いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】数式を修正したいのにセル番号が入力されてイライラ!エクセルの入力モードと編集モードを理解しよう

数式の入力中に[←]キーを押したらセル番号が勝手に入力された!

 習いたてのものなら何でも、間違えたりミスしたりすることはしょっちゅうですよね。Excelでの数式入力も同様で、覚えたての関数を思い出したり、参考書などで書式を確認したりしながら入力していると、どうしても入力ミスをしてしまうことはあると思います。数式を入力している途中で間違いに気付き、あわてて[←]キーを押してカーソルを移動し、修正しようとしたら、予期せぬセル番号が勝手に入力されて困った……という経験のある人は意外と多いのではないでしょうか。

 例えば、次の「11月売上表」で、セルG11(①)にSUBTOTAL関数を使って数式を入力しようとしているとします。

 SUBTOTAL関数は、オートフィルターと組み合わせて使うと便利な関数で、書式は次のとおりです。SUBTOTAL関数を使って合計を求める数式を記述することで、オートフィルターで絞り込んだデータだけの合計を自動的に表示できます。

 なお、ここでは関数そのものについては詳しく解説しませんが、以前の記事で解説しているので興味のある読者の皆さんは読んでみてください。

 セルG11に「=SUBTOTAL(8,」(②)と入力したところで、1つ目の引数(集計方法)に指定する数値を間違えたことに気付きました。現状、「8」と入力されている数値を「9」に修正するため、[←]キーでカーソルを左に移動したいとします。

 しかし実際に[←]キーを押してみると、カーソルが左に移動するのではなく、なぜかセル番号(F11)が入力(③)されてしまいました! なぜでしょうか?

 今回の記事では、このように、Excelで数式の入力中に入力ミスに気付いた時、カーソルを移動して入力値を修正できるようにする方法と、このような事象が発生する原因(入力/編集モードの違い)について解説します。

数式の入力中に[←]キーでカーソルを移動するにはまず[F2]キーを押す

 先ほどの例で、もう一度やってみましょう。セルG11に「=SUBTOTAL(8,」(①)と入力したところで間違いに気付き、修正するためにカーソルを左に移動させたいとします。この状態では、カーソルは数式中の「,」(半角カンマ)の後ろにあります。ここでまず、[F2]キーを押します(②)。

 そして[←]キーを押すと(③)、カーソルを左に移動することができます(④)。少しわかりづらいですが、カーソルが「,」(半角カンマ)の前に移動しています。

 このまま、[Backspace]キーを押して正しい数値を入力し直せば、引数を正しく修正できますね。

Excelの「入力」モードと「編集」モードとは

 今回のような事象が発生する原因について理解するために、Excelで入力操作をする際のセルのモードについて触れておきましょう。Excelには「入力」「編集」の2つのモードがあり、これらのモードの違いは次のとおりです。

  • 入力モード:未入力のセルに入力する時のモード。入力モードの時に矢印キーを押すとアクティブセルが移動する。また、数式の入力中、関数の引数を指定する時は「参照」モードになる
  • 編集モード:入力済みのセルを修正する時のモード。編集モードの時に矢印キーを押すとセル内でカーソルが移動する

 これを踏まえて、先ほどの例をもう一度おさらいしてみましょう。未入力のセルG11に「=SUBTOTAL(8,」(①)と入力したところで画面の左下を見てみると、[入力](②)と表示されていますね。この時点では、このセルは入力モードになっています。

 ここで、[←]キーを押してみましょう(③)。画面の左下に[参照](④)と表示されて、数式の続きに「F11」(⑤)が入力されています。これは、入力モードで関数の引数を入力中に矢印キーを押したので、参照モードになってセル参照が表示されたというわけです。このような時、[F2]キーを押すと編集モードに切り替わって、矢印キーでカーソルを移動できるようになります。

「条件付き書式」で数式を入力する時も同じ!

 セルに数式を入力する時は、[関数の引数]ダイアログボックスを使ったり、数式バーに直接入力したりする人も多いかもしれないので、前述のような事象で困ったことのある人は少ないかもしれません(数式バーに入力する場合は、編集モードになります)。ですが、条件付き書式を設定する際に、[新しい書式ルール]ダイアログボックスで直接数式を入力したいという時に、同じような状況になって困ったという人は多いのではないでしょうか。

 次の例で、[新しい書式ルール]ダイアログボックスの数式を入力する欄に、「$G3<50000」と入力したあとで[←]キーを押すと、数式の続きに「+$F$3」(①)と入力されてしまいます。そんな時は、ぜひ画面左下を確認してみてください。[参照](②)と表示されているはずです。現在のモードは参照モードだということがわかりますね。

 条件付き書式を設定する際、[新しい書式ルール]ダイアログボックスに数式を入力している途中で、カーソルを移動して数式を修正したくなったら、前述の解説に従い、[F2]キーを押して編集モードに変更してから、[←]キーを押して修正してみてくださいね。

効率的に入力操作をこなすためは入力モードを理解しよう

 今回は、Excelで数式の入力中に入力ミスに気付いた時、カーソルを移動して入力値を修正できるようにする方法と、このような事象が発生する原因(入力/編集モードの違い)について解説しました。

 これらの2つのモードをよく理解したうえで入力操作を行うことが、効率的に仕事をこなすポイントになります。自己流で入力操作していた読者の皆さんは、ぜひ今回の記事をきっかけに、おさらいしてみてくださいね。

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