いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】未入力の明細行に「¥0」と表示されないようにしたい?エクセルで不要なゼロの値を隠すテクニック

未入力のセルに「¥0」と表示したくない

 Excelを使って、売上表や請求書などの資料を作成したことのある人は少なくないと思います。このような資料をよく作成するなら、金額を求める数式を作成して、事前にシートに入力しておきたいですよね。数式を入力したシートをフォーマットとして保存しておけば、資料を作成するたびに同じ数式を入力しなくてもよくなるので、作業効率も上がりますし、数式の入力ミスも減ります。

 しかしながら、作成した数式を他のセルにコピーした時に、未入力の明細行のセルに「¥0」(①)のように表示されてしまい、困った経験のある人は多いのではないでしょうか。

 これは、入力した数式の計算対象のセルに、まだ値が入力されていない時に起こる事象です。この表のD列のセルには、売上金額を求める「定価×数量」という式が入力されているのですが、11行目以降の明細行に何も値が入力されていないため、D列の数式の結果が「¥0」と表示されているのです。でも、これではあまり見栄えがよくないですよね。そこで今回は、入力した数式の計算対象のセルにデータがない場合、セルに「¥0」と表示されないようにするテクニックを2つ解説します。なお、この表のB列とD列に「¥」マークが表示されているのは、[通貨]の表示形式を設定してあるためです(文字列として入力されているわけではありません)。

❶IF関数を使って「¥0」と表示されないようにする

 先ほどの「売上表」を使って考えてみましょう。冒頭で解説したとおり、売上表のD列にはB列に入力された定価とC列に入力された数量をかけて売上金額を求める数式(定価×数量)が入力されています。例えば、セルD3(①)には「=B3*C3」と入力されています。11行目以降には、まだデータが入力されていませんが、D列には、セルD15まで数式が入力されています。11行目以降の単価や数量に値が入力されていない状態で(②)セルD11以降に数式が入力されているため、計算結果が「¥0」と表示されているのです(③)。

 未入力の明細行のセルに「¥0」と表示されないようにするには、明細行が1件増えるたびに、1つ1つ数式をコピーしなくてはならないのでしょうか。

 このような時は、IF関数を使うとうまく対処できます。IF関数の書式は、次のとおりです。

 1つ目の引数で、条件となる数式を記述し、その条件を満たす場合の処理を2つ目の引数で、満たさない場合の処理を3つ目の引数で記述します。

 このIF関数を使って、D列に「『定価×数量』という数式で参照している『数量』欄のセルに値が入力されていなければ何も表示せず、入力されていれば、『定価×数量』を行う」という意味の数式を記述します(厳密には、「数量」欄のセルと「定価」欄のセルのどちらかが未入力の場合は何も表示せず……と記述すべきところかもしれませんが、「数量」と「定価」のうち、どちらかの値だけが入力されている状態は考えにくいとし、このような数式にしています)。

 では入力していきましょう。セルD3に「=IF(C3="","",B3*C3)」(④)と入力します。セルC3に値が入力されていない場合(⑤)は何も表示せず(⑥)、それ以外の時には「B3*C3」(⑦)という処理を行うという意味になります。

 数式の入力ができたら、[Enter]キーを押して入力内容を確定します。もともと、セルD3は「¥0」と表示されていたわけではないので、セルの表示は先ほどと同じ状態(⑧)になります。

 この数式をD列の他のセルにもコピーしましょう。オートフィルを使って、セルD3に入力した数式をセルD15までコピーします(⑨)。

 セルD11以降に表示されていた「¥0」という表示が消えました(⑩)。

 これで、見栄えが良くなりましたね。

❷[Excelのオプション]画面で「0」を非表示にする

 もう1つの方法は、[Excelオプション]画面で「0」を非表示にする設定を行うというものです。数式を入力するのが面倒くさいという人は、この方法が手軽ですよ。

 ❶でIF関数を使った数式を入力する前の「売上表」を使ってやってみます。この状態では、まだセルD11以降に「¥0」が表示されていますね(①)。

 [ファイル]タブ→[オプション]をクリックして、[Excelオプション]画面を表示しましょう。画面左側にある[詳細設定](②)を選択し、画面中央に[次のシートで作業する時の表示設定](③)が見えてくるまで、画面を下にスクロールします。ここでは、現在開いているシートで作業する時に有効となる設定を行えます。今回は、[ゼロ値のセルにゼロを表示する]のチェックマークをクリックしてオフ(④)にします。

 設定を終えたら、[OK](⑤)をクリックして画面を閉じます。

 シートに戻ると、D11以降に表示されていた「¥0」という表示が消えましたね(⑥)。

 [Excelのオプション]画面で「0」を非表示にする設定を行うと、これ以降、このシートに入力した「0」はすべて非表示になります。設定したことを忘れて、「0」が表示されない!などと慌てないようにしてくださいね。また、他人にファイルを送る時などは、この設定が引き継がれることを覚えておいてください。

未入力の明細行のセルに「¥0」と表示されないようにする

 今回は、入力した数式の計算対象のセルに値が入力されていない場合に、セルに「¥0」のように表示されないようにするテクニックを2つ解説しました。1つ目はIF関数を使う方法、2つ目は[Excelのオプション]画面で設定を変える方法でした。「¥0」のようにゼロの値を表示させたくない場合は、これらの方法を試してみてくださいね。

 また前回の記事では、IFERROR関数を使って、「請求書」に表示される想定内の「#N/A」エラーを非表示にするテクニックを解説しました。これは、IF関数を使って対処することもできます。ここでは詳しく解説しませんが、興味のある人はぜひ考えてみてくださいね!

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