いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】“カンバン方式”風のタスク管理をエクセルで!テキストボックスの意外な活用方法

ExcelでToDoリストを作るとタスクの羅列になってしまう……?

 読者の皆さんの中で、普段からToDoリストなどのタスク管理を行っている人は決して少なくないと思います。最近は、タスク管理用に特化したスマホアプリや、チェックボックスが印刷されている付箋など、デジタルでもアナログでもタスク管理に使えるツールがたくさんあります。

 普段Excelを業務で使うことが多いと、タスク管理もExcelでやりたくなりませんか。Excelは勤怠管理や進捗管理などにも使われることが多いので、タスク管理もできそうな気がしてきます。でも、いざExcelシートに自分のやるべきことを入力してみると、次の例のように、単なるタスクの羅列(①)になってしまいがちです。

 これでは、ToDoリストとしては使いにくいですよね。今回は、Excelの「テキストボックス」をタスク管理に活用する方法を解説します。以前の記事で、テキストボックスで座席表を作成する方法を解説しましたが、今回も同様にしてテキストボックスを意外な方法で活用してみます。

テキストボックスに特定のセルの内容を表示させて付箋のように使う

 今回の記事では、先ほどExcelにやるべきことを列挙した表とテキストボックスをリンクさせ、やるべきことが書かれたテキストボックスを付箋のようにシート上に配置して、自由に並べ替えることができるようにしてみます。まずは、シートにテキストボックスを挿入しましょう。先ほどToDoリストの表を入力したシートを開いておき、[挿入]タブ(①)→[図](②)→[図形](③)→[テキストボックス](④)をクリックします。

 マウスポインターが十字の形に変わるので、シート上でドラッグ(⑤)し、テキストボックスを挿入します。

 テキストボックスが挿入されたら、そのテキストボックスを特定のセルとリンクさせます。ここでは、作成したテキストボックスにセルA3の内容を表示させてみましょう。テキストボックスが選択されている(テキストボックスの周りに円形のハンドルが表示されている)状態で、数式バーをクリックし、「=A3」(⑥)と入力して[Enter]キーを押します。

 すると、テキストボックスにセルA3の内容が表示されました(⑦)。

 これで、テキストボックスには常にセルA3の内容が表示されるようになりました。なお、テキストボックスに直接「=A3」と入力しても、このようにセルの内容が表示されることはなく、テキストボックスに単に「=A3」と表示されるだけです。テキストボックスを挿入したあと、数式バーをクリックして「=A3」と入力するのがポイントです。

 同様にして、他のセルとリンクしたテキストボックスを作成しましょう。先ほどセルA3とリンクさせたテキストボックスをコピペ(⑧)し、数式バーに表示される数式を「=A4」(⑨)に修正して[Enter]キーを押すと、テキストボックスにセルA4の内容が表示されるようになります(⑩)。

 同様にしてテキストボックスをコピーし、リンクさせるセルを変更すれば、やるべきことを書いた付箋がシート上に並んだような状態(⑪)になります。

 テキストボックスはドラッグで好きな位置に移動させることができるので、例えば、やるべきことを作業工程順に並べ替える(⑫)ことができます。

 Excelのシート上で、付箋を並べ替えるようにタスク管理を行うことができるようになりました。表の状態でも項目を並べ替えることはできますが、テキストボックスをドラッグで移動させる方がラクですよね。

 また、別の図形と組み合わせて、“カンバン方式”風に優先度や工程などがよりわかりやすい状態にすることもできます。次の例では、色付きの長方形を最背面に配置し、優先度の高いタスクが書かれたテキストボックスをその上に並べる(⑬)ことで、優先させたいことがよりわかりやすい状態にしています。図形やテキストボックスを活用することで、Excelを付箋や手書きノートのように使うことができるというアイデアです。

 完了したタスクについては、テキストボックスを削除しても良いですし、テキストボックスにリンクさせたセル(⑭)の内容を削除するとテキストボックスに表示される内容も削除され(⑮)、別のタスクをそこに入力できるようになります。

 このように、セルとテキストボックスをリンクさせると、デジタルとアナログのいいとこ取りのような使い方ができるようになります。もちろん、先に表を作成せずに、最初からシート上に同じ形のテキストボックスを複数配置してタスクを直接書き込み、シンプルに付箋のように使うのも良いでしょう。「こんな使い方はできるかな?」と思ったら、自分でいろいろ試してみるのも良いでしょう。自ら工夫することで、Excelの機能をより実践的に学ぶことができ、どんどん力がつきますよ。

Excelはタスク管理にも使える!

 今回は、Excelでセルとテキストボックスをリンクさせることにより、Excelをタスク管理に役立てるテクニックを解説しました。

 今回はわかりやすいようにシンプルな例で解説しましたが、テキストボックスに色を付けたり、フローチャートのように図形を組み合わせてみたりするなど、工夫するといろいろ便利に使えます。

 Excelを業務で使うことが多い方は、ぜひ今回の記事を参考にして、Excelをタスク管理にも活用してみてくださいね!

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