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「Google Chrome」で「Manifest V2」廃止が開始へ ~2025年初めまでには移行を完了

プレビューチャネルから段階的に

「Chromium Blog」における発表

 米Googleは5月30日(現地時間)、「Google Chrome」における「Manifest V2」拡張機能の段階的廃止を予定通り実施すると発表した。

 同社は拡張機能エコシステム全体のセキュリティ、プライバシー、パフォーマンス、信頼性を向上させるため、「Manifest V2」から「Manifest V3」への移行を進めている。しかし、これまで利用できていた機能の一部が制限されるため、とくに広告ブロッカーなどの拡張機能がなくなってしまうのではないかという懸念があった。

 そこで、開発チームはフィードバックをもとに「Manifest V3」仕様を拡張。ユーザスクリプト対応の追加、拡張機能がバックグラウンドコンテキストからDOM APIを利用きるようにするオフスクリーンドキュメントの導入といった改善を行った、また、拡張機能が利用できる「declarativeNetRequest」ルールセットの制限も大幅に緩和されている。

 こうした歩み寄りの甲斐もあり、現在では「Chrome ウェブストア」でアクティブにメンテナンスされている拡張機能の85%以上が「Manifest V3」を利用しているとのこと。とくに、懸念されていたコンテンツフィルタリング拡張機能においては、トップクラスの拡張機能すべてが「Manifest V3」バージョンを用意している。「Manifest V2」を廃止できる状況はもはや整ったといえるだろう。

 そこで「Chrome」のBeta、Dev、Canaryチャンネルでは6月3日より、以下の変更が加えられる。

  • 「Manifest V2」拡張機能がインストールされている場合、拡張機能の管理ページ(chrome://extensions)にアクセスすると、まもなくサポートが終了する旨の警告バナーが表示されるようになる。
  • 「Chrome ウェブストア」で「Featured」バッジが付与している拡張機能であっても、「Manifest V2」を利用していればバッジを失う

 加えて、今後数カ月をかけて「Manifest V2」拡張機能が段階的に無効化される。必要であればユーザー側で「Manifest V2」拡張機能を有効化できるが、このオプションもいずれは削除される。「Chrome ウェブストア」へ移動すれば代替の「Manifest V3」拡張機能が提案されるので、それに従い「Manifest V3」拡張機能へ移行することをお勧めする。

 同社はこの変更をプレビューチャネルから段階的に実施し、徐々に安定版(Stable)へ展開する考え。来年の初めまでには移行を完了させたいとしている。移行が難しい企業向けには、「ExtensionManifestV2Availability」ポリシーが2025年6月まで提供される。