いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】時間をかけずにグラフをおしゃれに仕上げたい!エクセルで美しいグラフを簡単に作るコツ
2019年11月25日 06:55
作りっぱなしのグラフだと誰でも同じようなものになってしまう!
Excelの表からグラフを作ると、どうしても他の人と同じような見た目のグラフになってしまいがちで、本連載でも過去にグラフ作成時にいつもと少し違う操作をして仕上がりに差をつける方法を解説してきました。でも、資料作成にかけられる時間がとても短く、慣れない操作や手間がかかることはなるべくやりたくない……ということもありますよね。
例えば、次の「2019年7~9月 商品受注数記録」の表(①)からグラフを作成するとしましょう。
合計を除いたセル範囲A2:D5から棒グラフを作成してみました(②)が、この状態でグラフタイトルを修正して完成……とすると、あまりパッとしない感じですよね。
このようにExcelで簡単に作れる棒グラフでも、他の人と仕上がりに差をつけることはできないだろうか……と思ったことのある人は少なくないと思います。Excelのグラフは「作りっぱなしにしない」ことが大切で、いくつかのポイントをおさえればシンプルなグラフでも十分印象に残る見た目にすることができますよ。
今回は、シンプルな棒グラフを印象的な見た目にするテクニックを解説します。
❶グラフが読み取りやすくなるようにグラフエリアの形を調整する
冒頭で作成した「2019年7~9月 商品受注数記録」のグラフの見た目を整えてみましょう。今の状態だと、右の2つのグラフが短く、値が読み取りづらいですよね。グラフエリアの形は、グラフの読み取りやすさに大きく影響します。まずは、グラフエリアをもう少し縦長にして、グラフそのものにもっと長さが出るようにしてみましょう。グラフエリアをクリックし、周りに表示される丸いハンドルを下にドラッグします(①)。
グラフエリアが縦に広がり、短いグラフが最初の状態よりも見やすくなりました(②)。
このように、グラフエリアの形を調整するだけでも、値を読み取りやすくなります。
❷グラフを太くして見た目にインパクトを出す
棒グラフの視認性を上げるためには、グラフを太くすることも有効なテクニックです。グラフの棒を太くしてみましょう。グラフの棒を右クリック(①)し、表示されるメニューの[データ系列の書式設定](②)をクリックします。
画面の右側に、[データ系列の書式設定]作業ウィンドウが表示されます。[系列のオプション]の一番下に表示される[要素の間隔]欄のスライダーを左にドラッグする(③)と、棒の間隔が狭くなり、棒が太くなります。
特に、プレゼンなどで他の人に強く印象付けたいグラフの場合は、このようにして棒を太くすると効果があるので、覚えておくと良いでしょう。
❸データラベルは棒に重ねて表示させる
グラフには軸があるので、軸を見ればざっくりとした数値を読み取ることはできますが、グラフの棒に数値を表示させておいた方が、見る人がグラフから数値を読み取りやすく、説明する時にもラクになります。棒に数値を表示させたい時は「データラベル」という機能を使います。データラベルは棒に対してどのように配置するかを選択できますが、棒に重ねて表示するのがおすすめです。実際に、棒に重ねてデータラベルを表示させてみましょう。
先ほどの「2019年7~9月 商品受注数記録」のグラフに対してさらに操作を行っていきます。グラフエリアをクリックして選択した状態で、グラフエリアの右上に表示される[+]のアイコン(①)をクリックします。
すると、アイコンの右側に[グラフ要素]メニューが表示されるので、[データラベル]の左側にあるチェックボックスをON(②)にします。さらに、[データラベル]の右側に表示されている[▶]をクリックすると、データラベルの位置の一覧が表示されるので、データラベルを表示させたい位置を選択します。今回は、[内側](③)をクリックします。マウスポインターを各項目に合わせると、選択した位置にデータラベルのプレビューが表示されるので、位置を選択する時の参考にしてください。
この例では、グラフの色が濃いためデータラベルの数字が黒だと少し見づらい印象ですね。
各データラベルをクリックして選択し、普段Excelで作業する時と同じように[ホーム]タブの[フォント]グループで文字の色を白に変えれば、濃い色のグラフでもデータラベルが見やすくなります(④)。
棒に直接数値を表示することにより、軸を見なくても数値を読み取れるようになるので、資料を配布しないプレゼンなどでグラフを見せる時にも、内容がひと目で伝わりやすくなります。また、この例のように棒の内側にデータラベルを表示させると、棒の先端付近に数値が表示されるので、大きい数値ほど上の方に配置されることになります。数値の配置されている位置と数値の大小関係が視覚的にリンクし、見る人の印象により残りやすくなります。
❹目盛線をアレンジすると意外に見た目の印象が変わる
Excelのグラフは目盛線のスタイルも変更できます。目盛線は普段なかなか注目することが少ない要素かもしれませんが、目盛線のスタイルを変えるだけでもグラフの見た目の雰囲気が地味に変わります。実際に「商品受注数グラフ 7~9月」のグラフで、目盛線のスタイルを変更してみましょう。グラフの目盛線を右クリック(①)して、表示されるメニューから[目盛線の書式設定](②)をクリックします。
画面右側に[目盛線の書式設定]作業ウィンドウが表示されます。ここでは目盛線を点線に変更してみましょう。[線]の[実践/点線]の右側に表示されているアイコン(③)をクリックすると目盛線のスタイルの一覧が表示されるので、適用したいスタイル(④)を選択します。この作業ウィンドウでは、目盛線のスタイルのほかに、色や太さを変更することもできます。
目盛線が点線に変わりました(⑤)。ちょっとした変更ですが、グラフ全体の印象が意外に変わりますよね。
❺クリックするだけで印象が大きく変わる「色」「フォント」
見た目の印象を最も大きく変えることができる要素と言っても過言ではないのは「色」と「フォント」です。ここまでの操作で、グラフや数値は読み取りやすくなりましたが、青・オレンジ・グレーの3色だと何となくまとまりがない印象ですし、フォントも小さくて少し見づらい気がしませんか?
まず、グラフの色を変えてみましょう。グラフエリアをクリックして選択し、グラフエリアの右側に表示される筆の形のアイコン(①)をクリックします。すると、アイコンの右側にスタイルと色を変更するメニューが表示されるので、[色](②)をクリックし、表示される色の一覧からグラフに付けたい色(③)を選択します。
グラフの色が変更されました(④)。同系色の配色にすると、グラフ全体の雰囲気にまとまりが出ます。
さらに、フォントを変更したい場合は、[ページレイアウト]タブ(⑤)→[フォント](⑥)をクリックし、表示されるフォントの一覧からフォントの組み合わせを選択(⑦)します。
日本語フォントが「メイリオ」、数字のフォントが「Callibri」になり、より見やすくなりました(⑧)。
ちなみに、配色とフォントを別々に選ぶと、いまひとつ良い組み合わせが選べない……という場合は、[ページレイアウト]タブの[テーマ]をクリックして表示されるメニューからテーマを選択してみましょう。配色とフォントをセットで選択できるので、見た目にまとまりが出ます。グラフを作る際には、いろいろな書式やテーマを試してみてくださいね。
作った後のひと工夫でグラフの仕上がりに差を付けよう!
今回は、シンプルな棒グラフにいくつか工夫をして、グラフをより見やすく、オシャレに仕上げる方法をいくつか解説しました。どの操作も、特に難しいものではありませんが、グラフをいつもと少し違った雰囲気に仕上げることができます。
今回の記事では、1つの棒グラフに対して複数の操作を行っているので、最初に作ったグラフとは最終的に見た目が大きく変わりましたが、どれか1つの操作を行うだけでも十分いつもと違う仕上がりにできるはずです。
グラフの仕上がりのマンネリ化にお悩みの方は、今回の記事で解説した操作をぜひ試してみてくださいね!
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