、[Ctrl]キーを押しながらセル範囲A3:A6もドラッグして選択(⑤)し、[ホーム]タブ(⑥)→[インデントを増やす](⑦)を2回クリックします。

 選択したセル範囲に、2字分のインデントが設定されました(⑧)。

 このように、[インデントを増やす]を複数回クリックすると、クリックした回数だけインデントが増え、行頭の位置が下がっていきます。スペースで字下げする時とは違って、複数のセルに対して一度にインデントを設定できるので、作業の効率が上がりますね。

スペースで字下げすると予期せぬ結果になる場合がある

 今回の例のような単純な文字列であれば、スペースで字下げをしても、インデントで字下げをしても、操作の手間に多少差があるだけで結果にはあまり違いがないように見えます。

 でも、スペースで字下げをすると、予想と違う結果になってしまう場合もあります。「2018/9/1」と入力した時に「9月1日(土)」と表示される(①)ようにユーザー定義の表示形式を設定してある勤怠管理表の例を考えてみましょう。

 この勤怠管理表の日付をスペースで字下げしてみます。日付欄(例えばセルA4)で、日付の左側にスペースを入力(②)すると、設定していた表示形式が適用されなくなり、「 2018/9/1」(③)という表示になってしまいます。

 それに対し、[インデントを増やす](④)をクリックして字下げする場合は、表示形式が適用された状態で字下げができます(⑤)。

 このように、日付などの形式で値が入力されているセルや、表示形式が設定されているセルでは、スペースで字下げすると結果がおかしくなることがあるので気を付けましょう。

 インデントでの字下げは、複数のセルやセル範囲に対して一度の操作で字下げを設定できるだけでなく、セルに入力されているデータそのものに影響がないという大きなメリットがあります。インデントを設定した部分を他のアプリケーションで作った書類などにコピペした時に、余計なスペースが入ることもありません。

インデントによる字下げで見やすさと作業効率アップを両立!

 今回は、Excelでセルに入力されたテキストに対してインデントを設定する方法と、スペースによる字下げの問題点について解説しました。

 インデントなら、字下げしたいセルが複数ある場合でも、先にセルを選択しておいてボタンをクリックするだけで漏れなく字下げを設定できるので、見やすさと作業効率アップが同時に実現できます。また、設定しておいた表示形式が解除されることもなく、コピペした時に余計なスペースが入ることもないので、どんな値が入力されたセルにも安心して字下げを設定できます。

 ぜひ、今回の記事の内容を、Excelで書類を作成する時に思い出してくださいね。

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