いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】納期が近づいてきたらエクセルが教えてくれるって本当?!納品日を絶対に忘れたくない人のための納品管理テク

納期が近づいてきたら知らせてくれる納品管理表を作ろう

 毎日の業務の中で、決められた納期に遅れないように、Excelを使って納品管理をしている読者は多いのではないでしょうか。注意深く管理しているつもりでも、あまりにたくさんの案件を扱っていたり、別の急な仕事に追われていたりすると、どうしても見落としてしまうことってありますよね。

 そこで今回は、納期が近づいていることを教えてくれる納品管理表の作成方法を解説します。具体的には、「条件付き書式」機能を使って、納期が近づいてきたら文字の色を変えたり、セルの背景色を変更するなどして、納品日が視覚的に目立つような設定を行います。こうすることで、見逃しの防止に役立てることができますよ。

納品日が「明日」に迫っているセルの書式を変える

 Excelの「条件付き書式」機能は、指定した条件(ルール)に応じてセルに書式(文字や塗りつぶしの色)を設定できる機能です。

 この「条件(ルール)」について、例えば「●●の値が■■の値より大きい場合に、××を△△する」というような複雑な条件を設定しなければならないと思っている人は多いのではないでしょうか。Excelでは、さまざまな種類の「条件付き書式」が用意されており、直感的に操作できるものもあります。

 例として「エクセル通信 納品管理表」を使って考えてみましょう。D列(①)に入力されている納品日が明日に迫っているデータの文字と背景色を黄色にしてみます(現在の日付は、この記事の掲載日である2018年4月23日とします)。

 書式を設定するセル範囲(D3:D8)(②)を選択した状態で、[ホーム]タブ(③)→[条件付き書式](④)→[セルの強調表示ルール](⑤)→[日付](⑥)をクリックします。

 [日付]ダイアログボックスが表示されるので、ドロップダウンリストから[明日](⑦)を選択します。[書式]欄には、[濃い黄色の文字、黄色の背景](⑧)を選択し、[OK](⑨)をクリックします。

 すると、納品日が明日(2018年4月24日)に迫っているセル(D4)の書式が変更されました(⑩)。

 とても簡単に設定できましたね。明日納品しなければならない案件が目立つようになり、うっかり見落としを防げそうですね。

納品日が「今日」のセルの書式を変える

 もう1つ条件(ルール)を追加してみましょう。今度は、納品日が今日(2018年4月23日)であるセルの文字と背景色を赤色にしてみます。

 対象のセル範囲(D3:D8)(①)を選択した状態で、[ホーム]タブ(②)→[条件付き書式](③)→[セルの強調表示ルール](④)→[日付](⑤)をクリックします。

 [日付]ダイアログボックスが表示されるので、ドロップダウンリストから[今日](⑥)を選択します。[書式]欄には、[濃い赤色の文字、明るい赤の背景](⑦)を選択し、[OK](⑧)をクリックします。

 納品日が本日であるデータ(セルD3)の書式が変更されました(⑨)。

応用編:自分でルール定義して設定する

 前述の2つの例のように、[日付]ダイアログボックスで条件(ルール)を設定する場合は、既定でいくつか選択肢が用意されているので(①)、手軽に設定できます。

 ただし、ここの選択肢以外の条件(ルール)を指定したい場合はどうしたらいいでしょうか。この項では、応用編として納期が1週間以内に迫っているデータの書式を変更する例を解説します。

 対象のセル範囲(D3:D8)(②)を選択した状態で、[ホーム]タブ(③)→[条件付き書式](④)→[新しいルール](⑤)をクリックします。

 [新しい書式ルール]ダイアログボックスが表示されます。[数式を使用して、書式設定するセルを決定](⑥)を選択して、ルールの内容の欄に「=$D3<Today()+7」(⑦)という数式を入力します。これは、D列の値が今日の日付から起算して7日後の日付よりも小さいかどうか、つまり今日から1週間以内の日付かどうかという条件になります。

 [書式](⑧)をクリックします。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。ここで、条件を満たした時の書式を指定します。今回は塗りつぶしの色に水色(⑨)を選択して[OK](⑩)をクリックします。

 [新しい書式ルール]ダイアログボックスに戻ると、[プレビュー]欄に選択した色が表示されます(⑪)。[OK](⑫)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 続けて、今まで設定したルールの優先順位を設定します。セル範囲D3:D8(⑬)を選択した状態で[ホーム]タブ(⑭)→[条件付き書式](⑮)→[ルールの管理](⑯)をクリックします。

 [条件付き書式ルールの管理]ダイアログボックスが表示され、今までに設定したルールのリストが表示されます(⑰)。ここに表示されている順番にルールが設定されます。つまり、1番上に表示されているルールが最優先されます。

 前述の例の最後に設定したルール(⑱)は優先順位を低くしたいので、下方向の矢印ボタン(⑲)を押して下に移動していきます。

 リストの一番下に設定されました(⑳)。[OK](㉑)をクリックして、ダイアログボックスを閉じます。

 すると、今日の日付(2018年4月23日)から1週間以内の日付のセルに水色の背景色が設定されました(㉒)。

 ちなみにこの[条件付き書式ルールの管理]ダイアログボックスでは、既に設定されているルールの書式の編集を行うこともできます。納品日が今日(2018年4月23日)であるセルの文字を太字斜体にして、より目立たせることもできます(㉓)。

 このように、複数の条件を設定しておけば、今日中にやらなければならないこと、明日までにやらなければならないこと、そして1週間以内にやらなければならないことが明確になり、見落としも減ってきますね。

納期が近づいてきたら知らせてくれる納品管理表を作る

 今回は、納期が近づいていることを教えてくれる納品管理表の作成方法を解説しました。「条件付き書式」機能を使うと、さまざまな条件(ルール)に応じて書式を変更できるので、とても便利です。

 今回の例のほかにも、応用方法はたくさん考えられます。例えば、過去の日付のものは「納品済」を意味するグレーの背景色で塗りつぶすなどの設定もできます。過去の案件をグレーにして目立たなくすれば、進行中の案件が目に留まりやすくなりますね。

 ぜひ使って見てください!

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