いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】比率の違いをわかりやすく伝えるには?割合の比較に最適なエクセルのグラフ

割合の比較をわかりやすく表現したい時に便利なグラフって?

 Excelで売上金額を集計して、グラフにまとめることはよくあります。例えば、次の「商品年間売上エリア別比較」の表(①)では、ある企業の商品の年間売上金額が東日本エリアと西日本エリアに分けて集計・入力されています。

 このような表から作れるグラフとしてパッと思いつくものとしては、集合縦棒グラフ(②)があります。

 でも、このような集合縦棒グラフは数値の大きさの比較には適していますが、ある商品の売上金額が売上全体の中で占める割合などを視覚的にわかりやすく表示したい場合には適しているとはいえません。今回は、売上全体の中である商品の売上金額が占める割合をわかりやすく表現するのに適したグラフの作り方を2つ解説します。

❶二重のドーナツグラフで割合を比較する

 割合をわかりやすく表示するのに適したグラフとして円グラフやドーナツグラフがありますが、本記事の例のように2つのエリアの売上の割合を比較したい場合は、ドーナツグラフを二重にして表示するという方法があります。実際に先ほどの「商品年間売上エリア別比較」の表から、二重のドーナツグラフを作成してみましょう。

 グラフにしたいデータが入力されているセル範囲(ここではセル範囲A2:C8)をドラッグして選択(①)し、[挿入]タブ(②)→[円またはドーナツグラフの挿入](③)→[ドーナツ](④)をクリックします。

 二重のドーナツグラフが表示されますが、このままの状態だと少し見づらいので、中央の穴を小さくしてドーナツの部分を太くしましょう。グラフの上で右クリック(⑤)し、表示されるメニューから[データ系列の書式設定](⑥)を選択します。

 画面の右側に[データ系列の書式設定]作業ウィンドウが表示されます。[系列のオプション]欄の一番下にある[ドーナツの穴の大きさ]欄のハンドルを左にドラッグ(⑦)して、ドーナツの穴を小さくします。表示を確認しながら、グラフが見やすくなるように穴の大きさを調整しましょう。調整できたら、作業ウィンドウを閉じておきます。

 次に、グラフ上に各項目の数値が表示されるようにします。グラフエリアの右上に表示される[+](⑧)をクリックすると[グラフ要素]という吹き出しが表示されるので、[データラベル]にマウスポインターを合わせると表示される[▶](⑨)をクリックし、メニューから[その他のオプション](⑩)を選択します。

 画面の右側に[データラベルの書式設定]作業ウィンドウが表示されます。[ラベルオプション]欄で、[値]のチェックマークをOFFにし、[パーセンテージ]のチェックマークをON(⑪)にすると、ドーナツグラフ上に各項目が全体に占める割合が表示されます。

 ただし、この状態だと外側のドーナツにしかラベルが表示されません。先ほどグラフをクリックした際に、外側のドーナツが選択されたからです。内側のドーナツのデータ上にも先ほどと同様にデータラベルを表示させ、両方のドーナツ上にラベルを表示させておきましょう(⑫)。

 凡例がグラフの下にあると見づらいので、グラフの右側に移動させます。凡例の上で右クリック(⑬)し、表示されるメニューから[凡例の書式設定](⑭)を選択します。

 画面右側に[凡例の書式設定]作業ウィンドウが表示されるので、[凡例のオプション]の[凡例の位置]欄で[右](⑮)を選択すると、凡例がグラフの右側に移動します。

 グラフエリアの大きさを調整したり、グラフタイトルを編集したりして、グラフを仕上げます(⑯)。この方法で作成したドーナツグラフは、内側と外側がそれぞれ何のデータかがわかりにくいので、真ん中の穴のところなどにテキストボックスを使って明示する(⑰)と、見る人に親切なグラフになります。

 これで、二重のドーナツグラフが完成しました。見た目にインパクトがあり、見ている人の注目を引くことができるグラフです。ここではグラフ上にパーセンテージのみを表示しているので、プレゼンや配布資料に含める時には数値が入力された表と合わせて掲載するか、グラフ上にパーセンテージと合わせて値そのものも表示させておくと良いでしょう。

❷100%積み上げ棒グラフで割合を比較する

 前項で解説した二重のドーナツグラフは、見た目のインパクトはありますが、割合を正確に比較したい時には少し見づらいと感じるかもしれません。見る人に対して、より正確にデータを伝えたい場合には、これから解説する100%積み上げ棒グラフを使うと良いでしょう。

 再び、「商品年間売上エリア別比較」の表からグラフを作成してみます。グラフにしたいデータ範囲(ここではセル範囲A2:C8)をドラッグして選択(①)し、[挿入]タブ(②)→[縦棒/横棒グラフの挿入](③)→[100%積み上げ縦棒](④)をクリックします。

 100%積み上げ縦棒グラフが表示されますが、エリア別の比較のデータになっていないため、データを正しく選択し直す必要があります。グラフ上で右クリック(⑤)し、表示されるメニューから[データの選択](⑥)を選択します。

 [データソースの選択]ダイアログボックスが表示されます。凡例として選択される内容が(項目)軸ラベルの内容として選択されているため、この項目を入れ替えます。ダイアログボックス中央の[行/列の切り替え](⑦)をクリックします。

 凡例項目と横(項目)軸ラベルの内容が入れ替わったら、[OK](⑧)をクリックします。

 前項と同様の操作でデータラベルを表示し、凡例を右側に移動します。グラフタイトルを編集したり、見た目を調整したら、100%積み上げ縦棒グラフの完成です(⑨)。

 この100%積み上げ縦棒グラフは、縦軸が割合になるので、先ほどのドーナツグラフとは違ってグラフ上にパーセンテージを表示することはできません。そのため、このグラフを使う場合は割合のイメージをグラフの見た目から読み取ってもらうということになります。割合を定量的に示したい場合は、ドーナツグラフを使うか、値とは別にパーセンテージを計算して表にまとめておき、グラフとは別に見せるなどの方法を取るとよいでしょう。

割合の比較に便利なグラフを知っておこう

 今回は、Excelで割合を比較したい時に便利なグラフを2種類解説しました。どちらも、普段の業務で頻繁に使うものではないかもしれませんが、決算時期などに活躍する可能性のあるグラフです。シンプルな棒グラフや円グラフだけでなく、これらのように割合の比較に便利なグラフを知っておけば、同僚からも一目置かれるかもしれません。ぜひ、今回の記事の内容を覚えておいてくださいね!

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