使ってわかるCopilot+ PC
第72回
『あの写真を見たいのに見つからない』なら「フォト」アプリのAIでスマートに探そう
セマンティックインデックスを活用し、自然言語で写真を検索
2025年12月5日 15:59
大量の写真の中から欲しい写真を探し出したい
写真データが何千枚、何万枚もある方は、スマホ社会の現代では珍しくない。筆者も子供が生まれた後に写真フォルダーの使用量が爆増しており、いまスマートフォンを確認したところ、動画も含めて約6千ファイル、約90GBであった。
そしてある時、『あの写真を見たい』と思った経験がある方も多いのでは。子供が小さい頃のイベント、旅行先で撮った猫、数年前に偶然立ち寄った店……記憶をたどって写真で確認したかったり、久々に見てみたいと思ったりすることはよくある。
写真を撮った記憶はあるが、いつだったかはっきりしない。写真をバックアップした時にファイルスタンプが変更されて日付で追えない。並ぶのは機械的に名前が付けられた大量の画像ファイルのみ。この中から目的の1枚を拾い出すのは骨が折れる。
そんな時の助けになるかもしれないのが「フォト」アプリのAI機能だ。
自然言語で画像の内容を伝えるだけ
「フォト」アプリのウインドウ上部にあるテキストボックスをクリックしてみよう。テキストボックスの下部が虹色に光るのが見えるはずだ。これはAIが機能していることを表すビジュアルだ。
ここに、探したい画像についての検索ワードを入力する。試しに筆者の環境で『日本の街並み』と検索してみると、鎌倉で撮影した街の写真が表示された。
AIはあらかじめ画像を読み取り、どんな画像であるかを分析し、情報を整理している。そしてユーザーが自然言語で検索すると、AIがテキストを理解し、適合する画像を選び出す。
ユーザーが画像にタグをつけるわけではなく、AIが画像認識しているため、意図した画像だけが出てくるとは限らない。検索した要素が画像の一部に含まれていたり、検索指示の一部に適合するものもピックアップされることがある。平たく言えば『AIがそれっぽいと判断したもの』が表示される。
それでも、何の策もなく数千数万の画像を目視確認して探すよりは効率的だろう。1回の検索で見つからなくても、検索指示をちょっと変えたりすれば見つかる可能性はある。『街並み』と指示してダメなら、『青空』や『群衆』など、目的の画像にあるはずのキーワードを追加して絞り込むことも可能だ。
このような自由度の高い検索機能は、「Copilot+ PC」の機能の1つであるセマンティックインデックスを活用している。ローカルファイルをAIが読み取り、画像の意味まで理解して情報整理し、ユーザーが検索する際にもAIが自然言語を理解して探してくれる。地味ながら先進的で実用性の高い機能だ。
任意のフォルダーも登録できるが……
ちなみに「フォト」アプリから見える画像は、初期設定ではOneDriveやiCloudに含まれる画像や、ライブラリに登録されている画像だけのようだ。
「フォト」アプリから任意のフォルダーを参照するには、エクスプローラーで登録したいフォルダーを選び、右クリックから[その他のオプションを確認]-[ライブラリに追加]-[ピクチャ]と選ぶ。これで左側のタブの[このPC]の欄にフォルダーが登録される。
ただ筆者の環境では、追加したフォルダーでは自然言語による検索がうまく機能しなかった。フォルダーの登録直後はNPUが活発に動いて、画像のインデックス化はしているようだったのだが……。今後のアップデートに期待しよう。
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/




















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