いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】残り予算の計算で単純ミス! 意外と煩雑になりがちな引き算をすっきりさせるテク

一覧表に含まれる「引き算」をおさらい

何度も「引き算」しなくてもOK

 今回は「引き算」をおさらいしておきましょう。対象の値やセルを「-」でつなげるだけですが、表中に含まれる計算式になると、正しく計算できているかどうか不安になることがあります。例えば、以下のような表で残金を計算したいとします。

セルE2(①)に指定する計算式は?

 予算から各項目の金額を引く「=E2-B2-B3-B4-B5-B6」のような計算式を考えませんか? 間違いではありませんが、指定漏れがあると正しく計算できません。SUM関数を組み合わせるとスマートです。

 では、各行に残金を表示したい場合は? 経費のメモのほか、地域の集まりの支出管理などでよくあります。こちらは単純に「足し算」と「引き算」を組み合わせれば解決します。

各行に残金(②)を表示したい場合は「足し算」と「引き算」の組み合わせでOKです

 いずれも基本ですが、この機会に振り返っておきませんか。また、残金がマイナスになった場合、セルを目立たせる表示形式のテクニックも紹介します。

合算を引いて計算する

 予算を振り分ける時など、残金を表示しておきたいことがあります。前述のように連続する「-」の計算式はおすすめしません。B列に入力された金額の合計をSUM関数で合計して、予算から引きます。

セルE2に「=E1-SUM(B2:B7)」と入力します(③)
残金を計算できました(④)

 項目が増えることを考慮するなら、SUM関数の引数にB列全体を指定してもいいでしょう。ただし、この方法は、合計対象以外の数値が列に含まれていないことが条件です。

セルE2の数式を修正して「=E1-SUM(B:B)」と入力します(⑤)
残金を計算できました(⑥)。数値は先ほどから変わっていません
行を追加すると(⑦)、残金が自動的に変更されます(⑧)

カッコ書きでわかりやすい計算式に整える

 今度は各行に残金を表示する計算式を考えます。[収入]列と[支出]列があるので、収入がある場合は残金に「足し算」、支出は残金から「引き算」です。セルE3の数式を考えると「=E2+C3-D3」となります。このままでも問題ありませんが、「=E2+(C3-D3)」としておくとわかりやすいのではないでしょうか。

 ひとつ上の行の数値から収支の差を足し合わせる考え方です。参照するセルが入り組むため、難しそうに見えますが、計算式は単純です。なお、セル参照は相対参照のままで構いません。オートフィルで計算式をコピーすれば一気に計算できます。

セルE3に「「=E2+(C3-D3)」」と入力します(⑨)
残金を計算できました(⑩)
計算式をコピーしておきます(⑪)
セルE4の計算式も正しく参照していることがわかります(⑫)

 なお、テンプレートとしてあらかじめ計算式を入力しておきたい場合は、IF関数とOR関数を組み合わせて「=IF(OR(C3<>0,D3<>0),E2+(C3-D3),"")」などと指定しておくといいでしょう。

オリジナルの書式で数値を目立たせる

 残金がマイナスになった時に数値を目立たせる方法も覚えておくと便利です。セルの表示形式が[通貨]や[数値]の場合、マイナスの値は赤字で表示されます。

 例えば「▲101,000」と赤字で表示したい時、該当する表示形式は用意されていません。[ユーザー定義]でオリジナルの書式を設定しましょう。

表示形式が[通貨]や[数値]の場合、マイナスの値は赤字で表示されます(⑬)
[ユーザー定義]をクリックします(⑭)。[種類]に「#,##0;[赤]-#,##0」と表示されます(⑮)。もし異なる表示形式が表示された場合は、次の操作に進んでください。
[種類]を「#,##0;[赤]▲#,##0」と修正します(⑯)。「;」以降はマイナスの場合、「[赤]」は赤字にするという意味です。[OK](⑰)をクリックします
マイナスの数値が赤字で「▲101,000」と表示されました(⑱)

単純なミスに注意しよう

 引き算を使う計算式は単純ですが、指定漏れして間違えることがよくあります。ミスを回避する方法を覚えておきましょう。また、オリジナルの表示形式を作成するテクニックは汎用的に使えます。