いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】データの見せ方や分析に困ったら…… エクセルがアドバイスをくれる「アイデア」機能ってなに?

データ分析の強い味方!エクセルのアイデア機能とは

 毎日のExcel業務の中で、データを効率よく入力したり、関数を使って集計をしたりできるようにはなってきたけれど、そのあとで行うデータの分析やレポートの作成などの作業になると、どのように対処していいかわからない……という人は意外と多いのではないでしょうか。

 そんな時には、ぜひOffice 365のアイデア機能を試してみてはいかがでしょうか。この機能は、Excel(Office)に搭載されているインテリジェントサービス(AI)がデータを自動的に分析し、最適な表やグラフを提案してくれる機能です(なお、この機能はOffice 365を契約しているパソコンでのみ使用できる機能です)。

 「どういう観点でデータをまとめようかな……」「どんな形式のレポートなら説得力があだろうか……」など、まだ頭の中で迷っている状態でも、この機能はさまざまな分析方法やレポート作成のアイデアを出してくれるのでとても役立ちます。

[ホーム]→[アイデア]をクリックするだけであっという間に分析が可能!

 次の「顧客別売上表」(①)を例としてやってみましょう。[ホーム]タブ(②)→[アイデア](③)をクリックします。

 すると、表全体が自動的に選択され(④)、選択されたデータの分析が開始されます。分析が終わると、画面の右側に[アイデア]作業ウィンドウ(⑤)が表示され、そこにExcelが行った分析結果が表やグラフになって表示されます。この画面では2つのアイデアしか表示されておらず、すべてのアイデアを確認できませんが、[アイデア]作業ウィンドウをスクロールしていくとさまざまな表やグラフを見ることができます。

 [アイデア]作業ウィンドウに表示される表やグラフの種類や数は、元になる表の種類によって異なります。読者の皆さんが自分自身で作成した表を使ってこの機能を実行した場合は、今回の例とは異なる結果が表示される可能性があるのでご了承ください。

アイデア機能で自動的に提案されるグラフを見てみよう

 ここからは、先ほどの手順で表示した[アイデア]作業ウィンドウに並ぶ表やグラフの中から、実務で使えるグラフを3つ紹介します。

 [アイデア]作業ウィンドウには、さまざまなグラフ(ピボットグラフ)のサムネイルが表示されるので、画面をスクロールして表示したいグラフを選びます。まずは、①の折れ線グラフを表示してみましょう。シート上にグラフを挿入するには、折れ線グラフのサムネイル画像の下の方に表示される[ピボットグラフの挿入](②)をクリックします。

 すると新しく[アイデア1]シート(③)が追加され、シート上にはピボットテーブル(④)とピボットグラフ(⑤)が表示されます。グラフタイトルに「’店舗名:銀座本店'では、売上金額が時間とともに減少しています。」(⑥)と表示されているように、このグラフは「銀座本店」の売上金額が時間の経過と共にどのように推移しているかを表しています。データの傾向を見るのに最適なグラフになっていますね。

 アイデア機能で作成されるグラフはピボットグラフが多いので、あとで編集や加工が可能です。詳しくは後ほど解説します。

 次に、別のグラフを表示してみましょう。[アイデア]作業ウィンドウを下方向にスクロール(⑦)し、⑧のドーナツグラフを選んでみます。シート上にグラフを挿入するには、ドーナツグラフのサムネイル画像の下の方に表示される[ピボットグラフの挿入](⑨)をクリックします。

 すると[アイデア2]シート(⑩)が追加され、シート上にはピボットテーブル(⑪)とドーナツグラフ(ピボットグラフ)(⑫)が表示されます。グラフタイトル(⑬)に表示されているように、「品川支店」の売上金額が全体の大部分を占めていることがわかります。全体の構成比を見るのに最適なグラフになっていますね。

 最後にもう1つ紹介しましょう。[アイデア]作業ウィンドウを一番下までスクロール(⑭)して、[18個のすべての結果を表示](⑮)をクリックします。なお、ここに表示される個数は元にした表のデータによって異なります。

 [アイデア]作業ウィンドウに、さらにいろいろなグラフのサムネイルが表示されるので、⑯の横棒グラフを選びます。シート上にグラフを挿入するには、横棒グラフのサムネイル画像の下の方に表示される[ピボットグラフの挿入](⑰)をクリックします。

 すると[アイデア3]シート(⑱)が追加され、シート上にはピボットテーブル(⑲)と横棒グラフ(ピボットグラフ)(⑳)が表示されます。グラフタイトル(㉑)に表示されているように、「鈴木」さんと「田中」さんの売上成績が1位と2位になっていることがわかります。この横棒グラフは成績などのランキングを見るのに最適なグラフになっていますね。

 ここまで、3種類のグラフを見てきました。[アイデア]作業ウィンドウに表示されるさまざまな種類のグラフの中から、自分の目的に合うものを選べばいいだけなので、気軽に使えますよね。

アイデア機能で作成したグラフを加工する

 アイデア機能の便利なところは、ここで選んだグラフも、自分の目的に沿って簡単に修正できるところです。1つ目に紹介した折れ線グラフ(①)を例にやってみましょう。このグラフは「銀座本店」の金額の移り変わりを表していますが、別の店舗(品川支店や渋谷支店)のグラフに簡単に切り替えることができます。

 シート上のピボットテーブルのフィルターのフィールド(セルB2)にあるフィルターボタン(②)をクリックします。表示されるメニューには[銀座本店]のチェックボックスがON(③)になっているので、チェックボックスをクリックしてOFFにします。

 続けて、[品川本店]のチェックボックスをクリックしてON(④)にし、[OK](⑤)をクリックします。

 すると、ピボットテーブルの内容(⑥)とグラフの表示(⑦)が変わり、「品川支店」のグラフに変更されたことがわかります。

 ピボットテーブルのフィルターを使って表示したい店舗を切り替えれば、簡単にグラフの表示も変更できるので便利ですよね。

 ちなみに、グラフタイトルは自動的には変更されないので、表示されるグラフの内容に応じて手動で変更する必要があります。通常のグラフを作成する時と同様に、グラフタイトルが表示されるエリアをクリックすると編集できるようになるので、任意の文字(⑧)に修正します。

アイデア機能でスマートに資料づくりをしよう

 今回は、Excel(Office 365)のアイデア機能を使って、簡単にデータ分析を行う方法を解説しました。シンプルな操作で、さまざまな種類のグラフのアイデアを出してもらえるので、業務に役立つ機能だと実感してもらえたのではないでしょうか。

 なお、この機能を使う際、事前に準備するデータはテーブル形式のシンプルな表にしておくとよいでしょう。入れ子になっていたりセルの結合が行われていたりする表では、うまく動作しないことがあります。また、この機能は随時進歩しているようなので、今後表示されるグラフやテーブルの種類も増えていくかもしれません。ぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか。

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