いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】SUBTOTAL関数が苦手な人にもおすすめ!エクセルのアウトライン機能で小計を求める方法
2020年2月10日 06:55
小計を求めたいけど小計欄を新たにいくつも追加するのは面倒……
Excelで売上管理などを行っている場合、「日付別」や「顧客別」のようにいろいろな条件で小計を求めることがあります。小計を計算するために、SUBTOTAL関数を使っている人は少なくないと思います(SUBTOTAL関数の詳しい使い方は過去の記事を参照してください)。小計を入力することを事前に想定して入力欄がもともと作られている表であれば問題はありませんが、次の「2月上旬雑貨売上記録」の表(①)のように単純にデータだけが並んでいる表の場合は、ちょっと面倒です。
この表に日付別の売上小計欄を作成するとなると、各日付の項目の下に1行追加して小計欄を作成する必要があります(②)。
今回は、手作業で集計行を作成しなくても簡単に小計を計算して表示できる、Excelの[小計]機能の使い方を解説します。
データごとに並んだ状態の表で[小計]機能を使う
小計を表示させるときには、Excelの[小計]機能を使うのが便利です。この機能を使えば、もともと小計を入力するための欄がない表でも簡単に小計を表示できます。先ほどの「2月上旬雑貨売上記録」の表に日付別の小計を表示させるという作業を、この[小計]機能を使ってやってみましょう。
[小計]機能を使うときには、小計を計算したい項目を含むデータどうしがまとまった状態で表示されている必要があるため、場合によっては表の項目を並べ替える必要が出てきますが、この表で日付別の小計を求めたい場合は、すでにデータが日付順に並んでいるため並べ替えの必要はありません。また、この機能を使うには、表がデータベース形式になっている必要があります。表の1行目を見出し行としてデータを入力するか、表のタイトルと見出し行の間に空行を入れておきましょう。
まず、表に含まれるセル(どこでも構いません)(①)をクリックし、[データ]タブ(②)→[小計](③)をクリックします。
[集計の設定]ダイアログボックスが表示されます。ここで、どのような条件や方法で集計するかを設定します。ここでは「日付別に税込金額を合計する」という集計を行うので、[グループの基準]欄で[日付](④)を選択し、[集計の方法]欄に[合計]と表示されていることを確認します([合計]でない項目が表示されている場合は、メニューから[合計]を選択します)。[集計するフィールド]欄では[税込金額](⑤)を選択し、[OK](⑥)をクリックします。
各日付の項目の下に自動で集計行が追加され、集計行のH列には日付別の「税込金額」の合計額が表示されます(⑦)。たったこれだけの操作で、表内のすべての日付について小計を瞬時に計算することができます。
集計行を表示させると、表の左側に[-]というボタンや複数のデータをグループにするような線が表示されることに気づくはずです。このボタンや線は、その線で囲まれたデータどうしが「グループ化」され、「アウトライン」として表示されていることを表しています。この状態で表示されている時は、グループ化された詳細データの表示/非表示を必要に応じて切り替えることができます。例えば、6行目の左側に表示されている[-]ボタン(⑧)をクリックしてみましょう。
すると、ボタンが[+](⑨)に変わり、2020/2/3の詳細データにあたる3~5行目のデータが非表示になって集計行のみが表示されるようになります。
すべての詳細データを非表示にして、小計と総計だけを表示させることもできます(⑩)。
このように、[小計]機能を使うと、簡単に小計を求められるだけでなく、詳細のデータを非表示にして集計データのみに注目することもできます。
データごとに並んでいない表では[昇順]に並べて小計を求める
先ほどの例では、すでにデータが日付順に並んでいたため、データを並べ替えなくても小計を求めることができました。では、別の条件で小計を求めたい場合はどうしたら良いでしょうか。
「2月上旬雑貨売上記録」の表で、商品別の売上金額を求めてみましょう。ここでは「商品コード」のデータを使えば商品別の売上金額を求めることができます。まず、商品コードごとにデータを並べ替えます。D列のセル(D列の中であればどこでも構いません)(①)を選択し、[データ]タブ(②)→[昇順](③)をクリックします。「昇順」とは「データが小さい順」ということなので、商品コードの順にデータを並べることができます。
データが商品コード順に並べ替えられました(④)。これで、商品コード別に小計を求めることができます。[データ]タブ(⑤)→[小計](⑥)をクリックします。
[集計の設定]ダイアログボックスが表示されます。[グループの基準]欄で[商品コード](⑦)を選択し、[集計の方法]欄に[合計]と表示されていることを確認します。[集計するフィールド]欄の[税込金額](⑧)を選択し、[OK](⑨)をクリックします。
商品コード別の小計が計算され、集計行が表示されました(⑩)。
アウトラインを解除したい時も、[集計の設計]ダイアログボックスから操作します。[データ]タブ(⑪)→[小計](⑫)をクリックします。
[集計の設定]ダイアログボックスが表示されます。ダイアログボックス下部の[すべて削除](⑬)をクリックします。
これで、集計行やアウトラインの設定がすべて解除されます(⑭)。ただし、表は最初の状態に戻るわけではなく、データが商品コードの昇順に並び替えられている状態に戻ります。
条件を変えて小計を求めたい場合は、その条件となるデータを昇順に並べ替えた状態で小計を求めます。このようにデータの並べ替えを繰り返していると、元の並び順に戻すことが難しくなるかもしれません。この「2月上旬雑貨売上記録」の表のように表に通し番号の列を付けておくと、通し番号を昇順に並び替えれば元の並び順に戻せます。
[小計]機能を使ってラクに集計作業を進めよう
今回は、Excelの[小計]機能を使って集計を行う方法を解説しました。条件となるデータを昇順に並べ、項目ごとにデータが並ぶようにした状態で集計すれば、簡単に表に集計行を作成できます。
これまで、関数に対する苦手意識があっても、小計を求めるために頑張ってSUBTOTAL関数を使っていた人もいるでしょう。[小計]機能を使えば、関数が苦手でもクリック操作だけで簡単に集計できますよ。ぜひ、今後の業務で活用してくださいね。
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