やじうまの杜

PCの閲覧サイトへスマホファイルをアップロードできる「Microsoft Edge」の隠れ機能が便利

ファイル選択ダイアログからQRコードでペアリングして直接送信

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デスクトップ版「Microsoft Edge」の「モバイル アップロード」機能。要「Microsoft アカウント」

 デスクトップ版「Microsoft Edge」には「モバイル アップロード」という機能があり、閲覧サイトへファイルをアップロードする際、ローカルファイルの代わりにQRコードで連携させたスマートフォンに保存されているファイルを用いたり、内蔵カメラで撮影した写真をアップロードすることができます。2023年末から2024年にかけて、こっそりと展開されていたようですね。

「PCでWeb手続きしていたら、急に運転免許証の写真をアップロードしろって言われた」

「モバイル非対応サイトでスマホにあるファイルを使いたい」

なんて場合に便利だと思います。

システム要件

 この機能を利用するには、以下が必要です。

  • PC
     ►「Microsoft Edge」
     ►Microsoft アカウントで「Microsoft Edge」にログイン
  • モバイル
     ►任意のWebブラウザー(「Microsoft Edge」を推奨)
     ►PCと同じネットワーク(Wi-Fi)に接続されていること

 スマートフォン側のWebブラウザーはなんでもよいようですが、試用できるのは10回まで。モバイル版「Microsoft Edge」へ切り替えると、無制限で利用できるようになります。

使い方

 「モバイル アップロード」は、[ファイルの選択]ボタン(input type="file")さえあれば原理的にどのWebフォームからも利用できるはずです。ボタンを押してファイル選択ダイアログへアクセスすると、いつもの[開く]ボタンの左隣に[モバイルからアップロード]というボタンが現れます。このボタンをクリックすると、「Edge」にQRコードが表示されます(「Microsoft アカウント」で「Microsoft Edge」にログイン済みであること、PCとスマートフォンが同じネットワーク上にあることを確認してください)。

いつもの[開く]ボタンの左隣に[モバイルからアップロード]というボタンが
PCの「Edge」にQRコードが表示されるので、スマートフォンのカメラで読み取る

 これをスマートフォンのカメラで読み取り、共有リンクへアクセスすると、スマートフォンのファイルを選択できるようになります。スマートフォン内蔵のカメラで撮影した写真をPCへ送ることも可能です。

QRコードのリンクをスマートフォンのWebブラウザーで開く。「Edge」以外でも10回まで利用できるが、試用という扱い。何回でも使いたい場合は「Edge」をインストールしよう
PCに戻って、ペアリング(連携)を完了させる
PCとスマホのペアリングが完了。スマホに戻ってファイルを選択
ファイルを選択。スマートフォンのカメラで撮影した写真を選ぶことも可能
仕様上は1ファイルあたり1GBまで、計10個まで選択できる。選択が完了したらPCに戻る
PCで送信の確認
送受信の開始。1対1で接続するので、クラウド経由よりも速い転送が期待できる
ファイルのアップロードが完了。スマホの写真で「Google 画像検索」ができた
ファイルのアップロードが完了したら、スマホのWebブラウザーは閉じてしまってもよい

 ちなみに、この機能で送信できるファイルは1度に10個まで。それぞれ1GB以内のサイズである必要があります。ファイルの種類に制限はありません。

この機能のメリットとデメリット

 PCとモバイルでファイルを共有する方法はいくつかありますが、「モバイル アップロード」は以下の点で優れています。

  • 1対1で直接接続され、クラウドを経由しない
     ►ファイル送信が高速
     ►クラウドストレージを消費しない、第三者にファイルを預けなくてよい
  • セットアップが比較的容易
     ►QRコードを読み取れるスマートフォンさえあれば、シームレスにファイルを送信できる

 デメリットとしては、Microsoft アカウントと「Microsoft Edge」が必要であることが挙げられます。日頃それらを利用していないのであれば、用意の手間がかかるでしょう。

 また、頻繁にファイルをアップロードするのであれば、「OneDrive」などのクラウドストレージを介したファイル同期、「スマートフォン連携」(Phone Link)やクイック共有(旧称:ニアバイシェア)を用いたファイル送受信の方が、QRコードを読み取ったりしなくて済む分、手軽で制限が少ないかもしれません。