いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】表が縞模様になるだけじゃない!エクセルのテーブル機能はデータ管理の最強武器

テーブルの超便利な機能を知っていますか?

 普段のExcel業務の中で、データが増減するたびに行や列を追加・削除するのが面倒……、数式がどうしても苦手……と感じている人はいませんか。そんな読者の皆さん、ぜひExcelのテーブル機能を使ってみましょう!

 「テーブル? 表が縞模様になってフィルターボタンが付くだけでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、侮ってはいけません。表をテーブルにして管理すると、便利なことがたくさんあるのです。例えば、行や列を追加した時に数式や書式も自動的にコピーされたり、合計などの集計を簡単に行えたりするので、作業の効率が大幅にアップします。また、数式が苦手な人でも直感的に数式を使用することができます。

 今回は、このようなExcelのテーブル機能の便利な使い方を3つ解説します。

事前準備:表をテーブルに変換する

 テーブル機能の便利な使い方を解説する前に、表をテーブルに変換する手順を解説しましょう。

 例として、次の集計表(①)をテーブルに変換してみます。表内のいずれかのセルを選択した状態で、[挿入]タブ(②)→[テーブル](③)をクリックします。

 [テーブルの作成]ダイアログボックスが表示されます。テーブルに変換するデータ範囲が自動的に認識されるので、正しく入力されていることを確認(④)します。さらに、[先頭行をテーブルの見出しとして使用する](⑤)のチェックマークがONになっていることを確認したら、[OK]⑥をクリックします。

 先ほどの表がテーブルに変換されました(⑦)。簡単に表をテーブルに変換できましたね。

 なお、[Ctrl]+[T]キーを押して、[テーブルの作成]ダイアログボックスを表示することもできます。慣れてきたら、ショートカットキーも使ってみてくださいね。

❶列や行を追加すると書式も自動的に設定される

 テーブル機能の便利な点の1つは、列や行を追加すると書式も自動的に設定されることです。先ほど作成した「集計表」テーブルの一番下に新しい行を追加して、「川崎」店のデータを入力できるようにしてみましょう。セルA8に店舗名を「川崎」(①)と入力します。

 店舗名を入力したら[Enter]キーを押すと、自動的にテーブルが拡張されます。8行目もテーブルの一部となり、書式が適用されていますね(②)。

 8行目の一番右のセルE8に「0」(③)と表示されていますが、これは、E列のほかのセルに入力されている数式がセルE8に自動的にコピーされたことを表しています。セルE8にはコピーされた数式(=SUM(B8:D8))が入力されているのですが、現状、8行目のセル範囲(B8:D8)には何も入力されていないので、値は「0」となっているのです。

 次の画像のとおりに、セル範囲B8:D8(④)にデータを手入力してみます。すると、セルE8には合計金額(⑤)が自動的に表示されます。

 新たに数式を入力したり、別のセルの数式を手動でコピペしたりしなくてもいいのでラクですよね。

 ここでは行を追加する例を紹介しましたが、列を追加する場合も同じです。自動的にテーブルが拡張され、書式も自動的に設定されます。データが増減するたびに書式設定をやり直す必要がなくなるので、ストレスが減りますね!

❷集計行で自動的に集計する

 合計金額などの集計を簡単に行えることも、テーブル機能の便利な点です。テーブル内のいずれかのセルを選択した状態で、[テーブルデザイン]タブ(①)の[集計行](②)をクリックしてチェックマークを付けてみましょう。これだけの操作で、集計が行えます。

 テーブルの最終行を見てください。集計行が自動的に追加され(③)、合計値(④)が自動的に計算されていますね。

 この集計行では、合計のほか、さまざまな種類の集計を行えます。合計値のセル(ここではセルE9)をクリックすると、セルの右横に矢印ボタン(⑤)が表示されます。この矢印ボタンをクリックすると表示されるドロップダウンリスト(⑥)から、さまざまな集計方法を選ぶことができます。

 また集計行では、一番右のセルだけでなくすべてのセルで同様の集計が行えます。集計行のセルならどれでも、クリックするとセルの右横に矢印ボタン(⑦)が表示されます。このボタンをクリックすると、ドロップダウンリスト(⑧)が表示されるので、ここから集計方法を選択できます。自分のやりたいことにあわせて活用してみてくださいね。

❸数式を直感的に記述できる

 集計表などを使って売上をまとめたり分析したりする際、数式を使ってさまざまな数値を求めることが多いですよね。でもはっきり言って数式は苦手……という人は多いのではないでしょうか。テーブル機能を使えば、数式も直感的に記述できます。

 次の「集計表」を使って、G列に今期の売上高の前年比(①)を求めてみましょう。前年比は、今期の売上高を前年同期の売上高で割った値になります。この表でいうと「=合計/前年同期」という計算で求められます。

 G列の先頭のセルG4には、次のように数式を記述します。

 今までこの連載で見てきたような、一般的な数式とはずいぶん違って見えますよね。ここで注目してほしいことは、テーブル機能を使うことにより、「=E4/F4」のようなセル番号を指定する数式ではなく、列見出しの名前を使った直感的な数式を入力できるということです。そして、それを実現するには、列見出しを半角の角括弧(「[」「]」)で囲むという記述法を使います。ひとまず「半角の角括弧で列名を囲む」ということだけ覚えておけば、数式を入力していく過程で、Excelの機能が入力を補助してくれるので、心配する必要はありません。

 では、実際に入力を進めていきましょう。セルG4に「=[」(②)と入力します。すると、数式入力を補助してくれるドロップダウンリストが表示されます。このリストには列名が並んで表示されるので、数式で使用する「合計」(③)を矢印キー([↑]キーや[↓]キー)で選択して[Tab]キーを押します。または、「合計」をダブルクリックしてもかまいません。

 すると、数式の続きに「合計」(④)と自動的に入力されます。

 続けて、「]」と入力して角括弧を閉じ、割り算を意味する「/」を入力したあとで「[」を入力します(⑤)。すると、先ほどと同様に、数式入力を補助してくれるドロップダウンリストが表示されるので「前年同期」(⑥)を選択して[Tab]キーを押します。

 すると、数式の続きに「前年同期」(⑦)と自動的に入力されます。最後に「]」(⑧)を入力して角括弧を閉じます。

[Enter]キーを押して数式を確定すると、G列すべてに数式が入力されます(⑨)。現状では表示が[通貨](⑩)になってしまっているので、[パーセンテージ]に変更します。

 セル範囲G4:G8(⑪)を選択した状態で、[ホーム]タブの[数式の書式]メニュー(⑫)をクリックし、表示形式の一覧から[パーセンテージ](⑬)を選択します。

 すると、前年比がパーセンテージで表示されます(⑭)。

 通常の数式入力が苦手だったユーザーも、より直感的に行えたのではないでしょうか。

テーブル機能を使って作業を効率化しよう

 今回は、Excelのテーブル機能の便利な使い方について解説しました。表をテーブルに変換するだけで、今まで手動でコツコツ行ってきたことが、あっという間に自動でできましたよね。

 テーブルはExcelでのデータ管理には手放せない機能です。ぜひ一度、試してみてくださいね。

Windows 7マシン乗り換えの時。新PCはExcel作業効率が上がるものを!

 Windows 7のサポート終了が迫っている。どうせ買い替えるなら業務効率化を狙ってパソコンを買い替えよう! ExcelやPowerPointを使った作業が一気に快適になるパソコンのスペックを確認!

今月のExcelTips