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JetBrainsの開発環境「WebStorm」「Rider」、非商用ならば無償に

学習、オープンソースプロジェクト開発、コンテンツ制作、趣味などへ活用できる

同社のアナウンス

 チェコのJetBrainsは10月24日(現地時間)、「WebStorm」と「Rider」の非商用目的利用を無償化すると発表した。学習、オープンソースプロジェクト開発、コンテンツ制作、趣味などであれば、有償ライセンスの購入は不要となる。Rust向け「RustRover」、自動テスト向け「Aqua」で最近導入された新しいライセンスモデルを、他言語の開発環境(IDE)にも拡大した格好だ。

 「WebStorm」は、同社が提供しているJavaScript/TypeScript向けのIDE。一方、「Rider」は.NETを用いたアプリ/ゲーム/Web開発をターゲットとしたIDEだ。クロスプラットフォーム対応でWindows/Mac/Linuxをカバーするほか、高度なコーディング支援で定評がある。Androidアプリのオフィシャル開発環境「Android Studio」も、同社の「IntelliJ IDEA」がベースだ。

 今回のライセンス変更は、より幅広い開発者に「JetBrains IDE」を利用してもらうためだという。

 他社のIDEでも入門ユーザーを獲得するため、一部機能を制限したバージョン(Community Edition)を提供する試みは行われている。同社自身、「IntelliJ IDEA」では「Community Edition」を提供している。

 しかし、「WebStorm」や「Rider」の場合、作業生産性の向上に不可欠なすべての機能を統合したモノリシック構造となっており、そうしたアプローチは適していないと判断されたようだ。非商用であっても、商用ライセンスと機能面で大きな違いはない。AIアシスタント機能も、追加料金を支払えば追加できる。

「Rider」の価格体系

 ただし、非商用ライセンスは匿名の利用統計収集をオプトアウト(拒否)できない点には注意したい。これは早期アクセスプログラム(EAP)と同様で、製品の改善に役立てられる。