いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】なぜかカーソルキーでセルを移動できなくなった!エクセルがいつも通りに動かないときの対処法

Excelが思い通りに動かなくなったら再起動するしかない?

 Excelを使っていると、時々Excelが思い通りに動かなくなってしまうことがありませんか? Excelがフリーズしてしまったというわけでもないのに、「別のセルに移動しようとするとなぜかセル範囲が広がる!」とか「別のセルに移動しようとすると画面がスクロールされる!」というように、自分の行いたい操作と違った動きをすることが時々あります。こんな時はどうすれば良いのでしょうか?

 今回は、Excelが思い通りに動かなくなる原因と、その時の対処法を2つ解説します。

❶セルを移動しようとするとセル範囲が広がってしまう場合

 次の「10月第4週 スタッフ出欠管理表」で、アクティブセルをセルB3(①)から移動する例を考えてみましょう。アクティブセルを移動する時は、移動したい方向の方向キーを押しますよね。

 ところが、[↓]キーや[→]キーを押すと、アクティブセルが移動するのではなくセルの選択範囲が広がってしまいました(②)。これは、意図した結果ではありませんよね。このような時は、画面の左下のステータスバーを見てみましょう。この例のように、方向キーを押すとセルの選択範囲が広がってしまう場合、ステータスバーに「選択範囲の拡張」(③)と表示されているはずです。

 [選択範囲の拡張]モードがONになっていると、ステータスバーに「選択範囲の拡張」と表示されます。このモードがOFFの場合は、キーボード操作でセル範囲を広げたい時には[Shift]キーと方向キーを同時に押す必要がありますが、[選択範囲の拡張]モードがONになっていると、方向キーだけでセルの選択範囲を広げることができます。

 この[選択範囲の拡張]モードを解除するには、[F8]キーを押します(④)。[F8]キーを押すと、ステータスバーに表示されていた「選択範囲の拡張」の文字が消え(⑤)、通常のモードに戻ります。

 これで、通常通り方向キーでアクティブセルを移動できる状態に戻りました。[選択範囲の拡張]モードがONになってしまう原因としては、日本語入力モードで[F8]キーを押して半角カタカナに変換しようとしたつもりが、意図せず[選択範囲の拡張]モードになってしまう……というようなことがあります。このような時は、落ち着いて[F8]キーを押し、通常の状態に戻してくださいね。

❷セルを移動しようとすると画面がスクロールされてしまう場合

 別のシチュエーションを考えてみましょう。次の「○○商事従業員名簿」では、表タイトルが入力されているセルA1(①)が選択されています。この状態から、アクティブセルを移動しようとして[↓]キーを押したとします。

 アクティブセルがセルA2に移動することを想定していましたが、画面がスクロールされてしまいました(②)。アクティブセルはセルA1から動かないまま、画面がスクロールされて1行目が見えなくなっています。このような状態になった場合、画面左下のステータスバーを見ると「ScrollLock」(③)と表示されているはずです。

 このように、方向キーを押すと画面がスクロールされる時はScrollLockがONになっています。通常の状態に戻すには、キーボードの[ScrollLock](スクロールロック)キーを押します(④)。パソコンによっては、[ScrLk]や[ScrollLk]のような表記のキーになっている場合もあります。このキーを押すと、ScrollLockがOFFになり、ステータスバーの表示が消えます(⑤)。通常通り、方向キーでアクティブセルを移動できる状態に戻ります。

 読者の皆さんの中には、この[ScrollLock]キーがどんな機能なのか知らなかったという方や、そもそも存在も知らなかったという方もいるかもしれませんね。

キーボードに存在しないキーを使いたい時はどうすればいいの?

 ところで、小さめのノートパソコンなどのキーボードには、[ScrollLock]キーなど一部のキーがない場合もあります。キーボードに存在しないキーがある場合、その機能は使えないのでしょうか? 実は、そんなことはありません。Windowsの[スクリーンキーボード]を使うと、キーボードにないキーの機能も呼び出すことができますよ。実際にスクリーンキーボードを使ってみましょう。

 タスクバーの左側に表示されるCortanaの検索ボックスに「スクリーンキーボード」(①)と入力すると、その上に検索結果が表示されます。表示された検索結果の中から[スクリーンキーボード(アプリ)](②)をクリックします。

 すると、スクリーンキーボードが表示されます(③)。使いたいキーをクリックすれば、そのキーの機能を使うことができます([ScrollLock]キーも、スクリーンキーボードの右下の方に表示されていますね)。ショートカットキーなどのように複数のキーを組み合わせて使う場合は、普段キーボードを使う時と同様に、必要なキーを順にクリックすればOKです。ほとんどのアプリと同様に、画面右側の[×]をクリックすればスクリーンキーボードを閉じることができます。

 スクリーンキーボードは、キーボードにないキーの機能を使うことができるだけでなく、一部のキーが壊れて動作しなくなってしまった場合などにも使えます。覚えておくと役に立ちますよ。

Excelが通常通り動かなくなったらステータスバーを確認しよう!

 今回は、Excelで思い通りにセル間の移動ができなくなってしまったり、画面が勝手にスクロールしてしまったりした時の対処法について解説しました。意図せずに設定されてしまうと操作が思い通りにいかなくなり、「あれ?」と作業が止まってしまいがちですが、どちらもキー操作で簡単に解除できることがおわかりいただけたと思います。

 Excelが思い通りに動かなくなったら、まずは落ち着いてステータスバーを確認してみましょう。落ち着いてキー操作を行えば、元の状態に戻せます。この現象で困っている人を職場で見かけたら、ぜひ今回の記事の内容を教えてあげてくださいね。

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