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【Excel】月ごとのブックに分かれた売上表を1つに統合したい!エクセルで複数のブック上にあるデータを1枚のシートで集計するテク

複数のブックで管理している売上表を1つにまとめたい!

 普段の業務で売上表などを作成する際、月ごとや支店別、部署別といったカテゴリーごとに、別々のブックに記録して管理することはありますよね。これらのブックを1つにまとめて集計してほしいと急な依頼を受けたらどうしますか? 「今日もまた残業か……」とあきらめないでください。Excelでは、複数のブックのデータを1つにまとめる簡単な方法があります。さっそく使い方を見てみましょう。

複数ある月別の売上表を1つにまとめて項目ごとに集計する

 例として、「1月売上高.xlsx」「2月売上高.xlsx」「3月売上高.xlsx」という3つのブック(①)に、月ごとの売上金額が記録されているとします。すべてのブックに「商品名」と「売上金額」という項目が含まれていますが、ブックごとに項目数が異なり、結果として表のレイアウトも異なっています。これらのブックを1つのシートにまとめて、商品別に集計してみましょう。今回はExcelの「統合」という機能を使います。

 操作を開始する前に、統合する元データ「1月売上高.xlsx」「2月売上高.xlsx」「3月売上高.xlsx」は、すべて開いておきます。

 次に、集計結果を表示するための新しいブックを準備します。新規ブックを開き、一番左上のセルに、このあと作成する集計表の表タイトル(②)を入力し、名前を付けて保存しておきます。集計結果を表示したいセル(ここではセルA2)を選択(③)して、[データ]タブ(④)→[統合](⑤)をクリックします。

 [統合の設定]ダイアログボックスが表示されます。[集計の方法]欄に「合計」(⑥)が選択されていることを確認し、[統合元範囲]欄の右端にあるボタン(⑦)をクリックします。

 すると、ダイアログボックスが小さくなり、統合したいデータ範囲を指定できるようになります。ここで、表示するブックを「1月売上高.xlsx」(⑧)に切り替え、統合するデータ範囲(セル範囲A2:B6)をドラッグして選択(⑨)します。データ範囲を選択できたら、小さくなったダイアログボックスの右端にあるボタン(⑩)をクリックします。

 ダイアログボックスが元の大きさに戻ります。[統合元範囲]欄に、先ほどドラッグして指定したセル範囲(⑪)が入力されていることを確認して、[追加](⑫)をクリックします。

 すると[統合元]欄に統合するセル範囲が追加されます(⑬)。

 [統合元]欄に追加されたことを確認したら、[Delete]キーを押して[統合元範囲]欄のデータを削除します(⑭)。続けて、「2月売上高.xlsx」のデータも追加します。先ほどと同様、[統合元範囲]欄の右端にあるボタン(⑮)をクリックします。

 ダイアログボックスが小さくなるので、表示を「2月売上高.xlsx」に切り替えて、統合するデータ範囲(セル範囲A2:B5)をドラッグして選択(⑯)します。データ範囲を選択できたら、小さくなったダイアログボックスの右端にあるボタン(⑰)をクリックします。

 ダイアログボックスが元の大きさに戻ります。[統合元範囲]欄に、先ほどドラッグして指定したセル範囲(⑱)が入力されていることを確認して、[追加](⑲)をクリックします。

 すると、[統合元]欄にセル範囲が追加されます(⑳)。

 同様にして、「3月売上高.xlsx」のデータも追加します(㉑)。すべてのデータを追加できたら、画面左下の[統合の基準]欄にある[上端行]と[左端列]の両方にチェックを入れます(㉒)。さらに、[統合元データとリンクする]にもチェックを入れます(㉓)。ここが今回の機能のポイントなので、忘れずにチェックを入れてくださいね。

 ここまで完了したら、[OK](㉔)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 シートに戻ると、3つのブックの売上データの集計が表示されます(㉕)。

 統合された表の左側に現れた[+]や数字のボタンに気づいた人も多いと思います。これは、この表のデータがグループごとに階層化され、「アウトライン」として表示されていることを示しています。シートの左側にあるこれらのボタンを操作して、詳細データを展開して表示したり、折りたたんで非表示にしたりできます(アウトライン機能の詳細については以前の記事をご覧ください)。

 次の項では、実際にこのボタンを操作しながら、統合された表の詳細内容を確認してみましょう。

アウトライン化された集計表を操作してみよう

 前項では、3つのブックのデータを統合して集計表を作成しました。この項では、作成した表の左側に現れた[+]や数字ボタンを操作して、統合された表の内容を確認してみます。まずは、試しに[2](①)をクリックしてみましょう。

 グループ化されてまとめられていたデータの詳細が展開されて表示されます(②)(ここでは画面を広く使うためにリボンを非表示にしています)。この表を見ると、例えば、「むくみ防止ソックス」の1~3月の売上金額の合計は「¥173,430」(③)で、1月と3月の売上高がそれぞれ「¥161,130」と「¥12,300」(④)ということがわかります(月ごとの内訳は項目名の上に表示されます)。なお、2月の売上はありません。

 3つのブックのデータの合計が表示されるだけではなく、それぞれのブック(月ごと)の内訳も確認できるので、便利ですよね。これがあれば、複数のブックを開いて見比べたりする必要はありません。

 なお、この機能を使って表示される内訳はブック名になります。よって、この機能を使う場合は、ブック名の付け方に工夫をするとよりわかりやすい集計表を作成できます。

 続けて、今度は[-]ボタンを押してみましょう。「むくみ防止ソックス」の左側にある[-]ボタン(⑤)をクリックしてみます。

 すると、[-]ボタンの表示が[+](⑥)に変わります。「むくみ防止ソックス」の詳細データが折りたたまれて非表示になり、合計金額のみが表示(⑦)されるようになります。

 再び[+]ボタンをクリックすると、「むくみ防止ソックス」の詳細データを表示することができます。このように、[+]や[-]ボタンをクリックすると、それぞれの項目の詳細データを展開したり折りたたんだりできます。

統合元のデータを修正すると統合した集計表に自動的に反映される

 この機能の便利な点は、統合元のブックのデータを修正すると、統合後の集計表にも自動的に内容が反映されることです。データの変更が発生するたびに複数箇所を修正する必要はなく、データの整合性も保たれます。

 実際にやってみましょう。例として、統合元の1つである「3月売上高.xlsx」ブックの内容に修正があったとします。「3月売上高.xlsx」ブックに表示を切り替えると、現在は、「5本指ソックス冷え性対策」の売上金額は「¥25,200」(①)と入力されていますね。

 この値を変更して「¥30,000」(②)と入力します。

 ここで、表示を集計表に切り替えます。すると集計表の「5本指ソックス冷え性対策」の値も「¥30,000」(③)に変更されていますね。

「統合」機能を使って複数ブックのデータを1つにまとめよう

 今回は、Excelで複数のブックのデータを1つにまとめて集計する方法を解説しました。今回解説した方法なら、合計だけでなく、それぞれのブックの詳細データも保持することができるので便利です。また、統合元のデータを変更すると、集計表の値も自動的に反映されることもわかってもらえたと思います。

 年度末に差し掛かり、さまざまなデータを集計する機会が増えてくるかもしれません。このテクを覚えておいて、ぜひ使ってみてくださいね!

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