いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】毎回行うルーチンワークをサクッとこなしたい!エクセルで初心者でも簡単にできる自動化テク
2019年10月7日 06:55
手間のかかるルーチンワークを自動化したい!
Excelを使った日常業務で、毎回必ず行っているお決まりの操作ってありますよね。例えば、文書に今日の日付を入力したり、売上表の集計欄などに特定の数式を入力したりすることはよくあると思います。
Excelには、このような決まった操作を自動化できる「マクロ」という機能があり、すでにそれを使って作業の効率化を図っている読者もいるかもしれません。一方で、「マクロを使えたら便利そうだけど、自分にはハードルが高い……」とあきらめている人も多いのではないでしょうか。
Excelでは、実際にプログラムコードを書かなくても「マクロの記録」という機能を使って簡単にマクロを作成することができます。この機能は、自分が実際に行った操作をExcelに記録して、その記録された操作を呼び出して何度も行えるようにできる機能です。では使い方を見ていきましょう。
毎回決まって行う操作をマクロに記録する
例として、いつも決まったフォーマットで記載される売上表(①)で、売上高の大きい順に商品データを並べ替えるという操作を考えてみましょう。毎回手作業でデータを並べ替えるのは面倒なので、この操作をマクロに記録してみます。一度記録しておけば、そのマクロを呼び出すだけで自動的に処理が行われるようになります。今回の記事で作成するのは、並べ替えを行うマクロだけですが、他にもさまざまな操作を記録しておけば、作業を大幅に効率化できるでしょう。
では、マクロの記録を開始します。[表示]タブ(②)→[マクロ](③)→[マクロの記録](④)をクリックします。
すると、[マクロの記録]ダイアログボックスが表示されます。[マクロ名]には、記録するマクロにつける名前を入力します。ここでは「並べ替え」(⑤)と入力します。[マクロの保存先]では[個人用マクロブック](⑥)を選択します。ここで選択した「個人用マクロブック」とは、記録したマクロを保存するための専用ブックです。記録したマクロは、今回のように個人用マクロブックに保存する方法と、作業中のブック(この場合は「10月売上表.xlsx」)に保存する方法があります。個人用マクロブックに保存しておけば、他のブックの作業中にもこの「並べ替え」マクロを呼び出すことができますが、作業中の「10月売上表.xlsx」に保存した場合は、10月売上表.xlsxを開いているときだけしか実行できません。今回は、他のブックでもこのマクロを使用したいので個人用マクロブックに保存します。
設定ができたら、[OK](⑦)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。
ここからの操作が記録されるので、売上高を降順に並べ替える手順を実行していきます。並べ替えの基準となる列(ここでは「売上高」列)内のセル(⑧)を選択した状態で、[データ]タブ(⑨)→[降順](⑩)をクリックします。
売上表の売上高が大きい順に並べ替えられましたね(⑪)。
これで記録したい操作は完了なので、[表示]タブ(⑫)→[マクロ](⑬)→[記録終了](⑭)をクリックして記録を終了します。これで売上高を降順に並べ替えるマクロの完成です。
なお、記録の途中で余計な操作を行うとその操作も記録されてしまうので注意する必要があります。余計な操作をしてしまったり、操作を間違えてしまったりした場合は、一度記録を終了させて、最初からやり直しましょう。不要になったマクロは、[表示]タブ→[マクロの表示]をクリックして表示されるダイアログボックスで、[削除]をクリックすれば削除できます。
マクロを実行する
では記録したマクロを実行してみましょう。売上表は、並べ替える前の状態に戻しておきます(①)。[表示]タブ(②)→[マクロの表示](③)をクリックします。
[マクロ]ダイアログボックスが表示されるので、[PERSONAL.XLSB!並べ替え](④)が選択されているのを確認して[実行](⑤)をクリックします。
売上高の降順に並べ替えることができましたね(⑥)。
このブックを保存・終了しようとすると、個人用マクロブックを保存するかどうかを尋ねられるので、[保存](⑦)をクリックします。
これで、「並べ替え」マクロは個人用マクロブックに保存されたので、他のブックからもこのマクロを呼び出して実行することができます。
なお、マクロを記録する際、保存先に「作業中のブック」を指定した場合は、ブックを保存・終了する時に次のようなメッセージが表示されます。保存を続行するには[いいえ](⑧)をクリックし、ファイルの種類を「Excelマクロ有効ブック(.xlsm)」に変更して保存する必要があります。
今回の例のように、並べ替えの操作だけなら、マクロに登録するまでもないと思う人もいるかもしれませんが、他にも複数の決まった操作がある場合は、それらをマクロに記録しておけば、作業を大幅に効率化できます。
ただし、「マクロの記録」機能だけで、汎用的なマクロを作成できるわけではありません。この機能は、あくまで操作を記録するものなので、作成したマクロが他のケースでも使えるかどうかをよく確認する必要があります。例えば、今回作成したマクロは、今回と同様のフォーマットの表でのみ有効なので、フォーマットやデータ件数などが異なる表に対してはうまくいきません。また、シート名を変更した場合や、2枚目以降のシートに対して実行する場合も同様です。記録されたマクロを修正すれば、より汎用的で使いやすいマクロに仕上げることもできますが、ここでは解説しません。
マクロを上手に使って業務の効率化を図ろう!
今回は、毎回必ず行っているお決まりの操作をマクロに記録して、処理を自動化する方法を解説しました。プログラムコードを書かなくてもいいので、初心者でも使いやすいですよね。アイデア次第で皆さんの日常業務を短縮できる可能性があります。ぜひ一度、試してみてくださいね!
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