いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】セル内の文字列がきれいに揃わない!エクセルで無駄なスペースを削除して見た目を整えるワザ
2019年11月15日 06:55
シート上に不要なスペースが混ざっていて気持ち悪い!
普段のExcel業務の中で、記載内容の表記が統一されておらず、資料を整えるのに苦労したことのある人は多いと思います。別のソフトなどからExcelにデータを取り込んで使用しようとした時に、余分なスペースが入っていて削除するのに手間がかかったという経験のある人もいるのではないでしょうか。余分なスペースを1つ1つ削除していくのは、気が遠くなるような作業ですよね。そこで今回は、TRIM関数を使ってExcel表に入力されている余分なスペースを削除する方法と、全角と半角が混在するスペースSUBSTITUTE関数で半角に統一する方法を解説します。
TRIM関数を使って余分なスペースを削除する
次の「会員名簿」の例でやってみます。この名簿の「住所」列(①)に入力された文字列には、文字列の前後に余分なスペースが入っていたり、単語間にも複数のスペースが入っていたりします。そこで、TRIM関数を使ってこの名簿から不要なスペースを取り除いてみましょう。
“TRIM”という単語に「余分なものを切り取る」という意味があるとおり、TRIM関数は、余分なスペースを削除したい時に使う関数です。書式は次のとおりです。引数には文字列を指定し、セル番号を指定することもできます。
セルに入力された文字列の、先頭と後尾にスペースが含まれる場合はすべて削除し、文字間にスペースが1文字以上含まれる場合は、スペース1つを残してすべてのスペースを削除します。例えば、セルに「〇〇神奈川県〇〇川崎市」(ここで〇はスペースを表します)と入力されていた場合、TRIM関数を使うと「神奈川県〇川崎市」と変換することができます。
「会員名簿」に戻りましょう。最初に、余分なスペースを削除した住所を表示する列(②)を作成しておきます。
「会員名簿」の「住所」列の一番上のセル(セルE2)に入力されている文字列を見てください。少しわかりづらいですが、先頭に余分な全角スペースが1つ(③)、「新潟県」と「長岡市」の間に半角スペースが2つ(④)入力されているので、余分なスペースを取り除きましょう。
セルF3に「=TRIM(E3)」(⑤)と入力して[Enter]キーを押します。
すると、「新」の文字の前にあった全角スペースが削除され、「新潟県」と「長岡市」の間に2つあった半角スペースは1つを残して削除されました(⑥)。
オートフィルを使って、セルF3に入力した数式をセルF7までコピーします(⑦)。
「住所」列の文字列の前後にあったスペースが削除され、文字間のスペースは1つだけになりました(⑧)。
ただし、困ったことがあります。セルF3とセルF4を見比べてみるとわかりますが、文字間にあるスペースは、半角スペースと全角スペースが混在してしまっています。そこで、次の項では全角スペースを半角スペースに統一してみましょう。
SUBSTITUTE関数で全角スペースを半角スペースに統一する
前項までで、会員名簿の「住所」列から余分なスペースを削除できました。でも文字間のスペースは、全角スペースと半角スペースが混在しているので、SUBSTITUTE関数を使って半角スペースに統一します。ここでは、全角スペースを半角スペースに変換する例を解説しますが、応用すれば、反対に半角スペースを全角スペースに変換して、全角スペースに統一することもできます。
まず、SUBSTITUTE関数について説明します。書式は次のとおりです。
1つ目の引数には、検索対象の文字列(検索範囲)を指定し、2つ目の引数には検索する文字列、3つ目の引数には置換後の文字列を指定します。最後の引数では、どの位置にある文字列を置換するのかを指定できますが、省略可能な引数なのでここでは扱いません。
では実際に数式を入力していきますが、先ほどF列に入力した数式を編集して、TRIM関数とSUBSTITUTE関数を組み合わせた数式にします。
セルF3をクリックすると、数式バーに数式が表示される(①)ので、これを編集していきます。
数式バーに表示される数式の「=」と「TRIM...」の間に「SUBSTITUTE(」(②)と入力します。すでに入力されている「TRIM(E3)」(③)は、SUBSTITUTE関数の1つ目の引数(検索対象の文字列)として使用します。続けて「,」を入力し、検索する文字列と置換する文字列を指定します。ここでは全角スペースを半角スペースに変更するので、「" "," "」と入力します(④)。最後に「)」を入力して数式を完成させます。
[Enter]キーを押して数式を確定します。セルF2にはもともと全角スペースは入力されていなかったので表示は変わりません(⑤)。
オートフィルを使って、セルF3に入力した数式をセルF7までコピーします(⑥)。
「住所」列に入力されていた全角スペースが半角スペースに変換されました。(⑦)。スペースが半角に統一されて、見た目も美しくなりましたね。
表記を統一して見た目を整えましょう
今回は、TRIM関数を使ってExcel表に入力された余分なスペースを削除する方法と、SUBSTITUTE関数を使ってスペースを半角に統一する方法を解説しました。TRIM関数を使うと、必要なスペースはそのままで、余分なスペースだけを削除してくれるので便利です。また、表記の不統一で資料の見た目が整わず困っている読者は、英数字の全角文字と半角文字を統一すると、データが美しく見えますよ。ぜひ参考にしてみてください。
なお今回の「会員名簿」の例で、全角・半角を問わず、スペースをすべて削除したい場合は、TRIM関数ではなくSUBSTITUTE関数を使って「=SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(TRIM(E3)," ","")," ","")」のように記述します。SUBSTITUTE関数については、以前の記事で詳しく解説しているので、気になった人は読んでみてくださいね。
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