いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】このグラフ、エクセルで作ったの?エクセルの棒グラフや円グラフのデザインのマンネリ化打破テクニック
2019年11月11日 06:55
他の人が作ったグラフと似たようなグラフばかり作ってしまう!
Excelでは、データを表にまとめるだけでなく、グラフにして視覚的にわかりやすく表現することができるということは皆さんもすでにご存知だと思います。作成した表からクリック数回で簡単にグラフを作成できますし、作成したグラフをWordやPowerPointの資料に貼り付けることもでき、とても便利ですよね。
でも、「グラフの作り方は覚えたけれど、いつも他の人と同じようなグラフに仕上がってしまう……」と思っている人は少なくないかもしれません。棒グラフや円グラフなど、基本的な構成のグラフは特に、簡単に作れる分、他の人と仕上がりに差をつけるのが難しくなりがちです。
今回は、Excelで棒グラフや円グラフを他の人が作ったものとは少し違う見た目のグラフにするテクニックを2つ解説します。
❶Peopleグラフを使って棒グラフとはひと味違う仕上がりにする
次の「都道府県別来場者数」の表(①)のようなシンプルな表からグラフを作るとなると、つい棒グラフを選択してしまいますよね。でも、「Peopleグラフ」を使うと、見違えるほどおしゃれなグラフをとても簡単に作れます。実際に作成してみましょう。[挿入]タブ(②)→[Peopleグラフ](③)をクリックします。Peopleグラフを作る場合、この時点では表の中でグラフにしたい部分を選択しておく必要はありません。
すると、「アプリに関する数字」というタイトルのグラフ(④)が表示されます。人型が並んだこのグラフは「Peopleグラフ」のサンプルで、最初はいつもこのグラフが表示されます。Peopleグラフを作成する時は、このサンプルを修正していくような形で操作を進めていきます。では、グラフの作成を続けましょう。サンプルグラフの右上にある表型のアイコン(⑤)をクリックします。
グラフエリアの右側に[データ]画面が表示されます。[タイトル]欄にグラフのタイトル(⑥)を入力し、その上にある[データの選択](⑦)をクリックします。
[グラフを作成するデータの選択]画面が表示されます。表の中でグラフにしたいセル範囲(ここではセル範囲A3:B6)をドラッグして選択(⑧)すると、[グラフを作成するデータの選択]画面の下の方に「○個の行と△個の列を選びました。」(⑨)と表示されるので、行と列が正しく選択されていることを確認し、[作成](⑩)をクリックします。
すると、選択したセル範囲のデータがグラフに反映されます。簡単に表からPeopleグラフを作成できましたね。グラフのデザインはいくつかの種類から選択できます。デザインを変更したい場合は、グラフエリア右上の歯車型のアイコン(⑪)をクリックします。
このアイコンをクリックすると[種類][テーマ][図形]の3つの観点からグラフのデザインを変更できます。[種類]からはフォントや凡例の配置などが異なる種類のグラフを選択でき、[テーマ]からはグラフの背景とアイコンの色の組み合わせを選択できます。[図形]ではグラフ上に並ぶアイコンの種類を変更できます。グラフの内容や発表の場に応じた見た目のグラフに変更してみましょう(⑫)。
印象に残るおしゃれなグラフを簡単に作れますし、豊富な種類のデザインを選べるので、他の人とグラフの見た目が似てしまうということも減らせそうですよね。
❷テキストボックスを使って伝わりやすいドーナツグラフにする
集計したデータの量そのものよりも、いくつかのデータの比率を知りたい時には、円グラフやドーナツグラフを使いますよね。これらのグラフも、シンプルで他と差を付けにくいグラフです。
次の「来場者数アンケート集計結果」の表には、来場者アンケートの回答者数を男女に分けてまとめてあります。この表をドーナツグラフにしてみましょう。表の中でグラフにしたいセル範囲(ここではセル範囲A2:B4)をドラッグして選択(①)し、[挿入]タブ(②)→[円またはドーナツグラフの挿入](③)→[ドーナツ](④)をクリックします。
選択したセル範囲の内容を反映したドーナツグラフ(⑤)が作成されましたが、いまひとつパッとしない印象です。凡例は、左側に「男性」、右側に「女性」という順になっていますが、作成されたグラフでは「女性」の項目が円の左側に位置しており、パッと見て読み取りにくい仕上がりになっています。
グラフ機能で「データラベル」を表示させるように設定すれば、グラフの項目名や数値をグラフに表示させることができますが、データラベルは標準の設定ではフォントが小さめなので、プレゼンなどでインパクトのあるグラフに見せたい時には不向きです。グラフを見る人に対して項目名や数値を強く印象付けたい場合は、グラフに直接テキストボックスでテキストを挿入するのがおすすめです。
では、グラフにテキストボックスを挿入して、データラベルを使わずにグラフの項目名や数値を表示させてみましょう。この操作に入る前に、過去の記事を参考にグラフの色を変更し、グラフタイトルも変更しておきます。Excelでボタンをクリックしてグラフを作った時のままの状態にせず、グラフの色を変えるだけでも印象が大きく変わりますよ。グラフの見た目が整ったら、[挿入]タブ(⑥)→[図](⑦)→[図形](⑧)→[テキストボックス](⑨)をクリックします。
テキストボックスを挿入できる状態になるので、シートに図形を挿入する時と同様にテキストボックスを挿入し、文字を入力しておきます(⑩)。ここでは、このテキストボックスが凡例の役目をすることになるので、グラフ作成時に自動で表示された凡例は削除してしまいましょう。凡例を右クリック(⑪)し、表示されるメニューの[削除](⑫)をクリックします。
凡例を削除したら、先ほど挿入したテキストボックスに入力した文字のフォントサイズなどを整えます(⑬)。ここではフォントを視認性の良い「メイリオ」にし、フォントサイズも通常のデータラベルよりかなり大きめの「14」とすることによって、プレゼンなどで表示した時にも見やすいグラフになるように工夫します。
同様にしてグラフの調整を進め、完成させます。挿入したテキストボックスをコピーしてグラフの両側に配置し、男性と女性それぞれの人数を入力することで、来場者数の男女比を視覚的にわかりやすくなりました。また、ドーナツの中央に来場者数の合計を入力することで、来場者数合計に対する男女比がパッと見でつかみやすいグラフになりました(⑭)。
ちなみに、データラベルを使ってドーナツグラフに項目名や数値を表示させると、次のグラフ(⑮)のようになります。テキストボックスを利用した時と比べると、インパクトがありませんね。ドーナツグラフの中央に合計を表示させる機能はもともと備わっていないので、データラベルを使う時でも、合計をグラフの中央に表示させたい場合はテキストボックスを使う必要があります。
2つのグラフを比較してみると一目瞭然ですが、凡例やデータラベルのようにグラフそのものに付随する機能を使わずに、他の機能を組み合わせて仕上げた方が、「いかにもExcelで作りました」という感じのない、インパクトがあって印象に残るグラフを作れることがあります。皆さんもいろいろチャレンジしてみてくださいね。
仕上げを少し工夫するだけで他の人とは違ったグラフに仕上げられる!
今回は、他の人と同じようなデザインになりがちな棒グラフやドーナツグラフを、新鮮で印象的な見た目にするテクニックを2つ解説しました。同じデータでも、棒グラフをPeopleグラフに変えただけで全く違うグラフのように見えますし、印象に残りますよね。
また、ドーナツグラフは思い切って凡例をテキストボックスで作成すると、比率の対比をより強く印象付けることができるようになります。このテクニックはドーナツグラフだけでなく、他のさまざまなグラフでも使えるので、ぜひ試してみてくださいね。
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