いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】印刷用とプレゼン用のデザインは同じでいいの?エクセルでTPOに応じた表に仕上げるテクニック

場面に応じて表の見せ方を変えてみよう

 Excelで作成した表を配布資料やPowerPointのスライドに貼り付けることはよくありますよね。そのような時、表を見た人の印象に残すために何か工夫をしていますか?例えば、次の「商品別売上比較」の表(①)の見た目を整えて仕上げる時、どのような操作を行うでしょうか。

 次の表のように、マイナスの数値に色を付け、格子の罫線を引いて、見出しに色を付けて完成(②)……としていませんか?

 もちろん、この状態でも、それぞれの項目は正しく入力されていますし、見出しと他の項目は明確に区別され、マイナスの数値も目立つようになっていて、何も間違っているところはありません。でも、何となく見づらいような気がしませんか? 配布資料に載っていたとしても、プレゼンで見せられたとしても、どちらの場面でもあまり印象に残らないような感じがしませんか?

 見せる場面に応じて仕上げ方を変えると、同じ内容の表でも見る人の印象に残りやすくなるものです。今回は、同じ表をモノクロの配布資料に載せる場合とプレゼン用にスライドに貼り付ける場合に分けて、それぞれ印象に残るデザインにするコツを説明します。

モノクロの配布資料に載せる表はシンプルで見やすいデザインにする

 まずは、先ほどの「商品別売上比較」の表をモノクロの配布資料に載せる場合を想定して仕上げてみましょう。まずは、見出しを他の項目と区別しやすくするため、見出し行のみ中央揃えにします(①)。どんな場面で使う表でも、見出しを中央揃えにしておくと見出しを他の項目と区別しやすくなるので、覚えておくと良いでしょう。

 ほかの人に見せる表は、全体的に行の高さを広げて余裕のあるレイアウトにすると、とても見やすくなります。表全体をドラッグして選択(②)し、[ホーム]タブ(③)→[書式](④)→[行の高さ](⑤)をクリックします。

 [行の高さ]ダイアログボックスが表示されるので、行の高さを広げます。ここでは[行の高さ]欄に「25」(⑥)と入力して[OK](⑦)をクリックします。ちなみに、Excel 2016以降のバージョンでは、既定の行の高さは「18.75」です。見やすい行の高さは表に入力されている内容によって多少変わってくるので、表が見やすくなるよう、表の内容に合わせて調整してくださいね。

 表全体の行の高さが変更され、これだけでも文字の上下に余裕ができて見やすくなった印象がありますよね(⑧)。

 さらに続けて、見出しのスタイルなどを設定していきましょう。資料をモノクロで印刷して配布する場合は、見出しのセルを塗りつぶすと、選択する色によっては印刷した時に見出しが黒っぽくなってしまい、見出しが読みづらくなってしまう場合があります。見出し行はつい塗りつぶしたくなりますが、ここでは罫線を使って見出しをスッキリと目立たせてみましょう。表の見出し行となるセル範囲A2:D2をドラッグして選択(⑨)します。

 見出し行を選択できたら、[ホーム]タブの[罫線]の右にある下向きの矢印(⑩)をクリックし、表示される罫線の一覧から[上罫線+下二重罫線](⑪)を選択します。

 選択したセル範囲に上罫線+下二重罫線が設定され、これだけでも見出し行であることがわかりやすくなりました(⑫)。次に、表の一番下にも罫線を追加します。表の一番下の行にあたるセル範囲A7:D7をドラッグして選択(⑬)します。

 見出し行の時と同様に、[罫線]の右にある下向きの矢印(⑭)をクリックし、罫線の一覧から[下罫線](⑮)を選択します。

 表の一番下に罫線が追加され、表の範囲がわかりやすくなりました。最後に、表のタイトルのフォントサイズを大きくし、見出し行のフォントを太字にして仕上げます(⑯)。罫線は見出し行と表の一番下にしか入っていませんが、スッキリして見やすい印象だと思いませんか?

 Excelの目盛線を非表示にすると、印刷時の表示がよりイメージしやすくなります。最小限の罫線で表がスッキリ見えていることがわかります(⑰)。

 ちなみに、モノクロ印刷の場合は、強調するつもりで文字に色を付けてしまうと逆にその文字が見づらくなってしまうことがあります。負の数値を目立たせたい時など、カラーの表だったら色を付けたい部分は、モノクロ印刷の時には色を付けるのではなく太字にすると見やすくなります。

 また、塗りつぶしを行わなければ、表の見た目がスッキリするだけでなく消費するインクの量も少なくなって経済的というメリットもありますよ。

プレゼンで見せる表のデザインのコツはフォントと色の付け方

 プレゼンで見せる表を作る時には、見やすさに加え、見る人の印象に残る表に仕上げることが必要になってきます。前項で作成した「商品別売上比較」の表はスッキリとして見やすいですが、プレゼンで見せるには少しインパクトが弱い印象です。本項では、前項で作成した表に手を加え、プレゼンで印象に残る表に仕上げましょう。

 前項で作成した表全体を選択し、フォントを[メイリオ](①)に変更します。このフォントは視認性が良い(見やすく認識しやすい)フォントなので、プレゼンのように他の人に見せたい資料を作成する際におすすめのフォントです。Excel 2016の既定のフォント(游ゴシック)よりも文字がハッキリ見え、フォントを変えただけでも表が読みやすくなります(②)。

 次に、表に色を付けていきます。プレゼンで見せる表は、見る人に資料を配布しないこともあるので、見ただけでデータを識別しやすいように、縞模様のように表に色を付けると良いでしょう。また、データに付ける色と見出しに付ける色は同じ系統の色にすると、表全体がまとまりよく見えます。ここでは、見出し行をグリーン(③)、4行目を薄いグリーン(④)で塗りつぶします。

 表は縞模様になるように1行おきに色を付けます。4行目と同じ色を6行目にも付けます(⑤)。あるいは、4行目に付けた色を[書式のコピー]([ホーム]タブにあるブラシの形をしたボタン)で6行目にコピーしてもOKです。表の行数が多い時などは、書式をコピーする方がラクです。

 表が縞模様になり、行が強調されてそれぞれのデータが識別しやすくなりました。強調したい数値(ここでは負の数)に色を付けて、表の完成です(⑥)。

 こちらの表も、前項と同様に目盛線を非表示にしてみると(⑦)、実際にスライドに貼り付けた際の様子がイメージしやすくなります。罫線が入っていなくてもデータを識別しやすくできることがおわかりいただけるでしょうか。

 少し応用編になりますが、罫線を全く使わずに、色の濃淡だけで表を仕上げることもできます(⑧)。この場合も、データの背景に付ける色は文字が見づらくならないような色にすることが重要です。この例のように、見出しにあえて濃い色を付ける場合には、見出しの文字を白抜き+太字にすると、文字が潰れて見えなくなるということがなくなります。

表の仕上げでもTPOを意識して同僚に差を付けよう!

 今回は、1つの表を配布資料に載せる場合とプレゼンで見せる場合に分けて、それぞれの場合に適したデザインにする方法を解説しました。

 洋服などを選ぶ際は、ビジネスでもプライベートでもTPOを意識するものですよね。Excelで表を仕上げる時にも、場面に応じて仕上げ方を変えてみると、同僚に差を付けることができるかもしれません。同じ表でも全く違った印象になりますし、見る人の印象にも強く残るようになります。

 ぜひ、今回の記事を参考に、他の人に見せる表を印象的に仕上げてくださいね!

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