いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】2種類のデータの関連が伝わるグラフを作りたい!エクセルで複合グラフを作る方法

データの関連性がわかりやすいグラフを作るには?

 「暑い日にはアイスクリームがよく売れる」「ある商品が若い世代に爆発的に売れている」……などの話題を耳にすることは、日常的にありますよね。もちろん、このような話には根拠がある場合がほとんどです。商品の売上の状況をいろいろな視点から分析した結果、気温や年代と売上高に関連があるということがわかるのです。

 Excelで商品の売上高を記録・分析していると、これらの例のように、ある条件と売上高に関連が見えてくることがあります。次の「新作ドリンク売上記録」の表(①)を見てみましょう。1日に新作ドリンクが購入された数と、その日の最高気温が記録されています。データをよく見ると、「最高気温が低い日に売り上げが伸び、最高気温が高い日はあまり売れていない」ことがわかってきます。でも、表の状態ではその関連性が捉えにくいですよね。

 このような時は、グラフにして見せるのが常套手段です。そこで、この表から棒グラフを作ってみたところ、伝えたい「2つのデータの関連」が今ひとつ見えにくいグラフになってしまいました(②)。

 このような時に便利なのがExcelの「複合グラフ」です。複合グラフでは、2種類のグラフを1つのグラフエリア上にプロットすることで、データの関連がわかりやすくなります。今回の記事では、この「複合グラフ」の作り方を解説します。

複合グラフを作成し、2つ目の軸を設定してデータを見やすくする

 先ほどの「新作ドリンク売上記録」の表から複合グラフを作ってみましょう。ここでは、「購入数」を棒グラフ、「最高気温」をマーカー付きの折れ線グラフにしてみます。

 グラフにしたいデータが入力されたセル範囲(ここではセル範囲A3:C11)をドラッグして選択(①)し、[挿入]タブ(②)→[複合グラフの挿入](③)→[集合縦棒 - 第2軸の折れ線](④)をクリックします。

 すると、購入数が棒グラフ、最高気温が折れ線グラフで表現された複合グラフ(⑤)が作成されます。このままでも良いですが、ここでは最高気温をマーカー付きの折れ線グラフにしたいので、もう少し操作します。グラフが選択された状態の時に表示される[グラフのデザイン]タブ(⑥)をクリックし、[グラフの種類の変更](⑦)をクリックします。

 [グラフの種類の変更]ダイアログボックスの[すべてのグラフ]タブの画面が表示されます。画面下部の[最高気温]という欄にあるグラフの種類のメニューの[▼](⑧)をクリックし、表示されるメニューから[マーカー付き折れ線](⑨)を選択します。

 [最高気温]の右側の[グラフの種類]欄に[マーカー付き折れ線]と表示されたことを確認し、[OK](⑩)をクリックします。

 シート上に、縦棒グラフとマーカー付き折れ線グラフの複合グラフが表示されました。グラフの縦横比を調整したり、グラフタイトルを編集したりして、仕上げます(⑪)。

グラフ要素の追加や表示方法の変更をしたい時は

 前項の最後の状態でもグラフの内容として誤りではありませんが、このグラフには縦軸が2つあるため、各軸が表している項目名や単位を軸のそばに表示しておいた方が親切です。ここでは、縦軸に軸ラベルを追加し、軸ラベルの表示を縦書きに変更してみましょう。

 作成したグラフを選択した状態で、グラフ右側に表示される[+](①)をクリックします。[グラフ要素]という吹き出しが表示されるので、[軸ラベル]にマウスポインターを合わせると表示される[▶](②)をクリックし、[第1縦軸]と[第2縦軸]のチェックマークをON(③)にします。この2つの項目を選択することにより、2つの縦軸のところにのみ軸ラベルが追加されます。

 軸ラベルが表示されたら、それぞれの枠内に表示されている内容を編集します。枠内でダブルクリックすると、文字を編集できる状態になります。ここでは、第1縦軸(左側の軸)が「購入数」、第2縦軸(右側の軸)が「最高気温」を表すので、左側の軸ラベルに「購入数(杯)」(④)、右側の軸ラベルに「最高気温(℃)」(⑤)と入力します。

 軸ラベルの文字列を縦書きに変更してみましょう。軸ラベルの上で右クリック(⑥)し、表示されるメニューの[軸ラベルの書式設定](⑦)をクリックします。

 画面右側に[軸ラベルの書式設定]作業ウィンドウが表示されます。[文字のオプション](⑧)→[テキストボックス](⑨)をクリックし、[文字列の方向]欄の右側のメニューの[▼](⑩)→[縦書き](⑪)をクリックします。

 軸ラベルが縦書きになります。この操作では最初に右クリックした軸ラベルだけが縦書きになるので、縦書きにしたい軸ラベルが複数ある時にはすべての軸ラベルに対して同様の操作を行います。縦書きにしたいすべての軸ラベルが縦書きになったら、グラフの完成です(⑫)。

 パッと見でも情報が伝わりやすいグラフになりましたね。

複合グラフを使ってよりわかりやすい資料にしよう!

 今回は、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた複合グラフを作成する方法を解説しました。普段作っている棒グラフをアレンジするような手順で作成できるので、予想以上に簡単だと思った方も多いのではないでしょうか。また、2つのデータの数値の大きさに差がある場合は、第2軸を設定することにより各データの変化がよりわかりやすくなることもおわかりいただけたと思います。

 関連性のある2種類のデータを使ってグラフを作る機会があったら、ぜひ今回の記事を参考に複合グラフを作成してみてくださいね。

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