いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】完了したタスクに自動で「取り消し線」が引かれるToDoリストを作る方法

発注表や納品管理表など、幅広いシーンで活用可能

「済」の行には自動的に取り消し線が引かれます

作業完了の項目に取り消し線を引くには?

 進捗状況を確認する表をエクセルで作成することがありますよね? 発注表や納品表など、納期を管理するような表はいろいろあります。直近の作業をToDoリストにまとめることもあるでしょう。

 手書きのリストなら完了したタスクに線を引いて、作業済みであることを明確にしたりしますが、エクセルの表では実現できないのでしょうか? 例えば「済」と入力したら、自動的に項目の書式が変わるような仕掛けです。

完了した項目には「取り消し線」を引きたくなりませんか?

 結論から言うと、もちろんできます。「条件付き書式」の機能を利用して、条件を満たす場合に[取り消し線]を引くように設定するだけです。

 数値を基準にセルを強調したり、日付を判定して土日を塗り分けたりする処理と同様、セルの値を判定します。取り消し線もセルに設定できる書式なので、当然設定可能です。

 今回は、条件付き書式の使い方をおさらいしながら、「取り消し線」を引く方法をマスターしましょう。さまざまな表に応用できるテクニックです。

「条件付き書式」の設定

 ここでは、ToDoリストの[ステータス]列に「済」と入力された場合に、行全体に取り消し線を設定します。条件に指定する文言は「○」や「OK」などでも構いません。好みで指定してください。

 条件式に指定するセルの参照方式がポイント。列を固定した複合参照で指定します。「=」「$」「"」の記号はすべて半角で入力してください。参照方式の切り替えは「C2」などのセル番地を入力してから[F4]キーを押すとスムーズです。

条件付き書式を設定するセル範囲(ここではセルA2~C20)を選択します(①)。[ホーム]タブ(②)にある[条件付き書式](③)-[新しいルール](④)を選択します
[新しい書式ルール]ダイアログボックスが表示されます。[数式を利用して、書式設定するセルを決定](⑤)を選択します。「=$C2="済"」と入力します(⑥)。「C2」と入力してから[F4]キーを押しても構いません。[書式](⑦)をクリックします
[セルの書式設定]ダイアログボックスに切り替わります。[フォント]タブ(⑧)を表示して、[取り消し線](⑨)にチェックを付けます。[OK](⑩)をクリックします
[新しい書式ルール]ダイアログボックスに切り替わります。プレビューに取り消し線のイメージが表示されます。[OK](⑪)をクリックします
[ステータス]列に「済」と入力された行に取り消し線が引かれました

 新規に「済」と入力した場合に正しく動作するかを確認しておきましょう。

[ステータス]列の任意のセルに「済」と入力します
取り消し線が引かれました

入力済みの値をすばやく入力する

 先ほど指定した条件は『セルに「済」が入力された場合』です。当たり前ですが、「済み」や「完了」などの文言では、取り消し線は引かれません。しかし、注意していても間違えることもありますよね。修正するのも手間です。

 簡易的な入力リストで、すばやく正確に入力する方法も覚えておきましょう。[Alt]+[↓]キーを押すと、リストから入力済みの値を選択できるようになります。

[ステータス]列の任意のセルを選択して[Alt]+[↓]キーを押すと(⑫)、入力済みの「済」がリストで表示されます(⑬)
リストが表示された状態で[↓]キーを押して(⑭)値を選択し、そのまま[Enter]キーを押します(⑮)
選択した値が入力されました

いろいろな表に応用できる

 ここでは条件付き書式を使って「済」の場合に取り消し線を表示しましたが、設定する書式を変更するだけで、いろいろな表に応用できます。例えば「優先」と入力されたら赤字にして強調するといった処理も可能です。

 また、[Alt]+[↓]キーを使った入力方法は、同一の値をくり返し入力する場合にいつでも使えるテクニックです。ぜひ活用してください。