やじうまの杜

廃止された「IE 11」を蘇らせる禁断の技、まだ使える? ~全部試してみました【18:15追記】

どうしてもアレじゃないと嫌な人以外は、「Microsoft Edge」の「IE モード」の利用を

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「IE 11」から「Edge」への以降を知らせるダイアログ。[続行]を押さないと、先に進めない

 先日の「Microsoft Edge」アップデートを適用したところ、筆者のWindows 10環境でも「Internet Explorer 11」が無効化され、「Microsoft Edge」が代わりに起動する(リダイレクトされる)ことが確認できました。6月13日(米国時間)に予定されているWindowsセキュリティアップデート(Bリリース)では、[スタート]画面やタスクバーにあるアイコンも取り除かれるとのことで、古い付き合いだった「IE 11」とも、これでようやくお別れですね。

 しかし、ここでちょっと気になるのが、弊誌でも何回かご紹介した「IE 11」の復活術がまだ使えるのか? ということ。「IE 11」は本当に死んだのか?……実際に試してみました。

「Edge」の機能を案内するWebページ。デスクトップに作成した「IE 11」のショートカットファイルをダブルクリックしても、「IE 11」が現れるのは一瞬だけで、「Edge」にリダイレクトされてしまう

COMコンポーネントを利用する方法

 まず最初は、「VBScript」などでIEコンポーネントを呼び出す方法です。テキストファイルに以下のコードを記述して「.vbs」という拡張子を付けて保存し、ダブルクリックします。

CreateObject("InternetExplorer.Application").Visible=true

 結論から言うと、普通に「IE 11」が起動しました。張り合いに欠けますね。

「VBScript」などでIEコンポーネントを呼び出す

ショートカットファイルを利用する方法

 2つ目は、前述のトリックを応用してショートカットファイルにする方法です。

 やっていることは1つ目と同じなので、こちらも問題なく起動しました。ショートカットファイルのアイコンを「IE 11」(C:¥Program Files¥Internet Explorer¥iexplorer.exe)に変更しておけば、見た目もばっちりです。

ショートカットファイルを利用する方法

有志開発のアプリを利用する方法

 3つ目は、「Outernet Explorer」というアプリです。前述の仕組みを応用して開発されており、こちらも問題なく起動しました。

 まだダウンロード数が少ないため、起動時にフィッシング対策機能「Smartscreen」が警告を発しますが、編集部にてウイルスチェック済みで、今のところ内容には問題ありません。

「Outernet Explorer」を実行

 蛇足になりますが、このアプリを「IE 11」でダウンロードしようとしたところ、「GitHub」のデザインが崩れ、実行ファイルをダウンロードできませんでした。もはやこうしたモダンサイトで「IE 11」は機能しないと考えておくべきでしょう。

「IE 11」で「GitHub」にアクセスした様子。リソースの読み込みが完了しないため、実行ファイルをダウンロードできない

[インターネット オプション]ダイアログからリンクをたどる

 最後は、[インターネット オプション]ダイアログからリンクをたどる方法です。[アドオンの管理]ダイアログの隅に残されている「ツール バーと拡張機能の詳細」というリンクをクリックすると、システム既定のWebブラウザーではなく、「IE 11」が起動してしまうという裏技(?)でした。

 こちらも無事、「IE 11」が起動しました。どうやら内部的にはIEコンポーネントを呼び出す処理になっているようですね。[インターネット オプション]ダイアログや[アドオンの管理]ダイアログが廃止されるまではこのまま放置されそうです。

[インターネット オプション]ダイアログからリンクをたどる

最後に ~「Microsoft Edge」の「IE モード」の利用を

 ここまで見てきたように、「IE 11」の復活術はおおむね利用できるようでした。これは、今回廃止されたのが デスクトップアプリとして の「IE 11」だからです。コンポーネントとしての「IE 11」は、アプリ互換性のためにシステムに残っています。「IE 11」に依存する(内部で利用している)アプリは、依然利用可能と考えていいでしょう。

 しかし、これまで紹介してきたトリックを使って「IE 11」デスクトップアプリを無理やり起動させることは、セキュリティ上危険な行為であり、Microsoftの推奨する方法ではありません。「IE 11」でしか開けないWebサイトは、「Microsoft Edge」の「IE モード」を利用すべきでしょう。

 また、「IE モード」は少なくとも2029年までサポートされますが、あくまで延命措置に過ぎません。セキュリティやパフォーマンスを考えれば、できるだけ早めにモダンなWebサイト・アプリへ移行すべきでしょう。

[2023年2月20日18:15編集部追記] 読者からの情報によると、「IE 11」の復活術にはこのほか、「ファイル名を指定して実行」に「iexplore.exe -extoff」と入力するといった方法で、「IE 11」をアドオンなしで起動するオプションを付けて実行する方法もあるとのこと。編集部でもWindows 10で「IE 11」が起動することを確認した。

「ファイル名を指定して実行」に「iexplore.exe -extoff」と入力して「IE 11」を起動