いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】データベース作成の強い味方!エクセルの「フォーム」機能の活用テク

データベースを作成する時にセルを移動するのが面倒!

 Excelでデータベース形式の表を作成する時、1つ1つのデータを入力するために毎回セルを移動するのが面倒に感じることはないでしょうか。例えば、次の「新商品イベント来場者名簿」(①)にデータを入力していく時のような場合です。

 表の下の方になってくると、入力するセルと見出し行が離れてきて、「自分は今どの項目を入力しようとしているんだっけ……?」と混乱することがあります。[Tab]キーを押して横方向に移動したいのに間違えて[Enter]キーを押してしまうこともあったりして、そのようなミスも余計なストレスになりますよね。

 このようなデータベース形式の表を作成する時に便利な機能がExcelの[フォーム]機能です。具体的には、その表に入力するべき項目が1枚のカードのように表示された画面から、表に直接データを入力できる機能です。この[フォーム]機能は、Excel 2003以前ではリボン上に表示されていたので、長年Excelを使い続けている方は使ったことがあるかもしれません。Excel 2007以降は、初期設定ではリボンに表示されなくなってしまったので、「使えなくなってしまったのかな……?」などと思っている人もいるかもしれませんね。もちろん、最近Excelを使い始めたばかりという方にもぜひ覚えていただきたい便利な機能です。

 今回は、最新のExcelで[フォーム]機能を使えるようにする方法と、[フォーム]機能の基本的な使い方を解説します。

リボンに[フォーム]機能のボタンを表示させる

 冒頭で解説したように、最新のバージョンのExcelでは、[フォーム]機能を使うためのボタンがリボンに表示されていません。そのため、まずは[フォーム]機能のボタンを表示させることから始めましょう。今回は、クイックアクセスツールバーに[フォーム]機能のボタンを表示させます。

 先ほど挙げた「新商品イベント来場者名簿」を例としてやってみましょう。この名簿の続きのデータを[フォーム]機能で入力できるようにします。クイックアクセスツールバーの一番右側に表示されている下向きの矢印(①)をクリックし、表示されるメニューから[その他のコマンド](②)を選択します。

 すると、[Excelのオプション]の[クイックアクセスツールバー]画面が表示されます。[コマンドの選択]欄で[リボンにないコマンド](③)を選択すると、その下にコマンドの一覧が表示されます。一覧の表示欄をスクロールして[フォーム](④)を選択したら、画面中央の[追加](⑤)をクリックします。

 画面右側の欄に[フォーム](⑥)が追加されるので、[OK](⑦)をクリックします。

 [Excelのオプション]画面が閉じて、クイックアクセスツールバーに[フォーム]のアイコン(⑧)が表示されました。

 これで、最新のExcelでも[フォーム]機能が使えるようになりました。

[フォーム]機能で表に項目を入力する

 それでは、さっそく[フォーム]機能を使って表に項目を入力してみましょう。クイックアクセスツールバーに表示された[フォーム](①)をクリックします。

 [Sheet1]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスには、先に表に設定しておいた見出しの項目名とその入力欄が表示されます。今回の例では、1件目のデータがすでに入力されているため、ダイアログボックスにそのデータの内容が表示されています。[フォーム]機能を使うと、このダイアログボックスを使って、質問に答えるようにして表を完成させることができるのです。表にデータを追加するためには、[新規](②)をクリックします。

 [Sheet1]ダイアログボックスのすべての入力欄が空欄になります(③)。表に入力したい内容を順に入力しましょう。

 必要なデータを入力したら、[閉じる](④)をクリックします。不明な項目や、該当するものがない項目については、空欄にしておいて構いません。

 表に、先ほど入力したデータが追加されました(⑤)。入力していない項目については、表でも空欄になっています。

 先ほどのダイアログボックスで[新規]をクリックすると次のレコードを追加でき、表のデータを増やすことができます。このように、[フォーム]機能を使うと、質問に答えるような自然な流れで表にデータを入力できます。データを入力するたびにセルを移動する必要もないので、効率よく表を作成できますよ。

入力した項目の検索や修正も簡単

 [フォーム]機能のダイアログボックスを使うと、入力した項目の検索や修正も簡単にできます。先ほどの表にデータを追加し、5人の来場者に関するデータ(①)が入力されたとします。[フォーム]機能を使って、役職が「主任」である社員のデータを表の中から検索してみましょう。

 先ほどと同様にクイックアクセスツールバーの[フォーム]をクリックして、[Sheet1]ダイアログボックスを表示し、[検索条件](②)をクリックします。

 入力欄が空欄になり、データを検索できる状態になりました。必ず、データを検索できる状態(入力欄が空欄になり、画面の右上に「Criteria」と表示されます)になっていることを確認してから操作を進めてください。検索対象のデータの入力欄に、検索条件となる項目を入力します。ここでは[役職]欄に「主任」(③)と入力します。検索条件となる項目以外の欄は、空欄のままで構いません。入力できたら[次を検索](④)をクリックします。

 役職が[主任]であるデータが検索され、[Sheet1]ダイアログボックスに該当するデータの項目がすべて表示されました(⑤)。

 例えば、この「大川内由美子」さんの役職が「課長補佐」に変わった知らせを受けて名簿のデータを修正したい場合は、「大川内由美子」さんのデータが表示された状態でダイアログボックスの[役職]欄に「課長補佐」(⑥)と入力し、[閉じる](⑦)をクリックします。

 ダイアログボックスが閉じ、セルD5に入力されている「大川内由美子」さんの役職が[課長補佐](⑧)に修正されました。

 このように、[フォーム]機能を使うと、データの検索と修正もひと続きの操作として効率よく行うことができます。

[フォーム]機能を表の作成や管理に役立てよう!

 今回は、最新のバージョンのExcelで[フォーム]機能を使えるようにする方法と、[フォーム]機能の使い方を解説しました。

 [フォーム]機能を使うと、提出書類などに記入してもらったデータを直感的な操作で効率よく表に転記でき、入力済みのデータの検索や修正も簡単にできます。

 ぜひ、手元のパソコンでもExcelで[フォーム]機能を使えるように設定して、業務に活用してみてくださいね。

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