いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】数値が入力されたセルだけを一括でクリア!エクセルで特定の種類のデータが入力されたセルを選択するテクニック

セルに入力されている値の種類はパッと見ですぐに判断できない

 Excelで作成した書類には、数値、数式、文字列など、いろいろな種類のデータが入力されています。例えば、次の見積書の例(①)を見て、セルに入力されているのが数式なのか数値なのかは、パッと見ただけでは判別できませんよね。

 同僚などからブックを引き継いだ時、すでに入力されている数式は残して、数値だけを変更したいことってありますよね。でも、表に入力されている数式に気づかず、うっかり数式を削除してしまって慌ててしまった……という経験はないでしょうか?

 今回は、Excelで作成した表の中で特定の種類の値が入力されたセルだけを選択する方法を解説します。

セル範囲を選択してから、検索したい値の種類を選択する

 先ほどの見積書の例では、数値が直接手入力されている欄と、それらの値をもとに数式を使って内容を表示している欄があります。では、この見積書で、商品番号などを入力する欄の中で数式が入力されていないセル(数値が手入力されているセル)だけを選択してみましょう。まず、検索対象とするセル範囲(ここではセル範囲A10:E13)をドラッグして選択(①)します。ここでセル範囲を選択しない場合は、シート全体が検索範囲になります。セル範囲を選択できたら、[ホーム]タブ→[検索と選択](②)→[定数](③)をクリックします。

 すると、選択したセル範囲の中で定数(数値)が入力されたセルだけが選択された状態(④)になります。この表では「商品番号」と「数量」の列のみ、数値が直接入力されていることがわかります。

 この状態で[Delete]キーを押す(⑤)と、「商品番号」と「数量」の列の数値が削除されます(⑥)。同時に、これらのセルを参照した数式が入力されているセルが空欄になります。この表ではIFERROR関数を使ってエラーが表示されないように処理しているので空欄になりますが、そうでない場合はセルにエラーが表示されることもあります。IFERROR関数の使い方についてはこちらの記事を参照してください。

 このように、数値が入力されているセルだけを選択できれば、誤って数式を削除することなく、数値だけを修正できます。

文字列だけを選択したい場合はダイアログボックスで操作する

 前項では、数値と数式のみが入力されたセル範囲から数値だけを選択する方法を解説しました。前項の手順では[定数]という項目をクリックしましたが、厳密にいうとこの[定数]という項目には数値だけでなく文字列や論理値、エラー値も含まれます。したがって、検索範囲に数値だけでなく文字列も含まれる場合は、[定数]を選択するとそれらの両方が選択されてしまいます。「文字列だけ」のように、特定の種類のデータだけを入力したい場合は、少し工夫が必要です。

 次の「11月第2週シフト表」の中で、文字列が入力されているセルだけを選択してみましょう。検索対象とするセル範囲(ここではセル範囲A2:I7)をドラッグして選択(①)し、[ホーム]タブ(②)→[検索と選択](③)→[条件を選択してジャンプ](④)をクリックします。

 [選択オプション]ダイアログボックスが表示されます。まず[定数]のラジオボタンをクリックしてON(⑤)にし、その下の[数式]のラジオボタンの下にある4つの項目から[文字]のチェックボックスをクリックしてON(⑥)にします。[数式]のラジオボタンをONにせずにその下位の項目のチェックボックスをクリックするのは不思議な気がするかもしれませんが、[数式]のラジオボタンをONにする必要はありません。ここまで操作できたら[OK](⑦)をクリックします。

 すると、選択したセル範囲の中で文字列が入力されているセルだけが選択されました(⑧)。日付や時刻が選択されないのが不思議に思える方もいるかもしれませんが、時刻や日付はExcelでシリアル値として管理されている値であり文字列ではないため、選択されません。

 このように、「数値だけ」「文字列だけ」のように特定の種類データだけを間違いなく選択できれば、その部分を削除すればいいだけなので、むやみに表の中身をいじって必要のない部分を削除してしまう可能性が低くなります。頑張って作った数式を誤って削除してしまうことも少なくなりますね。

特定の種類のデータだけを選択する方法を覚えておこう!

 今回は、Excelで数値が入力されたセルや、文字列が入力されたセルだけを選択する方法を解説しました。[検索と選択]メニューからすぐに選択できるものと、[選択オプション]ダイアログボックスから選択する操作が必要なものがあることがおわかりいただけたでしょうか。今回解説したように「数値」や「文字列」だけを選択することができれば、その部分だけを削除すればよいので、数式が入力されたセルをうっかり削除してしまうようなミスを減らすことができます。

 [選択オプション]ダイアログボックスでは、今回解説した文字列以外にもいろいろな条件で特定のデータを選択できます。いろいろな資料を使って、どんなデータを選択できるか試してみるのも良いでしょう。今回の記事の内容を、業務のさまざまな場面で活用してくださいね。

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