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「Microsoft Edge 84」が正式リリース ~“コレクション”に便利なコメント・付箋機能
“TLS 1.0/1.1”はデフォルトで無効に
2020年7月17日 10:30
米Microsoftは7月16日(現地時間、以下同)、「Chromium」ベースの「Microsoft Edge」安定版をアップデートした(v84.0.522.40)。メジャーバージョンアップとなる本バージョンでは、不具合やセキュリティ問題の修正に加え、いくつかの新機能が導入されている。
まず、「Edge 84」ではフルスクリーンモード([F11]キー)が改善。マウス操作がフルサポートされた。わざわざフルスクリーンモードを終了しなくても、マウスでタブやアドレスバーにアクセスできるようになっている。
また、「Edge」ならではの機能“コレクション”にも改善が加えられている。「Edge 84」のコレクションはアイテムにコメントを追加したり、メモを挿入できるようになった。メモはOS標準の付箋アプリ「Microsoft Sticky Notes」に似ており、文字スタイルや背景色の変更が可能。パフォーマンスも改善されており、以前のバージョンの「Edge」よりも短時間でコレクションを「Excel」などにエクスポートできるという。
さらに、PDFビューワーで読み上げがサポートされた。日本語音声も選択可能で、テキストを読み上げさせながら他の作業を行うといったことが可能となる。Webページを読みやすく加工してくれるアクセシビリティ機能“イマーシ ブリーダー”では翻訳がサポートされており、読み上げ機能と組み合わせて利用できる。
そのほかにも、保存したデビットカードやクレジットカードにニックネームを付けられるようになった。複数のカードを使い分けているユーザーには役立つだろう。また、開発者向け機能も強化。“Storage Access API”や“Native File System API”といった新しいAPIがサポートされたほか、開発者ツール([F12]キー)ではコントラストモードや「Visual Studio Code」に合わせたキーボードショートカットが利用可能となっている。
なお、本バージョンで“TLS 1.0/1.1”はデフォルトで無効となったので注意。
今回のアップデートで対処されたセキュリティ問題は「Google Chrome」v83.0.4103.116で修正されたものとほぼ共通で、CVE番号ベースで26件に上る。内1件(CVE-2020-1341)のみ「Microsoft Edge」固有の問題となっている。最大深刻度は4段階中最高の“Critical”と評価されており、できるだけ早い対応が必要だ。
「Chromium」ベースの「Microsoft Edge」はWindows/Macに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに新しい「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー(“…”アイコン)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。
ただし、「Edge 83」からはアップグレードに伴い不具合がないか確認しながら慎重に提供範囲を拡大していく“プログレッシブロールアウト”と呼ばれるアップデートの仕組みが導入されているため、すぐにはアップデートを受け取れない場合がある。