いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】折れ線グラフで予想値の部分をわかりやすく表現したい!エクセルでグラフの一部を点線にする方法
2019年12月23日 06:55
実際の値と予想値がパッと見で伝わる折れ線グラフを作りたい!
決算報告書などを作る業務ではExcelを使うことが多いと思います。年間の売上金額の合計を求めるだけでなく、数年間にわたる売上金額の推移をまとめて、資料やプレゼンテーションに使えるグラフを作ったりすることもありますよね。
2015年からの年間の売上金額をまとめた「年間売上金額推移」の表(①)があるとします。ここには2022年までの値が入力されていますが、2020年以降の値については予想値です。このように、予想値を含めた表を作成する機会は少なくないと思います。
値の変化をわかりやすく伝えるのに適したグラフに、折れ線グラフがあります。通常、Excelの表から折れ線グラフを作ると、1本の実線で折れ線が描かれますよね。先ほどの「年間売上金額推移」の表の例でも同様で、折れ線グラフ(②)を作成すると、1本の実線になっています(折れ線グラフの作り方については、過去の記事を参考にしてください。なお、下の画像の例では、グラフ作成後、軸の数値の範囲などを変更し、見やすくなるよう調整しています)。
実績値なのか予想値なのかはグラフの下の横軸の値を見ればわかりますが、パッと見ただけでは区別できません。特に、プレゼンテーションなどで相手に伝えたい時、このグラフだと見ている相手はグラフを読み取るのに時間がかかりますよね。
このように実績値と予想値の両方が含まれる折れ線グラフで、予想値の部分だけ点線になっているものを見たことはありませんか?Excelでも、作ったグラフに少し工夫するだけで一部が点線になっているグラフを簡単に作れます。今回は、Excelで折れ線グラフの一部を点線にする方法を2つ解説します。
方法1:点線にしたい部分だけを選択して線のスタイルを変更する
さっそく、先ほどの「年間売上金額推移」の表から、予想値の部分を点線にした折れ線グラフを作ってみましょう。この例では、2019年の値までが実績値で、2020年の値からが予想値ですから、グラフ上の2019年の値から右側の部分を点線にすればよいですね。
1つ目の方法は、先に折れ線グラフを作っておき、点線にしたい部分を後から選択してその部分の線のスタイルを変更するというものです。点線にしたい部分を先にまとめて選択することはできず、折れ線の中の1区間ずつ操作する必要があるので、この方法は点線にしたい部分が短い場合にオススメです。
折れ線グラフを先に作成しておき、点線にしたい部分(ここでは2019と2020の値をつなぐ線)をゆっくり2回クリック(①)します。すると、クリックした区間の右端のマーカーが1か所だけ選択されます(②)。
選択した部分の上で右クリック(③)し、表示されるメニューから[データ要素の書式設定](④)を選択します。
画面の右側に[データ要素の書式設定]作業ウィンドウが表示されます。[塗りつぶしと線](バケツの形のアイコン)(⑤)をクリックして、[線](⑥)の[実線/点線](⑦)をクリックし、変更したい点線のスタイル(⑧)を選択します。
これで、2019年と2020年の間の部分が点線になりました(⑨)。続けて、その右の2区間(2020年と2021年の間、2021年と2022年の間)も点線に変更します(⑩)。作業ウィンドウで同様に操作して点線に変更しても良いですが、2020年と2021年の間を1回クリックし、この部分が選択されたら[F4]キーを押すという方法もあります。[F4]キーは直前に行った操作を繰り返すショートカットキーなので、直前に行った線種の変更を、[F4]キーを押すことによって別の場所で繰り返すことができるのです。同様に、2021年と2022年の間もクリックして[F4]キーを押すだけで点線に変更できます。
予想値の区間をすべて点線に変更できたら、グラフの完成です(⑪)。
この方法は、先ほども書いたように1区間ずつ点線に変えるため、点線にする区間が短い場合に適しています。また、すでに作成したグラフに手を加えて一部を点線に変更したい場合や、グラフの元になる表に手を加えたくない時も、この方法を使うのが良いでしょう。
方法2:実績値と予想値に分かれた表からグラフを作る
グラフの一部を点線にする方法には、別のものもあります。点線にしたい部分が長い場合にはこちらの方法がオススメです。
グラフのもとにする表を作成する段階で少し工夫します。通常、売上を記録する表を作る時は、本記事の冒頭に示した表のように売上の値を単純に年別に並べていく形式にすることが多いですよね。でも、今回のようにグラフの一部を点線にしたい場合は、点線にしたい部分に該当する値を表の中で別の列に入力します。
説明を読んだだけではわかりづらいと思うので、実際の例を見ていきましょう。先ほどの「年間売上金額推移」の表に少し修正を加えます。B列の「金額」欄には2019年までの値を入力し(①)、隣のC列に新たに「金額(予想)」欄を作成して、2019年以降の値を入力します(②)。実線と点線の境界となる値(ここでは2019年の値)は両方の列に入力する(③)のがポイントです。
表が正しく入力できたら、通常と同様の方法で折れ線グラフを作成します。ここではセル範囲A2:C10を選択してグラフを作成します。すると、色の違う折れ線グラフが2本表示されます(④)。先ほどの表で値を両方の列に入力したデータのところから色が変わっているので、1本の折れ線グラフが途中から色が変わっているように見えるはずです。
続けて、この折れ線グラフの中でオレンジ色の部分を、点線に変えていきます。オレンジ色の部分の上で1回クリック(⑤)すると、オレンジ色の部分全体が選択されます。2019年以前と2019年以降のデータを別々の折れ線グラフとして作成すると、このように、2019年以降のデータだけを一気に選択できるようになるのです。
選択されたオレンジ色の部分の上で右クリック(⑥)するとメニューが表示されるので、[データ系列の書式設定](⑦)をクリックします。
画面右側に[データ系列の書式設定]作業ウィンドウが表示されます。[塗りつぶしと線](バケツの形のアイコン)(⑧)→[線](⑨)の[色](⑩)をクリックして、左側の折れ線と同じ色(⑪)を一覧から選択します。
線の色が変わったら、線の種類を変更します。[実線/点線](⑫)をクリックし、表示される線の一覧から変更したい線のスタイル(⑬)を選択します。
続けて、マーカーの色を線と同じ色にします。[データ系列の書式設定]作業ウィンドウの[マーカー](⑭)→[枠線](⑮)→[色](⑯)をクリックして表示される色の一覧から、線と同じ色(⑰)を選択します。
さらに、同じ作業ウィンドウの[塗りつぶし](⑱)→[色](⑲)をクリックして表示される色の一覧から、線や枠線と同じ色(⑳)を選択します。
選択した部分が点線になり、結果として1本の折れ線グラフが途中から点線になったようなグラフに仕上げることができました(㉑)。
この方法は、数値を別の列に分けて入力しておく必要があるので、元の表も数値が1列に入力された状態で残しておきたい場合には、その状態の表を別の場所にコピペしておくなどの工夫が必要です。でも、長い折れ線を一気に点線に変えられるのはとてもラクですよ。
作ったグラフは、軸ラベルを表示させたり、テキストボックスで説明を入力したりして(㉒)、見ている人により伝わりやすいように仕上げると良いですね。
折れ線の書式を変更する方法を覚えていろいろ応用してみよう
今回は、折れ線グラフの一部を点線にする方法を2つ解説しました。事前に作成した折れ線グラフの一部を点線に変更する方法と、実線にする部分と点線にする部分を分けて入力した表から折れ線グラフを作り、点線にしたい部分を点線に変える方法の2つがあることがおわかりいただけたと思います。状況に応じて、よりラクにグラフを作れる方法を選択してくださいね。
これらの方法は、折れ線グラフの線の書式を変更する方法を応用したものです。今回のように折れ線グラフの一部を点線にするだけでなく、折れ線全体の線のスタイルを変えたり、マーカーの形を変えたりなど、応用するとオリジナリティのあるグラフを作れます。ぜひいろいろ試してみてくださいね。
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